アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 例の書状

2023-02-20 08:52:10 | 漫画

      赤穂事件 例の書状



津軽 信政 (陸奥国弘前藩4代藩主)
「大石内蔵助は幕府に抵抗できなんだな
残念じゃ」
「我らの領民は餓死しておるのに
良き大名を潰し、御犬大事で犬小屋を増やし補助金を付けている
無慈悲な事じゃ」

相馬 叙胤 (陸奥相馬中村藩第6代藩主)
「松平頼常殿から消息が有りませんか?」

津軽 信政
「んんゥ」
「御座ったが、何か?」

相馬 叙胤
「その書状には隠し文が有りますぞ」

津軽 信政
「其方も気付くておったか・・」
「誰にも申すではないぞ」

相馬 叙胤
「心得て御座る」

津軽 信政
「もしも、旧赤穂が
籠城して徹底抗戦しておれば
松平頼常殿が、
例の書状を掲げて立ち上がる事も出来ようが
城を失っては、勝ち目は無い」
「きっと、内蔵助殿の冥途の土産としたのじゃろー」

相馬 叙胤
「嗣子殿の暗殺計画は阻止されましたが
今度は、鶴姫様と離縁させようとの動きが御座る」

津軽 信政
「よほど、紀伊家は嫌われたとみえる」
「紀伊家は我らとも親戚関係じゃ」
「用心せねば為らぬな」

相馬 叙胤
「ところで、例の書状とは如何なるもので御座る」

津軽 信政
「それは、先様(徳川家綱)が弟の綱吉様を戒めた書状じゃぞ」
「上野・館林藩初代の綱吉様は
江戸城で兄の家綱様と暮らしておった」
「徳松様(綱吉)は吉良殿から犬をもらってよろこんでおったが
犬への執着が強くなり、御犬遊びが段々と激しくなっていったのじゃ」
「そして、ついには、家臣を犬のように扱うようになった」
「さらには、犬を嗾けて使いの者を襲わせた」
「御犬遊びは、どんどんと酷くなって手に負えなくなった時に
先様が綱吉様を戒める為に書状を託されたのじゃ」
「しかし、綱吉様の奇行は治まらず
どんどんと悪くなっていった」

「困った先様は、
光圀殿に相談した」

「光圀殿は先様の心配を憂慮して
綱吉様に御犬遊びを禁止する約束をさせたのじゃが
直ぐに約束は破られた」

「その後も綱吉様の奇行は酷くなっていった」

「また、家綱様には世継が決まっていなかったから
養子をとる必要があったのじゃが
綱吉様を養子にすれば、次期将軍となる危険があり
憂慮した重鎮は、綱吉様を養子にしないように働き掛け
家綱様も了承していた」

「そんなおり事件が起きた
家綱様が突然お亡くなりになった」

「そして、その混乱に乗じて、
偽の遺言書が作成されたのじゃ」

「堀田正俊は、その遺言を信じて行動を起こし、
綱吉様を将軍にすることに貢献した」

「酒井忠清は、
その遺言書が偽物であることを証明する
証言者を確保していた」

「その遺言書は、その者が作成した書であり
先様が認めた書状ではないのだ」

「その遺言書は、あくまでも偽物であり
綱吉様の指図で作成された書であるから
残っておれば支障をきたす」

「いれが経緯じゃ」

「綱吉様の、最も恐れている事じゃ」


相馬 叙胤
「左様な事で御座ったか・・
しかし、残念でならぬ」
「もしも、旧赤穂が籠城しておれば
出雲、水戸、紀伊、陸奥が
一斉に決起しておった筈」
「そうなれば、江戸城が無血開城しておった・・」