川べのお茶

旧ブログから引っ越ししました。
仕事のこと、暮らしのこと、時々ぼやき(?)

仕口

2019-02-01 | 現場のこと
この大きな木のブロックは




構造体の木組みを原寸大で刻んだもの。
「仕口」と言います。
(設計事務所さんは「モックアップ」と呼ぶようです)


今月上棟予定の入間市・M邸
一見とてもシンプルな方形(ほうぎょう)屋根の家。
しかしそこは設計事務所物件、
カンタンに事が進む訳がない。

なんと屋根の登り梁垂木を支える束を取ってしまう、という設計に、
さあ図面段階からあーでもないこーでもない、
設計事務所、構造設計事務所、現場監督、
終盤は実際に材を刻む棟梁までも参加して
(プレカット業者さんはとうにサジを投げてます)
(無理!の一言)
何回も(熱い)検討が行われました。

とうとう棟梁から「できるんじゃないかな」の一言を引っ張り出し、
それでもいきなりの現場一発勝負は、ということで、
原寸大の仕口を刻み、設計事務所さん立会いの下
事務所の駐車場で組み立てる次第となったのです。



 この材を


 並べて確認しながら




 組み上げていきます。

これは柱や梁の組み合わせる箇所だけを刻んだものですので、
実際は長いところで6mほどの材を組み上げていきます。

驚くべきはこの仕口、
棟梁が原寸(図)無しで、指金(さしがね)1本で刻んでしまったこと!


*指金 【通販モノタロウ】

これだけ複雑な木組みを指示図もなく機械も使わず、
経験と頭の中の計算だけで正確に刻んでいるのですから凄いことです。
(関数計算、暗算しているのでしょうか・・・)

まったく棟梁の頭の中はどうなっているんだ、と
(何とか目途が立った安堵感もあってか)
後半仕口そっちのけで盛り上がってしまいました。


コメント
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