アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 盟友の進藤俊式 

2023-02-25 10:16:00 | 漫画

       赤穂事件 盟友の進藤俊式



進藤俊式 (改易前 足軽頭400石。通称は源四郎)
「進藤長之は近衛家の家司
親しき親戚として、内蔵助と共に身を寄せておる」
「それ故、上方の勢力図はそれなりに知る事が出来る」

大高源吾 (赤穂浪士四十七士)
「太傅に勝算は御座いますか?」

進藤俊式
「勝ち負けの問題ではないぞ」
「今、近衛家は鷹司家に遠く及ばぬが
状況は変化しつつある」
「焦って、討ち入りなどすれば
近衛家の家司である進藤長之の協力は得られなくなる」
「近衛家と鷹司家の温情を賜れば
主家再興などは容易い事じゃ」

大高源吾
「堀部安兵衛などは
『絵空事じゃ』
『下らぬ』申し
儂の句を罵っておる」

進藤俊式
「日の恩が天子様だと申したか」

大高源吾
「天子様は天皇、上皇さまだと伝えたが
安兵衛は意に介さぬ」
「逆に、儂のことを不忠者だと罵った」
「儂は、悔しい!」

進藤俊式
「天子様の恩をもってすれば
主家再興など叶ったも同然ではないか」
「怯んではならぬぞ」

大高源吾
「しかし、元辰殿も気が変わたと申された」
「惣右衛門殿は太傅を江戸に呼んで
共に討ち入りをする事を強く望んでおる」

進藤俊式
「悔しいのは分かるが
主家再興の道が閉ざされては
本末転倒」

大高源吾
「日の恩は誤解されております」
「しかし、天の恩にしたいが字余りじゃ」
「いっそ
『天の恩 たちまち砕く 厚氷』にすべきか・・」

進藤俊式
「天であれば、天下様になるぞ」
「天子様とも天下様とも受け取られる」
「日であれば、天子様以外はない」

大高源吾
「違うのじゃ!」
「日を天子様と申したら
儂は、不忠者と罵られたのじゃぞ!」
「日の恩を忘れた不忠者だ言われて
罵られたのじゃぞ」
「日である主の禄を食んでおった者が
主の恩を忘れ、天子様を仰ぐのは不忠者だと言われ
罵られたのじゃぞ!」
「儂は、悔しい!」

進藤俊式
「天子様を仰ぐのが不忠と申したか!」

大高源吾
「いや・・」
「そうではない・・」
「主はあくまでも
浅野内匠頭様なんじゃ!」
「だから、日でも天でもないのじゃ」
「我らが句を詠めば
天子様も天下様もない」
「主様以外はないのじゃ」
「だから、如何様な弁解をしても無駄なんじゃ」
「弁解すれば、するほど
儂は不忠者と呼ばれ罵りを受ける」
「もう、句は詠みたくない」

進藤俊式
「では、句は止めておけ」
「正確に本意を知らせる必要があるぞ」

大高源吾
「しかし、変ではないか!」
「我らは、主への忠義の為に
志を一つにしたのじゃぞ」
「血判状をもって
次席家老の大野九郎兵衛を追い出したのじゃぞ!」
「改めて問いたい
今、忠義を貫けぬのであれば
何故、次席家老を追い出したのじゃ!」

進藤俊式
「あの時は、まだ、籠城の構えが解かれてはおらんかった」
「大野九郎兵衛は
籠城を阻止しようと目論んだ不忠者の極悪人じゃ」

大高源吾
「・・・・・・」
「では、儂もそうじゃ」
「主の恩を忘れ
天子様の恩に縋ろうとした・・・」
「やはり、儂は不忠者なんじゃ・・・」

進藤俊式
「んんゥ」
「どうも、江戸の雰囲気が悪いのォ」
「注意する必要があるぞ
江戸市中の庶民は、我らを煽っておるのじゃぞ
庶民は、我らに討ち入りをさせたいのじゃ」
「生類憐みの令の鬱憤を晴らしたいだけなんじゃ」
「庶民は無責任に煽っておる」
「お前が、本当に、不忠者などとは思っておらぬ」
「騙されてはならぬ」

大高源吾
「んんゥ」
「我慢ならん!」
「儂も、討ち入りがしたい!」

進藤俊式
「辛抱じゃ」
「辛抱じゃぞ!」

大高源吾
「辛抱ならん!」