「こうしたい」と「つくる」の間に 一級建築士事務所アーク・ライフのブログ

東京都町田市の一級建築士事務所アーク・ライフです。住まい手の「こうしたい」と「つくる」の間で要望を共有し一緒に考えます。

洗濯物の乾燥方法どれがエコか(お得か)

2018-02-27 18:51:47 | お知らせ


浴室をユニットバスに交換するリフォームの時に、暖房乾燥換気扇を設置したいという要望を伺うことが多いです。
浴室を温めるための暖房と雨天時の乾燥を兼ねたご要望なのですが、洗濯物の乾燥ということに特化して考えた場合、どの方法(機器)がエコでお得なのかを考えてみたくなりました。

比較するのは浴室内に温風を吹き出すタイプの暖房乾燥換気扇3種類(ガス温水式、電熱式、電気ヒートポンプ式)と、衣類乾燥に特化したドラム式洗濯乾燥機とガス衣類乾燥機です。

ガス温水式浴室暖房乾燥機は自宅の事例から、その他はメーカーカタログのデータを参照しました。
洗濯物重量、洗濯時間は同じ条件になるように概算ですが揃えています。

消費エネルギー(使用量換算)はガス及び電気の使用量で、こちらが光熱費に直結します。
消費エネルギー(CO2換算)はCO2排出量を比較するための数値です。



結果、1回あたりの光熱費ではドラム式洗濯乾燥機(ヒートポンプ)が一番安く、次いでガス衣類乾燥機、電熱式の浴室暖房乾燥機が一番高くなっています。
CO2排出量で比較してもドラム式洗濯乾燥機(ヒートポンプ)が一番排出量が少なく、次いでガス衣類乾燥機、電熱式の浴室暖房乾燥機が一番CO2排出量が多くなります。

浴室暖房乾燥機は浴室を温めることにエネルギーを使用する点で専用の衣類乾燥機よりも不利なのかもしれません。



10年間のランニングコストで見ると、電熱式の浴室暖房乾燥機のコストが群を抜いて高く、一番安いのはドラム式洗濯乾燥機(ヒートポンプ)となっています。
衣類の乾かし方の好み、浴室の寒さ対策など他にも考慮したい事はありますが、衣類の乾燥だけで考えると、CO2排出量とランニングコストの点で専用の衣類乾燥機に軍配があがります。
浴室リフォームを考えるときは是非参考にしてください。

そうそう、浴室リフォームの際は壁や天井などに断熱材を入れるチャンスでもあります。忘れずに対応して熱の逃げにくい快適でヒートショックの起こらない浴室リフォームを実現しましょう。





12年後に時代遅れの断熱性能になる住宅でなく、将来にわたってほしがる人が絶えない暖かい住宅を作りましょう

2018-02-14 23:58:41 | お知らせ

今日は東京の最高気温は11℃で南から南西の風が吹き、少し春の予感を感じさせる日でした。三寒四温というようにこれから寒の戻りがありつつも、徐々に張るが近づいてくるような気がします。

春が近づいてくると一時期の冬の寒さを忘れがちになってしまいがちかもしれませんが、油断大敵です。インフルエンザなどの風邪対策でも室温を20℃程度に保ち免疫力を高めることが大事です。

室温を保ちながら、電気・ガスなどのエネルギー消費を減らすには建物の保温性を高める断熱と、隙間風を無くす気密が大事です。最近の家であればどれでも断熱と気密には配慮されていると思われるかもしれませんがそうとは限りません。写真は数年前に建てられたハウスメーカー系の住宅ですが壁と軒先の換気口から熱が沢山漏れていて断熱と気密が不十分なことが伺えます。

住み心地の確保や光熱費を抑え、低炭素化を図るためには断熱が必要ですが、現在は断熱を全くしていなくても法律違反ではありません。2020年にようやく法律で一定の断熱性能が義務付けられます。また、2030年には2020年に義務付けられる基準の1.74倍高い断熱性能が義務付けされると言われています。

もしこれから住宅を新築するのであれば最低限2030年に義務付けられる断熱基準をクリアしていないと12年後には法律の基準をクリアしていない住宅となってしまいます。住宅は建ててから少なくとも30年、場合によっては60年かさらにもっと長い間住み続けられます。折角建てるのであれば将来的に時代遅れの性能の誰からも欲しがられない住宅をつくるのではなく、将来にわたって欲しがる人が絶えない暖かく、安全な住宅を作りましょう。将来子供が住まなかったとしても、子どもにとって負担となる負動産となることを避けられます。