過ぎゆく時の中で・・・

自分を見つめ、一歩前に進みたくて始めたブログです。

バラの花のクリスマスケーキ

2010年12月23日 | 家族のこと
12月・・・今年も終わりの月。

いつも聴いているFMラジオから 

毎日のように クリスマスソングが流れています。

街には クリスマスケーキのご予約を・・・

などとポスターも貼られています。

明日はクリスマスイブ・・・

ケーキの注文は忘れていませんか ?

・・・って今更遅いですね。


この時期になると 遠い昔の子供の頃を思い出すんです。


 
多分小学校の低学年だったと思います。

その頃の 一般家庭は 鍵ッ子ではなく 

学校から帰ると 家には 母親やお年寄りが居ました。


我が家は 昼間 大人が居ない家庭だったので 

近所の子供達が集まる遊び場でした。

押し入れに隠れたり 布団を全部出して

押入れから 布団の上に 飛び降りたり・・・

誰も怒る大人が居ないので 子供達は大はしゃぎ・・・

それはそれは 酷い有様でした。



母を亡くし 父の生まれ故郷に戻ってから

父の仕事先は パン屋さんでした。

クリスマスの1週間前頃から 父は遅くまで働きました。



帰宅して家の中の散らかりようを見て 

父から物凄く叱られて・・・・

というより 

仕事での疲れと 家で癒される事のない現実に

父は落胆したのかもしれません。

「お前達がいなかったら お父ちゃんは とっくにお母ちゃんの所に行ってた」と・・・

「こんな事をしていると もう おとうちゃんは 何処かに行っちゃうぞ」と・・・

誤りました・・・必死で誤りました。


そんな頃に 私達に夕食を食べさせて 

父は また職場へ向かいました。

「遅くなるから寝ているんだぞ」と言い残し・・・



夜中に目が覚めた時 父が居ませんでした。

お父ちゃんが居ない・・・

どうしたんだろう・・・

私は寝ている妹を一人残し

寒い冬の夜 パジャマのままで 父の職場へ向かいました。

子供が走って15分くらいの職場へ・・・

「おとうちゃ~ん・・・おとうちゃ~ん」

泣きながら必死で走りました。


職場に着いたら 父はまだ仕事をしていました。

泣きながら父に抱きつくと

「バカだな~お前達を置いて お父ちゃんは何処にも行かないよ」


それから数日は 学校の帰り道 父の職場に寄って

父がクリスマスケーキを作る様子を見ていました。



昔はバタークリームのケーキで 

バラの花がいっぱい飾ってありました。

サンタさんが居たり 小さなお家があったり 

仁丹みたいな銀色の粒を散りばめて

とっても夢があって大好きでした。



そしてケーキを作る父の仕事姿も好きでした。

父の手が魔法のように 一つ また一つと

バラの花が増えて行くのです。

イブの日には 父も早く帰り

手には大きな箱を持って・・・

私が大好きな バラの花のクリスマスケーキ・・・



私も大人になったら 父と一緒に

ケーキも作れるパン屋さんをやりたいな~なんて・・・

子供心に夢を抱いていたものでした。



親孝行 したい時には 親は無し・・・

この言葉を目にする度に

私への戒めの言葉のように聞こえます。


親不孝で なんにもしてあげられなかった娘です。

もっと親孝行しておけばよかった。

優しい言葉をかけてあげればよかった。

パンを作って食べさせてあげたら

きっと喜んでくれただろうか・・・


ごめんなさいの一言が

今 言えたらいいのにな~。