水色の街 三輪車

水たまりを
飛び越えて

君はスカートのまま
ジャンプするものだから
一瞬 スカートの裾がはねあがり
僕は
君から目そらす


無邪気な笑顔で
僕を除きこむ君は
まるで
男の子のようで
女の子を忘れているみたいだよ…


ほんとうは
僕よりひとつ年上なのに
僕より年下みたいに
甘えん坊で
ちょっぴり意地っ張り。

君はバレー部で
将来渇望されてる

僕は名ばかりの水泳部。

二人の力関係は明確で
誰から見ても
不釣り合いな
二人。



網のフェンス越しにグランドを走る
君を見てると

だんだん君が遠くへ
僕の手の届かないところへ
行ってしまうような
そんな
感じで
時々 思い切り寂しくなってくるんだ。

そんな僕を見つけると
君は
ありったけの笑顔で
身体中使って手を振ってくれる
まだ二人をつなぐ糸は
きれてないことの、確認は
こうして
近くでお互いを観ていられることだから


残酷な時は、二人を引き離すのに
そんなに
時間はかからないのだろうけど

せめて
ちゃんと
君の事
『好きだよと』
伝えておきたいんだ。


この雨上がりの街に出て…