川べのお茶

旧ブログから引っ越ししました。
仕事のこと、暮らしのこと、時々ぼやき(?)

工務店で「家を建てる」ということ

2014-07-05 | いろいろ
もう、7月!
1年の半分過ぎてしまいました。
この半年、何をしていたんでしょうか(毎年言ってる気がする・シンポナシ)


 日高市高麗川のハス。今が見頃です。




先日、
何年か前にリフォームさせていただいた家にお伺いする機会がありました。

「技拓工房の家」としてご提案する際は
五感に気持ちの良い、無垢の床板・呼吸する壁材、
すっきりと美しい造作建具は譲れないところですし、
またご来社いただくお客様のほとんどがそういった家を望まれています。

しかし、このお客様は違った。

すべてつるつる、スベスベ、清掃性よく、
現場施工や造作家具などとんでもなーい!
メーカー仕様のドアや家具のほうがいい。
何より虫!を連想しない家に住みたい。
(木目がお嫌いと思われる。まあ、ムシは私もイヤです。笑)

主導権を持つ奥様の確固たる主張でした。

ご結婚以来お住まいの現在の家はご両親から受け継いだ日本家屋、
既に築⚪十年、タタミも木も瓦も飽き飽きした。
何より暗い。掃除が大変。寒い・暑い。

最近の仕様は断熱性能が昔とは雲泥の差がありますし、
通風・採光はしっかり配慮いたします。
出来上がったら住み心地は全く違いますよ、
ですから仕上げはやはり自然素材のほうが気持ちが良いのでは・・
とご提案しご説明したのですが、お客様の決意は固く、
前述の「ツルツル・スベスベ」(化粧品のCMみたい・笑)
仕様の家になりました。
お引き渡し当初は、
「いいのかな、力が足りず説明不足だったのではないかな。
 何よりお住まいになってからご不満にならないだろうか」
と正直、一抹の不安があったのですが・・・。
(もちろん工事自体はしっかり仕上げさせていただきましたが)


でもね、久しぶりにお会いしたお客様は、
ありがたいことに今も大満足なのです。


明るくって、住みやすくって、ムシっぽくないじゃない!
何年か経ったけど、手入れも楽だしいい家よ。
本当にリフォームして良かった。
こうおっしゃるにこにこ笑顔のお施主様、特に奥様のお顔を拝見すると
なにか肩の力がホーっと抜けたような気がしました。

そうなんですよね。
「良いものをご提供したい。心地よくお住まい頂きたい」
その思いから、また今までの建築屋としての経験から
さまざまなご提案をさせていただきますけれど、
住む人が満足していなければ、傍がいくら「良い」といっても何にもならない。
デザイン・ポリシーが優先する設計事務所とは違って、
お客様のお好み・気持ちを最優先する、
(もちろん、交通整理はいたしますよ!)
そのあたりが「工務店で建てる」最大の良さ
ではないかと思います。

美術品などど違って、生活の場としての「家」は
この塩梅が難しくも面白くもあるところなのでしょう。
だからこそ「世界でただ一つ、そのご家族だけの家」になるのだと
改めてお客様に教えていただいた思いです。



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