雛人形を作っている江戸木目込人形職人  ~伝統工芸士 新井久夫~

人形のまち岩槻で、おひなさまや、贈答用の木目込人形をつくっている職人のブログです。

人形の修理に対する考え方

2010-02-19 21:14:02 | 木目込人形職人
雛人形の修理について触れましたが、ちなみに私もインターネットで「人形の修理」で各サイトを検索してみました。

正直、修理という事の解釈・定義がそれぞれの立場(職人、問屋、販売店そして依頼主である所有者)で違うと感じます。

直す=悪いところを取りかえる、であれば簡単です。
しかし、古くなったものはそれなりに良さがあると私は思います。

人形の修理については、私は人形を販売してしてきた人形業界人の責任だと思っています。
この「人形の修理」が商売になっている事に矛盾を感じます。

私は言葉が適切であるかどうか自信がありませんが、いわば同業者として、広い意味での「サービス」であると思っています。

どうも「修理代」という言葉がしっくりこないのです。
直した事への「お礼」程度の話ではないかと。
私なら、出来るだけ料金がかからない方法で、しかも納得いく形状にしてあげたいと考えます。

正直な感想を述べると、各、ネットで紹介されている人形の修理代が、けた外れに高いと感じます。
我々職人が、同じような工程の仕事の折に、ついでにやってしまえば料金の取りようがないくらいの仕事量なのに、何でそんなに金をせびるのだろうと感じます。

もちろん、時間も手間も、とてもかかるケースもありますが、そのままお持ちになり、新しい人形をお求めになるのも一法です。

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