アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 八百両の請求

2023-02-13 10:38:17 | 漫画

        赤穂事件 八百両の請求



阿部 正武 (老中 赤穂事件担当)
「荻生徂徠は、やり手のようじゃな」

三宅 尚斎 (儒学者 阿部正武に仕える)
「その者、邪道を真理として
大老格に取り入り頭角を現しております」
「ただ、斯様な真理はまやかし
化けの皮は剥がされる筈で御座る」

阿部 正武
「お前も、策を講じろ!」

三宅 尚斎
「はい、では」
「吉良の屋敷を召し上げて
赤穂の討ち入りを促しましょう」

8月19日に吉良家は呉服橋の屋敷を召し上げられて、江戸郊外の本所松坂町に移り住む事になった。大名屋敷の多い呉服橋と比べ、本所は人気のない郊外であったことから、討ち入りをしやすくするために上野介を郊外に幕府が移したのではないか、とのうわさが江戸に流れた。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

阿部 正武
「儂は指示せんぞ」

三宅 尚斎
「ご安心下され」
「蜂須賀飛騨守に申し願いを提出させれば
責任回避できます」

『江赤見聞記』巻四によれば、吉良邸の隣の蜂須賀飛騨守は、旧赤穂藩士の討ち入りを警戒していて出費がかさむという理由で老中に屋敷替えを願い出ていたというので、こうした事情が影響した可能性はある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

阿部 正武
「よし」
「吉良は討たせよう」

三宅 尚斎
「赤穂浪士が吉良を討てば
赤穂の責任で御座る」
「浅野赤穂の再興は絶望となり
赤穂は完全に取り除かれます」
「災いの元を完全に刈り取る事が出来まする」

阿部 正武
「左様じゃ」
「老中会議では
浅野赤穂の再興を認める評定が為されたが
決定には、上様の沙汰を受けなければならぬ」
「評定が覆されれば
我らは、責任を問われる」
「上様は、厳しい御方じゃ
浅野家を許す事はなかろう」
「今、浅野家を庇う意味はない」
「浅野赤穂は滅びた方がよい」

三宅 尚斎
「得策で御座います」

阿部 正武
「あッ」
「赤穂城の在番(脇坂 安照)が
八百両の必要経費を請求しておったな?」

三宅 尚斎
「それは、大筒の購入費用に御座いますが
もう必要がなくなりました」
「大筒は、とうに返却されたかと・・」

阿部 正武
「いやな」
「八百両が用意出来ぬので
今井左次兵衛が、
去る六月弐拾四日の夜に原田貞右衛門を乱心のため
切り殺したとの事じゃ」

三宅 尚斎
「今井左次兵衛の妻が人質になっており
八百両と引き換えになっていたのです」
「八百両は赤穂刈り取りで捻出するとの約束が破られ
逆恨みでの乱心で御座いましょう」

阿部 正武
「八百両とは大金じゃなァ」
「しかし、請求を反故にしてもよいのかのォ?」

三宅 尚斎
「急ぐ必要は御座いません」
「幕府の財政難を申し付けて
払わぬ事です」

阿部 正武
「左様か・・」
「しかしなァ・・
家臣二名を失い
請求も認められぬとあれば
不満も有ろうな・・」

三宅 尚斎
「今井左次兵衛の乱心を
幕府の責任にしてはなりませぬ」
「八百両を支払えば
解決する問題では御座いません」

阿部 正武
「脇坂安照は煩いぞ」

三宅 尚斎
「浅野赤穂を陥れるようにして
脇坂安照も捻じ伏せておく必要が御座います」

阿部 正武
「んんゥ・・しかしな
八百両を支払えば
脇坂安照は満足すると思うぞ」
「儂が捻じ伏せても
恨みを買うだけじゃないのか?」

三宅 尚斎
「ですから
先延ばしに為さいませ」
「もう、大筒は不要になったのですから
急いで支払う必要は御座いませんぞ」

阿部 正武
「でもな」
「その大筒は、とっくに商人に売られて
その代金は、幕府が受け取っておるのだぞ」

三宅 尚斎
「もはや、人質には八百両の価値は御座いません」
「今井左次兵衛と原田貞右衛門は
もうとっくに亡くなっておりますぞ」

阿部 正武
「んゥ はぁ・・ぁ」
「脇坂安照は上様の御墨印を疑っておる」
「写ししか見せておらぬから
本状を隠しておると騒ぎだすようだと
面倒じゃぞ」

三宅 尚斎
「もはや、御墨印の確認は出来ませぬ」
「騒げば、脇坂安照殿が不利で御座る」

阿部 正武
「不利とか有利とかの問題か?」

三宅 尚斎
「我らが有利な方が良いのです」

阿部 正武
「儂の評判が落ちないか?」

三宅 尚斎
「大丈夫で御座います」
コメント
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