夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

ヘーゲル『哲学入門』第二章 義務と道徳 第四十六節[他者に対する義務]

2022年05月06日 | ヘーゲル『哲学入門』

 

§46

Durch die intellektuelle(※1) und moralische Bildung erhält der Mensch die Fähigkeit, die Pflichten gegen Andere zu erfüllen, welche Pflichten reale (※2)genannt werden können, da hingegen die Pflichten, die sich auf die Bildung beziehen, mehr formeller Natur sind.(※3)

§46[他者に対する義務]

人間は知性的な教養と道徳的な教養を通して、他者に対する義務を果たす能力を手に入れる。こうした他人に対する義務は現実的な義務と呼ぶことができる。それに対して、教養に関わる義務は、より形式的な性質のものである。


(※1)
intellektuelle  Bildung  知的な教養
moralische  Bildung 道徳的な教養 

(※2)
 reale  と formelle 内容と形式
「教養に関わる義務」と「他人に対する義務」が、なぜ
「reale  と formelle 内容と形式」として対概念として対比できるのか。
内容と形式は不可分である。

(※3)
「知的な教養」は多くは「実学」と呼ばれる教育によって培われる能力であり、
「道徳的な教養」は道徳や宗教教育を通して得られる、思いやりや協調性といった能力や性格の育成と考えることができる。

 

 


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