アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件  前原伊助 参上

2023-02-27 09:21:25 | 漫画

      赤穂事件  前原伊助 参上



前原伊助 (過去10石3人扶持)
「内蔵助は遺領1,500石を引き継ぎ
筆頭家老として大きな権限と扶持をもっていた」
「他の有力者は、ほぼ全て追放され
その資産も内蔵助の思うまま」
「内蔵助は十分に私腹を肥やした」

大高源吾 (過去20石5人扶持)
「内蔵助太傅は、資産を使って
大僧正様よりの温情を賜りたいと考えておるのだ」
「それは、浅はかな考えじゃぞ」

前原伊助
「軽率などと申すな」
主家再興は、我らの利益にはならぬぞ
実際問題、主家再興で喜ぶのは内蔵助だけじゃ」
「ここで主家が再興されれば
内蔵助の権威、権限は高められる」
「それに引きかえ我らは如何じゃ」
「主家再興が叶ったところで
拾石や弐拾石ばかりの下級武士じゃぞ」

大高源吾
「太傅が引き立てて下さる」
「我らを役付きにして下さる」

前原伊助
「あっははは」
「大高家の家督を相続のおり
其方の父が200石であったのだぞ」
しかしな、実際に蓋を開けて見れば
お前は20石5人扶持しか相続を認められなかった」
「悔しくはないのか!」

大高源吾
「これから、引き立てて下さる・・」

前原伊助
「馬鹿をもうすな!」
「もう、内蔵助は筆頭家老ではない」
「我らと同じじゃ
内蔵助も我らと同じ浪人じゃぞ」

大高源吾
「しかし、太傅には高い家柄と格式が御座る」

前原伊助
「大高家も安倍氏一族の出自
大高本家は藩主と同じ姓を名乗ることを認められていた」
「其方の家柄は安倍氏一族の出自
蔑まされておるのが分からんのか」

大高源吾
「忠義に励めば認められる筈」
「努力あるのみで御座る」

前原伊助
「無理じゃぞ」
「儂は、江戸詰めの金奉行として、
江戸屋敷で財政を支えてきた」
「しかしな、儂の努力は報われる事はなかった」
「儂が貢献して蓄えた資金は
全て内蔵助が奪い取った」
「江戸屋敷の資産は
秘密裡に国表に運ばれた
儂は、なすすべも無かったのじゃぞ」

大高源吾
「いやいや」
「それは誤解じゃ」
「太傅は赤穂藩の藩券を買い取っていたのじゃぞ」
「それには、莫大な資金が必要であった」

前原伊助
「あっははは」
「弱小商人の藩券は踏み倒されておる」
「内蔵助は計算高い」

大高源吾
「んんぅ・・・」
「其方は、太傅が嫌いなのか?」

前原伊助
「内蔵助は強欲か臆病者の何方かじゃな」
「内蔵助は、吉良を討ち取るつもりはないようじゃ」
「其方も、臆病者と呼ばれたいのか」
「それとも、内蔵助に媚びたいのかな」

大高源吾
「ううゥウ・・・」
「侮辱は許さんぞ!」

前原伊助
「んんゥ」
「其の粋じゃ」
「吉良を討ち取る覚悟を決めろ!」

大高源吾
「儂は、太傅に誓いを立てて
此処に来ている」
「太傅は臆病者ではないぞ!」

前原伊助
「ああ そうじゃ」
「其方に面白い話を聞かせてやろう」
「安井彦右衛門(旧浅野赤穂家老650石)と
藤井又左衛門宗茂(旧浅野赤穂家老800石)がな
吉良邸で門前払いになって
見物人に笑われ者になったそうじゃぞ」

大高源吾
「うぇ」
「なんという、惨め」
「赤穂藩士の名が廃る」
「不甲斐なき、不忠者じゃ!」

前原伊助
「意気地なしなどではない」
「あの者共は本気で謝罪を申し込んだ」
「それからな
もっと惨めで絶望的な話がある」
「門前払いに会った両名は
大石内蔵助に吉良邸の門前に平伏して
大衆の面前で謝罪せよと申し入れたのじゃぞ」

大高源吾
「なんという、悲劇じゃ」
「許せん!」
「もはや、耐えがたき屈辱」
「我慢の限界じゃ!」

前原伊助
「あっははは」
「やっと分かったか!」
「我らは、主の意思を引き継ぎ
憎っくき吉良の首を取らねばならぬ」
「吉良邸に討ち入るのは今じゃぞ!」

大高源吾
「んんんゥ」
「左様じゃ」
「太傅にも忠義を果たして頂く」
「忠義無き場合は
太傅も又、臆病者じゃ!」

前原伊助
「あっははは」
「左様、左様」