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「こうしたい」と「つくる」の間に 一級建築士事務所アーク・ライフのブログ

東京都町田市の一級建築士事務所アーク・ライフです。住まい手の「こうしたい」と「つくる」の間で要望を共有し一緒に考えます。

住宅改修のアドバイスの視点

2007-03-20 09:57:40 | 住宅改修

住宅改修のアドバイスを行う時に、ポイントが二つあると感じています。

一つ目は、利用者の身体状況で困っている事は何か?です。

二つ目は、住宅内のバリアは何か?です。

この二つは、両方とも、重要と思います。

その根拠も二つあると感じています。

一つ目は、2001年にWHOで採択された、「国際生活機能分類-国際障害分類改訂版」です。 

此処では、心身機能や身体構造の変化が生活機能での障害を生み、生活上や社会での活動が制限される状況になった場合、住宅や社会の環境が、その制限を取り除き、個人を助け支える事によって、生活や社会活動に参加できる状況を取り戻す、と言う風に、環境の影響を評価するようになっています。

二つ目は、2000年に施行された介護保険法施行規則の中にある、《住宅改修費の支給が必要と認める場合》として、条文に明記されていることです。(第74条及び第93条)

此処では、《被保険者の心身の状況、住宅の状況等を勘案して必要と認められる場合に限り支給するものとする。》とはっきり書かれています。

この二つの根拠で、被保険者の生活改善には、身体状況の評価と住宅状況の評価が両者とも同じ重さで必要と思う訳なのです。


住宅改修のアドバイスで心がける事

2007-03-16 14:15:01 | 住宅改修

住宅改修アドバイザーをしていると、沢山のお宅を訪問します。

どっしりした民家と言ったお家や最近の建売住宅、少し前の建売住宅、戸建住宅以外にも、マンションにも訪問します。中には、建築家に設計してもらったような住宅もあります。木造住宅以外にも、鉄骨造の住宅もあります。

手摺を付けるだけの改修から、床の段差解消やトイレ、浴室等の水回りを含んだ大掛かりな改修もあります。

どんなところでもいえる事は、その住まいの雰囲気を出来るだけ壊さない事。住み続けてきた家族にとって、その家は大事なよりどころです。生活の改善を伴わない住宅改修は問題外ですが、雰囲気を無視して、市場にある既製品を押し付けるのも、一種の暴力かなと思います。

住まいの持つ雰囲気を、なじんだ雰囲気のまま、安心で快適な方へと持って行ければ最高ですね。


浴室の床段差解消の難点

2007-02-26 21:16:10 | 住宅改修

最近のユニットバスは、バリアフリー仕様が増えて来ました。洗面所からフラットに浴室に入れるのは、良いことと思います。

在来軸組工法の住宅は、比較的段差の解消が楽です。

でも、住宅の構造によっては出来ない事もあります。最近訪問したお宅では、床下に軽量コンクリート版を張っていて、30センチ近くのまたぎ段差がありました。

Img2262048390001なんとか、もっと段差を少なくしたかったのですが、コンクリート版に穴を開けないと無理そうでした。費用も、かかりそうであきらめました。

2×4の住宅も、床に平らに合板を張ってから、床仕上材を張るので、段差が出来易く、段差解消しにくいのです。

場合によって、段差の解消や、間仕切りを移動したい事も出てきます。ずっと将来の事かもしれませんが、住宅の工法も選んでおきたいことの一つです。