「こうしたい」と「つくる」の間に 一級建築士事務所アーク・ライフのブログ

東京都町田市の一級建築士事務所アーク・ライフです。住まい手の「こうしたい」と「つくる」の間で要望を共有し一緒に考えます。

リフォーム工事で土台の傷みがありました。

2008-04-11 20:17:43 | 耐震改修と共に住み良くリフォーム

ついこの間始まった、耐震改修+リフォームの現場で、洗面所の柱の根元が
シロアリの食害を受けて、ほぼなくなっている状態が見つかりました。
Dscn5313 現場にあった木片で根元をえぐってみるとどんどん削れていきます。
近くの部材も、腐っているものもあり、シロアリに食われてぼろぼろのものもありました。上を見上げると、梁が四方からつながっているので、取り替えるのは難しそうでした。
工務店の社長さんと相談して、柱の根継ぎが良さそうという事になりました。
柱の根継ぎといっても、普段はなかなかそういう現場に出会いません。丸ごと1本取り替えたり、状態が良ければ、既存の柱には触らずに、すぐ隣に新柱を添わせたりします。
住み手の方には、費用負担が増す事なので、歓迎すべき事ではないのですが、どういう風になるのか、楽しみでもあります。実際の根継ぎはもう少し進んでからになります。
シロアリに食われた木材も見つかりました。
Rimg0038 シロアリそのものは見つかりませんでしたが、このような状態ならば、もう少し暖かくなれば、いつ入りこんで来てもおかしくありません。今の内に見つかって良かったと思います。

リフォーム工事では、解体すると思いもよらない被害が見つかる事があります。
ショックを受ける事もありますが、ある意味では、そういう見えない劣化を改善する良いチャンスなのです。
そして、壁をはがすと、筋交が図面の表記よりも薄い事もあります。
耐震性能は、事前の設計時には、1.0を超えるように考えていたとしても、薄い筋交では、性能が落ちる事になります。
そんな時、気に留めずに、そのまま石膏ボードを張ってしまっては、低い耐震性能のままとなってしまって、きちんとした耐震改修とならなくなってしまいます。
見える範囲の筋交は全部寸法を確認し、見えない部分も安全側に推測して、耐震強度を再計算することになります。
その結果工事費が数万円増えたとしても、せっかくの耐震リフォームが意味を成さなくなってしまうよりは良いと思います。
ですから、リフォームの設計・監理を依頼された時には、契約した工事費の他に10%くらい予備費をプラスして見て頂きたいとお願いする事が多いのです。(そこまで使う事は余りありませんが)


耐震改修とリフォームの工事が始まります。

2008-04-07 21:55:12 | 耐震改修と共に住み良くリフォーム

耐震改修の現場がもうすぐ始まります。

2006年に健康診断をした方から、
いよいよ耐震改修と住みよくする為のリフォームを行いたいと
2007年9月末に連絡があり、10月末から設計が始まり、
今年の3月末に設計が完了し、工務店に見積を依頼しました。

その結果、概算工事費の予測とそれほど食い違い無く、
工事費を了解していただき、工務店と工事契約を済ませ、
御近所への挨拶もスムーズに行われました。

工事の期間は、これから約2ヶ月間の予定です。

設計に5ヶ月、それで工事に2ヶ月です。

ずいぶんのんびりと設計をしていたように思われるかもしれませんが、
改めて、耐震診断を行い、その上で、今まで長い間使い続けて段々使いづらくなってきた
お台所や浴室、洗面所をどうすれば、工事費をそんなに増やさずに、使い良く出来るか、
建て主さんと何度も細かい処まで打ち合わせをし、ショールームに一緒に行ったりしながら
設計者も建て主さんも、これなら確かに住みよくなりそうだと、お互いに納得出来る計画になるまでやはり何度も図面で、シミュレーションを行っていくと、あっという間に時間は経っていきます。

それでも、設計契約のときに、ほぼ、お約束した期間で図面を仕上られたので、ほっとしました。
これからは、工務店が主となって、実際にお住まいを解体し、新しく、基礎や耐震壁を作りながら、工事を進めていきます。

でも、気は抜けません。工事監理という重責があります。
幸い現場が近いので、すぐに駆けつけることも出来そうです。
そういう意味では、設計者や工務店が現場から近いと言う事は、建て主さんにとって、メリットが大きい事だと実感します。

ただ、リフォームのときは、解体するとどんな状態の構造体が現れるか分からない事が多く、
シロアリの食害があったり、漏水による木部の腐朽があったり、思った以上に
予備費が必要な事もあります。
そんな事も前もってお伝えしながら、打ち合わせを進めてきましたが、やはり、あまり傷んでいないと良いなあと思っています。

それは、前の施工者の技量にかかっています。ですから、やはり、世の中全体の技術力が優れていると安心が出来ます。
着実に、良心的に設計、工事監理をしたいと思いますし、施工者に信頼が置けることが一番と思います。