「こうしたい」と「つくる」の間に 一級建築士事務所アーク・ライフのブログ

東京都町田市の一級建築士事務所アーク・ライフです。住まい手の「こうしたい」と「つくる」の間で要望を共有し一緒に考えます。

ガスコンロとレンジフード廻りをきれいに保つには

2017-10-26 01:14:04 | エコ掃除
料理をすると、どうしてもガスコンロの廻りは油、食材等が飛び散って汚れます。
汚れをそのままにしておくと、固着してだんだん取りづらくなり、独特の匂いも出てきます。しばらく掃除をしないでいると、帰宅時に油の酸化したようなにおいが「あれ、なんか匂う」となってしまいます。
そうならないように、ガスコンロの廻りに物を置かないようにしておき、料理のたびに水ぶきをして、たまに重曹を溶かした水をスプレーして拭き取れば、ほとんど問題なく綺麗さが保たれます。

普段、掃除が出来ずにレンジフードに油汚れがたまった場合はどうすればよいのでしょうか。強力なキッチン用洗剤を使うという手もあるのですが、食べ物を扱う場所のなので少し抵抗があるかもしれません。

そんなときに、お勧めしたいのは「油」揚げ物等に使って濾してある油を使います。
油をキッチンペーパーで吸って、そのキッチンペーパーで油汚れのあるところをふき取ります。汚れも油なので、油で緩んで拭き取りやすくなります。
何度か油のついたキッチンぺーパーで拭き取っていると、ベタベタの汚れは取れてきて、サラサラの油の膜が残っているだけになります。
そうなったら、乾いたキッチンペーパーで油を拭き取って、最後に重曹スプレーをして拭き取れば、べたべたは取れて油の酸化したような匂いもなくなっています。

比較的簡単に油のベタベタが取れるのでお勧めです。
「ベタベタの油汚れは油で取る」これを知っていると油汚れの掃除がおっくうではなくなります。
是非試してみてください。

リノベーションや耐震補強のときに鉄筋の入っていない基礎をどうすればよいか

2017-10-24 22:25:34 | 耐震精密診断、耐震改修
ひび割れの入った鉄筋の入っていないコンクリート基礎

築30年を超えるような昔の住宅のコンクリート基礎には鉄筋が入っていないことがほとんどで、床下から見ると、上の写真のように大きくひび割れていることがあります。
リノベーションや耐震補強をするときに鉄筋の入っていない基礎をどうすればよいのでしょうか。

基礎の役割は大きく見て二つあります。
基礎に鉄筋が入っていれば、地面が沈んでも建物は沈まない
一つは建物の重さを均等に地面に伝え、建物が傾いたり、不均一に沈んだりしないようにすることです。
基礎に鉄筋が入っていれば、地面が沈んでも建物は沈まないで済む可能性があります。

基礎に鉄筋が入っていれば、地震の時に耐震壁が傾かないように支えられる
もう一つは基礎の上に載っている耐震壁(地震の力を受け止めて、建物が倒れないように支える壁)がきちんと踏ん張れるように支える役割です。
基礎に鉄筋が入っていれば、地震の時に耐震壁が傾かないように支えられる可能性があります。


基礎に鉄筋が入っていないと、地面が沈むと建物も沈む
鉄筋が入っていないコンクリート基礎は地面が不均一に沈むとつられて一緒に沈んでしまいます。

基礎に鉄筋が入っていないと、地震の時に耐震壁が傾いてしまう
また、地震のときには壁が傾くのを止めきれず、壁の力を発揮しきれない(強度が落ちる)ことになります。

そうならないように、耐震補強の時は全ての基礎を補強するのが理想的ですが、予算的な問題等により非現実的なこともあります。
そんな時は、元の地盤が強く建物があまり傾いていないことを前提に、どうしても重要な箇所のみ基礎を補強して、それ以外の部分は基礎を補強しないこともあります。
基礎の補強は、元の基礎に沿わせて鉄筋コンクリートの基礎を作ったり、炭素繊維を張りつけたりすることで行います。
基礎補強、鉄筋組み
基礎補強、出来型


補強しない場所の基礎がひび割れている場合は、ひび割れだけを接着剤で補修し、基礎の上の耐震壁は強度が落ちた耐震壁として計算します。
エポキシ樹脂による基礎ひび割れ補修


このように設計の中で、基礎の補強範囲を決定し、補強しない場所については耐震壁の強さを割り引いて考えることで予算に応じたリノベーション、耐震補強が実現できます。





すっきり暮らすための収納の設け方

2017-10-20 14:39:27 | 収納


ここ最近は急に寒くなり、雨も続いていますね。
昨晩の外気温は11℃、風も吹いて寒さなれしていない体がびっくりしてしまいました。
このように最近は夏から急に冬に向かって気候が変化していくような気がします。

さて、この秋が深まっていく時期に収納の大事さについて考えてみたいと思います。

住宅の購入や新築のきっかけは家族が増えたなどの家族構成の変化が多いようです。その時に何を考えるかによって、その後すっきり暮らせるかどうかの分かれ目になってきます。家族が住むための部屋数や広さも大事ですが、物を納める収納についても考えることが必要です。

例えば、普通のマンションや建売の戸建て住宅では、部屋数を多く、面積を大きく見せるため収納がそれほど充実していません。そのため、普通の暮らしでは物が納まりきらないことがほとんどで、子供が小さいうちは一部屋が物置部屋になっていたりします。せっかく住まいを新築するのであれば、そうならないようにあらかじめ収納を充実させるのが大事です。

では、どのように収納を設ければすっきりと暮らせるのでしょうか。その問いの一般的な答えは
・必要な場所に
・必要な分
収納を設ける。
となります。



例えば、洗濯洗剤のストックや洗面時に使うタオル、お風呂上がりに使うバスタオルは洗面脱衣室に収納したいです。
また、靴や玄関掃除用のほうき、最近では電動自転車のバッテリーなどは玄関に、
食品のストックや、ふきん、食洗器用の洗剤、その他保存容器などはキッチンに収納したいですね。

一方、大きな物置部屋を設けるとどうなるのでしょうか。トイレットペーパーも、アイロン台も、水のストックも一緒の場所。様々な雑多なものが一か所にあり、整理するのも難しい状態になってしまいそうです。大きな物置部屋に物を収納するのでなく、それぞれが必要になる場所に収納したほうがよいのです。



「必要な場所」は住宅のプラン、生活の様子によって違います。
例えば、アイロンとアイロン台、ウォークインクローゼットを広くして、アイロンをかけられるようにしたプランの場合はウォークインクローゼットに。リビングの一部に家事コーナーを設けてそこでアイロンをかける場合はその近くにアイロンとアイロン台を収納します。

大事なのは家族の生活を踏まえ、プランとのバランスをとりながら最適な位置に収納を配置することです。
そのため、プランをつくる段階で、その場での生活を朝・(昼)・晩とシミュレーションして、必要なものを洗い出すとよいと思います。



事前に生活を踏まえてきちんと考えることで、必要な物を必要な場所に収納でき、その結果すっきりした暮らしが実現できます。