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6月議会本会議質問

2022年06月23日 | 日記
2022年6月17日 県議会 一般質問 達田良子 


知事の政治姿勢について
【達田】日本共産党を代表して質問します。
まず、知事の政治姿勢について、何点か伺います。
飯泉知事の5期目の任期も1年を切りました。知事の20年近くを振り返ると住民の福祉の向上という自治体本来の仕事を投げ捨て、知事と関係の深い人物などを優遇する、まさに飯泉知事による県政の私物化、そのもとでの忖度の蔓延が進行しているのが今の徳島県政ではないでしょうか。
県民から厳しい批判が上がり、刑事確定記録で、あらたな疑惑が浮上しても、知事はその解明の先頭に立たないばかりか、疑惑解明の幕引きに躍起になりました。
 一方知事と距離を置く首長には、特別交付税の減額という公正公平な政治と逆行し、県民からも不信をまねく事態が進行中です。
そこでまず、特別交付税の算定額について伺います
3町で2021年度の特別交付税の配分額が前年度から減額された問題で、知事は5月末の定例会見で「算定に県の裁量の余地はない」と、恣意(しい)的な配分や自らの指示を否定しましたが、3町への回答で「ヒアリングなどで把握した各町村の特別の財政需要の性質や財政力、過去の交付額を総合的に鑑み、適切な配分に努めた」と説明しました。つまり県の裁量があったと認めたことになります。特殊財政需要分については、長野県が算定根拠を明示しています。
公平公正な政治というなら町村が不信感を抱くことがないように算定根拠をブラックボックス化せず、情報開示することが必要です。
そこで、知事に伺います。
3町で2021年度の特別交付税の配分額が前年度から減額された問題について、算定方法を明らかにするために、徳島モデルをつくるべきでありませんか。答弁を求めます。  

【村山政策創造部長】
 特別交付税の算定について徳島モデルを作るべきとのご質問でございますが、特別交付税は客観的基準を特に重視する普通交付税の機能を補完する制度であり、普通交付税の画一性や算定時期により反映することができなかった具体的な需要を考慮して交付されることとされ、市分については国が、町村分については県が算定根拠となる特別交付税に関する省令に基づき、適切に算定を行っております。
 特別交付税については、個々の団体の特別な財政需要を算定していることから、県内町村分全体の交付額が前年度に比べ増額となった場合であっても、必ずしも全町村への交付額が増額となるべき性質のものではなく、個々の町村において前年度に特別の財政需要として算定した事業が終了または縮小した場合や、前年度を上回る新たな特別な需要が生じていない場合など、結果として交付額が前年度に比べて減少する場合もあると認識しております。
 また、その総額が限られているため、他の都道府県において災害が頻発したり大雪に伴う除排雪に要する経費が増加した場合、本県の算定額が減少することとなります。
 さらには、年度によって県内各町村の災害の規模や頻度が異なることなどにより、災害のない町村において同じ項目で前年度と同様の特別な財政需要が発生したとしても、当該年度の特別交付税の算定において前年度の額を下回ることもあるという特別交付税の特性がございます。
 議員ご提案の徳島モデルの特別交付税算定につきましては、例えば、突発的に生じた災害や事故などに対応する経費については事前に想定されるものではないため、算式を定め需要額を算定できるものではないと考えております。
 このため、本県においては各町村から資料の提出や聞きとりを行わせていただいた特別の財政需要に基づき適切に算定を行っているところです。
 今後とも各町村の特別の財政需要を丁寧に把握させていただき、特別交付税の適切な算定に努めて参ります。


オスプレイ訓練飛行について
【達田】 次に陸上自衛隊オスプレイの訓練飛行についてお尋ねします。
5月27日の朝、防衛省から県に「陸上自衛隊オスプレイ訓練飛行に伴う徳島航空基地の使用について」との連絡が入りました。その連絡を受け、国会のわが党議員に調査を依頼したところ、木更津駐屯地に配備されているオスプレイの徳島空港の着陸について、「徳島航空基地において、飛行訓練を行う場合がある」との防衛省人事教育局人材育成課からの連絡があったとのことで、「飛行訓練」という、今までになかった文言が入っていることが明らかになりました。
オスプレイの徳島空港への飛行に反対する理由の第一は、オスプレイは事故が頻発しているということです。米海兵隊のMV22オスプレイが今年に入り、死亡・墜落事故を2件起こしました。住民の不安を無視し、米国に次ぐ機数のオスプレイが配備されている日本にとっても憂慮すべき事態です。
オスプレイは主翼両端のプロペラの角度を変えることでヘリコプターのような垂直離着陸と、固定翼機のような水平飛行が可能ですが、プロペラの角度を変える際の不安定性などの欠陥が指摘されており、数々の墜落・死亡事故を起こしてきました。しんぶん赤旗が集計した範囲で、50人以上の乗組員が死亡。ほとんどは訓練や開発中の事故だと報道されています。
知事も以前2012年7月23日、オスプレイ陸揚げの際に「国民感情逆なで」と批判したこともありました。2019年12月11日には、オスプレイを含む米軍機の低空飛行訓練中止を求めていました。
また、二点目は、県民の安全・安心を損ねる危険性があるということです。徳島空港を経由地に選んだ理由は、陸自の北徳島分屯地第14飛行隊が駐屯しており、後方支援を受けやすいためと報道されました。
台湾有事を想定した米軍と自衛隊の共同作戦計画の策定や共同訓練の実施など、日米軍事一体化の動きが急速に進み、安保法制の危険性がますます明らかになっています。沖縄タイムスの報道では、昨年末、米軍と自衛隊が原案を策定したと報じました。こういう中での「後方支援」とは、極めて危険性があり、県民の安全・安心を損ねる事態につながります。
そこで知事にお尋ねします。
県民の安心安全のためにも、安保法制の危険性と共に「欠陥機」との懸念も根強いオスプレイの徳島空港への飛行訓練の中止を要請すべきではありませんか。

【谷本政策監補】
 オスプレイの徳島空港への飛行訓練中止を要請すべきとのご質問でございますが、本年5月27日、中国四国防衛局から県に対しまして、
「陸上自衛隊木更津駐屯地に暫定配備されている陸上自衛隊オスプレイについては、現在千葉県木更津駐屯地のほか茨城県百里基地、千葉県館山航空基地、静岡県東富士演習場及び群馬県相馬原駐屯地演習場で飛行訓練を実施している。今後九州の長崎県相浦駐屯地大村航空基地、熊本県の高遊原分屯地における飛行訓練を開始すると共に、あわせて九州に飛来する際の中継地の1つとして徳島航空基地への飛行を計画している。引き続き、防衛省自衛隊として隊員の教育訓練を含め、陸上自衛隊オスプレイの安全な運行に万全を期して参る」
との連絡があったところでございます。
 こうした陸上自衛隊オスプレイの運用は、国の専管事項である防衛に関することであり、国が安全保障についてあらゆる点を総合的に考慮して責任を持って判断したものと考えております。
本県におきましては、何よりも県民の皆様の安全・安心の確保が最優先であると考えており、国の責任において飛行にあたっては最大限安全に配慮すること、不測の事態が発生すれば速やかに県と情報共有の上対応について協議すること、この2点について直ちに強く中国四国防衛局に対し申し入れを行ったところであります。
 県といたしましては、国において万全な配慮と責任を持って対応していただくと共に、陸上自衛隊オスプレイの運営状況を注視し、県民の皆様の安全・安心を確保できるようしっかりと取り組んで参ります。



物価高騰対策
【達田】 新型コロナウイルス感染症によるくらしと営業への影響が続く中で、原油高、ウクライナ情勢、円安などによって、原油や原材料の価格高騰、資材などの供給不足等が起き、県民や県内事業者をとりまく状況はいっそう厳しさを増しています。
 今年4月の消費者物価指数は、都市ガス27.6%、電気代25.8%、ガソリン代が14.3%、スパゲティは16.3%と大幅に上昇しています。こうした価格上昇は、消費税数%分の負担増に匹敵し、県民のくらしと営業に深刻な影響を与えています。しかも今後さらなる高騰も予想されており、県民のくらしと営業を守る対策が急務です。
 ところが、今回提案されている補正予算案には、「社会経済活動の回復」に向けた「需要喚起策」ばかりで、最も深刻な影響を受ける低所得層への具体的な支援策が全く見られません。
  一昨日、県民から物価高騰対策への緊急要望がありました。この中で、国からは地方創生臨時交付金に「コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分」の創設が盛り込まれ、自治体での活用が可能な事業例が示されていること、鳥取県では、光熱費の補助金を交付する方針を決めたことなどが紹介され、低所得世帯に対する給付金の支給、給食費の値上げ分の補填等、県としても具体的な取り組みをしてもらいたいとの話がありました。
 ところが、県は、こうした具体的な取り組みは、市町村が行うべきものとして、県は、社協の自立支援や民間の支援機関等の機能の拡充等をはかる官民支援ネットワークの構築、拡充に取り組むというばかりでした。
未曽有の事態のなかで、県民のいのちとくらし、営業を守るためには、市町村まかせでなく、県としての指導性をどう発揮するのかが今、問われているのではないでしょうか。
鳥取県では生活困窮者や県民への原油価格・物価高騰対策への具体的支援策が盛り込まれました。そこで、伺います。
徳島県でも、生活困窮者支援の光熱費補助など臨時交付金を活用した対策を図るべきではありませんか。お答えください。

【森口保健福祉部長】
 県におきましても、生活困窮者支援として光熱費の補助など対策をはかるべきではないのかとご質問を頂戴しております。
 現在の社会経済状況は、コロナ禍による世界物流の停滞、また、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響による原油や穀物価格等の高騰、急激な円安に輸入物価の上昇などを要因とした物価高騰が家計を直撃し、国民生活に不安が生じております。
 国におきましては、コロナ禍の経済社会格差の回復を図るため、本年4月、コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策を閣議決定致したところでございます。
 この総合緊急対策におきましては、原油高騰対策や、エネルギーや食料等の安全供給対策、中小企業対策と並び、コロナ禍において物価高騰等に直面する生活困窮者等への支援が位置づけられており、生活困窮者等の方々の具体的な対策と致しましては、低所得の子育て世帯に対する特別給付金の支給、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の支給、また、緊急小口資金等の特例貸付や生活困窮者自立支援金等の申請期間の延長や要件緩和などの支援に加え、地域の実情に応じたきめ細やかな支援に向け、生活困窮者支援体制を構築するための事業など、地方自治体が実施する対策への支援が講じられたところでございます。
 これを受け、県におきましては、国の緊急対策に即応するため、先の5月臨時議会におきまして、一時的または継続的に収入減少した世帯を支援するための緊急小口資金等の特例貸付、就労による自立を目指す世帯を支援するための生活困窮者自立支援金の申請期限を8月末まで延長するために必要な予算として9億5,200万円をこのご機会でお認めいただきますとともに、今定例会におきましては、生活困窮し相談される方々の多様化や支援ニーズの変化を受け止め、生活困窮者支援の評価や充実に繋げるため、市町村を含め関係機関や民間支援団体による連携体制を整備するための、必要な予算を計上・試算しているところでございます。
 また、県内の市町村におきましては、国の低所得の子育て世帯に対する特別給付金への上乗せ支給、また、住民税非課税世帯などの方々に対する地域商品券の配布、緊急小口資金等の特例貸付借り入れ世帯への給付金の支給、また、給食費の価格上昇分に対する補助など、地域の実情に合わせた独自の支援策は打ち出せれるところでございます。
 県と致しましては、物価高騰に対する国の今後の動向を注視致しますとともに、市町村や民間支援団体と連携し、生活困窮者の方々に対する支援体制を構築し、誰1人取り残すことのない地域共生社会を目指し、しっかりと取り組んで参ります。



農業問題
【達田】 ロシアによるウクライナ侵略を機に世界の食料品価格が急騰し、国連が「第二次大戦以来の食料危機」と警告するほどです。
 中国など新興国の受容が急増し、気候危機などで農業生産の不安定化、世界の食糧危機の長期化が懸念されています。日本はほとんどの食料を海外に依存していますが、この危うさはいよいよあきらかです。
 また、肥料、燃料、家畜の飼料も軒並み高騰しています。米価など農産物価格が低迷する中、多くの農業経営が窮地に陥るのは必死です。
 こうした中、県では、事業継続応援金の創設はじめ、施設園芸や漁業用の燃油等価格高騰緊急対策事業、配合飼料価格高騰緊急対策事業など、商業、農業への支援に取り組んできました。
 しかし、根本には、カロリーベースで37%という日本の農業の現状を直視し、「食料安全保障」の観点からも、「食料自給率向上」を本気で目指す国の農政が求められると考えます。
食料の海外依存を改めて、少なくとも国民の過半数の食をまかなえるように、日本の食料自給率50%台への回復を目標とすべきだと考えます。
そこで知事にお尋ねします。
国の農政では、食料の海外依存から国内増産へ農政の大転換を図るべきであり、県は、そのための県内農業の振興策をどう考えていますか。お答えください。

【飯泉知事】
達田議員のご質問にお答えをさせて頂きます。
食料の国内増産をはかるべきとの視点から本県の農業の振興策についてご質問を頂いております。ウクライナ危機に伴いまして我が国における食料や生産資材の安定確保が危ぶまれる中、さる6月7日、閣議決定した政府の骨太方針では、食料安全保障の強化と農林水産業の持続可能な成長の推進が掲げられ、将来にわたる食料の安定供給確保に必要な総合的な対策の構築に着手する、このように記されたところであります。
本県におきましても、基幹産業である農業の生産力の維持・向上や持続可能な成長はまさに重要な課題である、このように認識をしており、国の最新動向をしっかりと注意しつつ、それを待つことなく未来へとのびゆく農業の推進に取り組んでいるところであります。
少し具体的に申し上げて参りますと、徳島県食料農林水産業農産漁村基本計画に基づき、あらゆる危機事象に対応するための県産農産物の増産・拡大対策として例えば、高温耐性水稲品種アキサカリの作付面積の拡大、高度環境制御装置を備えた大規模園芸施設の整備など促進致しているところであります。
また、産地を支える担い手対策として、とくしま柑橘アカデミーや施設園芸アカデミーの開設などによりまして、毎年約90名の農業人材を育成致しているところであります。
 さらに、産地へのDX(デジタルトランスフォーメーション)活用によります、最新技術の実装対策と致しまして、IoT(インターネットオブシングス)を活用したニンジン栽培の環境モニタリング、AI画像解析による果樹の育成診断、レンコンの圃場でのドローンによる農薬の散布、こちらは、かつては沼に胸まで浸かりながら手作業で行っていたものをGPSドローンによりまして立ち所に行えることとなるものでありまして、鋭意取り組んでいるところであります。
このような状況の中、コロナ禍での米価の大幅な低下やウクライナ危機に伴う原油や農業用資財の高騰、さらには肥料価格の高止まりによりまして、農家の皆様方は大変厳しい経営環境に置かれており、営農の継続への危機感を大変強くされているところであります。
そこで先の5月臨時議会におきましていち早くLPガスを含む燃油高騰対策関連予算、特にこの施設園芸のLPガス、こちらにつきましてはGXの推進のために大変国も推奨をしているところでありますが、国のセーフティーネットが重油とは違って、無いものでありまして、その関連予算のお認めをいただいたことを受け、早期執行を現在図っており、また米価の低迷と肥料高騰におきましては、肥料高騰分の補填、収入保険への加入促進、米粉生産拠点整備への支援からなる同時一体的な対策を速やかに実施することと致しているところであります。
今後とも持続可能な本県農業の実現に向け、本県農産物の必要な生産力確保を図るべく、戦略的な生産・振興対策をしっかりと展開を致して参ります。

  
政策決定の場への女性の登用
【達田】 次に、ジェンダー平等に関して、一点目は、政策決定の場への女性の登用についてお尋ねします。                            世界経済フォーラムが2006年から公開している「ジェンダーギャップ指数」では、2021年3月に公開された指数で、日本は156カ国中120位と過去最低となっています。
 今年3月、上智大の三浦まり教授らでつくる「地域からジェンダー平等研究会」は、3月8日の国際女性デーに合わせて、各都道府県の男女平等の度合いを政治、行政、教育、経済の4分野に分けて分析した「都道府県版ジェンダー・ギャップ指数」の試算を公表しました。
 これによると、徳島県は、政治では全国16位、経済は9位、教育は12位、行政は2位でした。徳島県は概ね順位が高いと満足しているわけにはいきません。指数をみると、どの分野でもジェンダー平等には程遠く、しかも、世界の中での日本の順位が低い中での順位ですから、今後、格差解消のために相当な努力が必要ということになります。
 4分野のうち、「行政」で2位になっているのは、県の審議会委員のほぼ半数を女性が占めているというのが要因として大きく、この点では知事の努力が大きいと思います。審議会委員と同じように、職員の登用も知事の決断でできるのですから、管理職への女性の登用を積極的に行っていただきたいと思います。
 知事部局で、平成4年4月1日現在、課長級以上の管理職員数315名のうち、女性は51名で16.2%です。
内訳をみると、課長級46名、次長級5名、部長級は0となっています。
令和3年4月1日時点より、女性の課長級は8名増えましたが、次長級は1名減、部長級は1名減で0となっています。
 内閣府の男女共同参画基本計画では
 「2030年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位に ある人々の性別に偏(かたよ)りがないような社会となることを目指す。そのための通過点として、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう目指して取組を進める」とあります。しかし、この目標にはほど遠い現状です。特に、次長級5名、部長級0で1.59%。ただでさえ低い国の目標にも遠く及びません。
そこでお尋ねします。部長級への女性職員の登用について、知事は目標を設定して取り組むべきではありませんか。

【伊藤経営戦略部】
 部長級への女性職員の登用について知事は目標を設定して取り組むのかとのご質問でございますが、幹部職員への登用については男女の区別なく能力や適性に応じて行うことを原則とする中、女性職員の登用を着実に進めるには、将来のキャリアデザインを見据えた固定観念に囚われない職員配置、子育て中の職員を含め女性職員に対する多様な業務経験を積む機会の提供、これらを可能とする職場環境作りと職員の意識改革、こうしたことなど、一連の取り組みを継続していくことが重要であります。
 また、近年、多くの優秀な女性職員の採用が続いており、特に40歳未満の若い世代ではその割合が4割を超える中、女性職員のさらなる活躍を推進し、管理職として大いに力を発揮していただけるよう必要な環境整備を行うことは、社会構造の変化に対応した行政体制を継続的かつ安定的に構築していく上でもより一層重要になっていると認識しております。
 このため、本県ではこれまでも女性活躍推進を促進するため、政策企画部門や対外折衝部門への配属、長期派遣研修や自治体学校への派遣、管理職の登竜門である課長・課長補佐への登用など、幅広い経験の付与を通じた能力開発を積極的に行うとともに、職員個々の事情に応じた多様な勤務形態の導入やテレワークを活用した新しい働き方の創造により、男女問わず育児や介護、仕事を両立できる働きやすい職場づくりを推進して参りました。
 この結果、管理職に占める女性職員の割合は10年前の平成24年4月4.5%から令和4年4月には16.2%となり、未知への挑戦・徳島行動計画に掲げる令和5年度16%の目標を1年前倒しで達成し、さらには係長以上の役付き職員においても平成24年4月287人から令和4年4月には437人へと大幅に増加するなど、部長級を担える人材の育成は着実に進んでおります。
 今後とも、こうした取り組みを粘り強く推進していくとともに、やる気と能力溢れる女性職員を能力実証に基づき、係長・課長補佐等の役付き職員や、課のマネージメントを担う課長、さらには管理職の課長級から部長級へと着実に登用し、女性職員が県行政の中核においていきいきと活躍できる組織の実現にしっかりと取り組んで参ります。


男女賃金格差解消について                                                                                        【達田】 ジェンダー平等の二点目は、男女賃金格差の開示の義務付けについてです。     
政府はジェンダー不平等の解消を求める世論と運動に押され、「新しい資本主義実現会議」で男女賃金格差の開示を義務付ける方針を決めました。開示を義務化するのは301人以上を常時雇用する事業主で、「女性活躍推進法」の省令を改正し、7月に施行するとしています。
日本の女性の賃金は、正社員同士でも男性の7割で、全体の男女の生涯賃金格差は約1億円にも上るといわれています。私は、今回の男女賃金格差の開示の義務付けを格差是正の第一歩として評価し、歓迎するものです。さらに、女性の賃上げは労働者全体の賃上げにつながり、日本の経済発展にも大きく貢献するものとして、大いに今後の取り組みに期待しております。
そこで、伺います。
徳島県内で今回の開示義務化の対象となる301人以上が働く企業において、男女賃金格差の公表が来月から施行されますが、対象となる県内企業はいくつあるのですか。また、県は、公表結果をどう生かしていくのですか。お答えください。

【梅田商工労働観光部長】
 男女賃金格差について2点ご質問をいただいております。
 まず男女賃金格差の公表の対象となる県内企業数についてのご質問でございますが、さる6月3日、政府において、女性の経済的自立や女性が尊厳と誇りを持って生きられる社会の実現等を柱とする「女性版骨太の方針2022」が決定され、男女間賃金格差への対応として、男性の賃金に対する女性の賃金の割合について、情報開示の義務化が盛り込まれたところです。
 これにより公表の対象となる事業所は、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を労働局に提出した事業主の内、常時雇用する労働者が301人以上の事業所となります。
 対象となる事業所数につきましては労働局にお聞きしましたところ、県内においては令和3年度末時点で企業や医療法人、社会福祉法人など、65事業所となっております。
 次に、県は公表結果をどう活かしていくのかとのご質問にございますが、男女間の賃金格差の開示義務化は、事業所が格差是正に向けた自主的な取り組みを進めるとともに、女性の求職者に選んで貰うため、働きやすく能力を思う存分発揮できる女性活躍の職場づくりを推進するものと期待されております。
 また、女性活躍の推進は、就業機会の拡大はもとより地域経済の活性化や県内企業の持続的発展を実現させるために必要不可欠であり、とりわけ賃金格差の解消にも繋がる女性のキャリアアップへの取り組みは、重要であると認識しております。
 そこで県におけましては、女性のスキルアップや再就職を支援するスキルアップ講座や就職面接会の実施、平成長久館における女性の企業経営者や組織内リーダーを育成するための能力開発研修の開催、さらに四国大学との連携による管理職等を目指す女性を対象としたウーマンビジネススクールを開設するなど、女性のキャリアアップ支援に取り組んでいるところです。
 賃金格差の開示義務化につきましては、厚生労働省令改正ののち本年7月から施行され、事業所の実績に基づき順次情報が開示されますことから、まずは情報収集に務めますとともに、労働局と緊密に連携しながら賃金格差の解消に繋がる女性のキャリアアップをはじめとする女性活躍の推進に今後ともしっかりと取り組んで参ります。



コロナ感染症対策について
【達田】 新型コロナウイルスの感染症対策についてお尋ねします。
 新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックとのたたかいが2年以上も続いています。
ウイルスが変異するたびに感染拡大の波が起こり、現在は第6波の山を越えたところです。我が国では、ゴールデンウイーク後に感染者数が増えたものの
現在は全国的に感染者数が漸減し、落ち着いてきている感があります。
 徳島県でも2月23日の402人をピークに漸減し、一日の新規感染者数が100人を超えることはなくなってきています。
しかし、まだ終息への道が見えているわけではありません。
国は、経済回復のために感染対策上の様々な規制を緩和し、外国人旅行者の受け入れも始まっていますが、専門家からは、今後、また新たな変異株の出現等で第7波が起こる可能性も指摘されています。
 新型コロナウイルス感染症について、医療機関とともに最前線で対応に当たっているのが、県のコロナ関連部署の職員のみなさんです。
先日、昨年度のコロナ関連部署の超過勤務の状況の調査結果をいただいたのですが、感染症対策課とワクチン・入院調整課の年度平均が過労死ラインを超える80時間以上という結果に驚いています。この2つの課は、ほとんどの月が100時間を超えています。
現場からは、頻繁に変わる応援体制や司令塔不在で混乱している、どの部署もコロナ以前に比べて業務が増えて多忙になっているのに増員がないため、職員が疲弊し、病休も増えている、通常業務にしわ寄せがきているとの声も寄せられています。また、県民からも、コロナ感染に関する証明書がなかなか発行してもらえずに困っている等の声も出ています。
県は、コロナ感染拡大後、担当部署への応援体制や業務の振り分け、新たな課の創設、組織再編等を行ってきましたが、これまでの対策では対応しきれていないのではありませんか。
そこでお尋ねします。
コロナ対応や新たなパンデミックへの対応を考慮し、感染症対策に対応する職員の増員が必要ではありませんか。知事の所見を伺います。                             

【森口保健福祉部長】
 コロナ対応や新たなパンデミックへの対応を考慮し、感染症対策に対応する職員の増員が必要ではないかとのご質問を頂戴しております。
 新型コロナウイルス感染症や新たな感染症への対応におきましては、保健所を中心とした積極的疫学調査による感染拡大防止に向けた初動体制の確保、また、濃厚接触者に対するPCR検査など、感染者を早期に発見し感染症を封じ込める検査体制の確保、そして感染者の急増・重篤化に備え、適切な治療が受けられる医療提供体制の確保など、全庁をあげた体制の構築整備が重要であると認識しております。
 令和3年度の組織改変におきましては、新型コロナに対峙する感染症・疾病予防対策の新たな体制として、徳島版CDCを組織し感染症対策課が統括を担う感染症対策課を、また、各保健所で構成する疫学調査現場班を、保健製薬環境センターを中心にスクリーニング検査を実施致します検査班、そしてワクチン入院調整課が入院や宿泊療養の調整等を担う医療提供対策班など、6班で構成する強力な連携推進体制を構築したところです。
 また、昨年11月には、第4波のアルファ株や第5波のデルタ株の経験を踏まえ、新たに県保健医療提供体制確保計画を策定し徳島版CDCを充実すべく、当初の184名から感染拡大時には310名まで段階的に体制を拡充できるよう対応をして参りました。
 さらに、第6波のオミクロン株におきましては、これまでにない感染急拡大を踏まえ、保健所職員の増員、全庁をあげた応援態勢の強化に加え外部委託の積極的な活用などにより、令和4年4月時点で最大450名の体制確保ができるようさらなる拡充を図ってきたところでございます。
 一方、長期化する新型コロナウイルス感染症や新たな感染症に対応するため、本年4月新たに関係所属の職員をメンバーとした持続可能な新型コロナ対応体制の構築に向けたプロジェクトチームを発足し、簡素で効率的な業務フローへの見直し、システムの活用による迅速な情報の共有化、また保健師等の人材バンクIHEATをはじめ外部委託の積極活用など、さらなる体制強化や業務の効率化に向けた検討を鋭意進めているところでございます。
 今後とも徳島版CDCを柔軟で強靱な体制へと進化させ、県民の皆様の命と健康を守るため、しっかりと取り組んで参りたいと考えております。


精神疾患が増えている原因は
【達田】 つぎに、県職員の働く環境についてお尋ねします。
 徳島県人事委員会が毎年発行している「職員の給与等に関する報告及び勧告」では、勤務環境の整備について「県民福祉のより一層の向上を図るためには、公務能率を増進するとともに、全ての職員が健康で生き生きと働き、成長し、その能力を最大限発揮することのできる勤務環境を創ることが不可欠である。」と毎年指摘しています。
ところが、「職員の健康管理」についての現状では、「本県では、病気休職者のうち、精神疾患を原因とする職員が6割を超える状態にあり、また、知事部局では長期病休者数が大幅に増えている」としています。長期病休者は、平成30年度62名、そのうち精神疾患が39名だったのが、令和元年度96名、うち精神疾患65名、2年度99名、うち精神疾患69名、3年度134名、うち精神疾患90名と一気に増え、この4年間で倍以上にもなっています。
 令和2年3月以降、保健福祉部局を中心に、新型コロナウイルス感染症対応業務で超過勤務時間の著しい増加傾向が続いていますが、だからこそ、職員の心身の健康の保持・増進に向けた取り組みを強化しなければならないはずです。 
そこでお尋ねします。
知事部局における職員で精神疾患の罹患が増えている原因は何ですか。また、どのようにして健康に働ける職場にしていくのですか、お聞かせください。

【伊藤経営戦略部長】
 知事部局における職員で精神疾患の罹患が増えている原因は何か、またどのようにして健康に働ける職場にしていくのかとのご質問でございますが、総務省によりますと、全国350の自治体における令和2年度のメンタルヘルス不調を原因とした長期病休・休職者は10年前の1.5倍となり、また、地方公務員のメンタルヘルス対策にかかるアンケート調査においても、地方公務員の内休職者が増加傾向にあると受け止めている地方自治体の割合は78.2%にのぼるなど、地方公務員のメンタルヘルス不調者は近年増加傾向にあると認識しております。
 本県においても全国と同様の増加傾向にあり、令和3年度、知事部局において精神疾患を原因として30日を超える長期病休・休職した職員は90名と前年度と比較して21名増加しており、今年度は6月1日現在で18名となっております。
 なお、現時点では特定の部局に偏る傾向はございません。
 また、その原因としては、心の病についての認識が定着したことによる受診機会の広がり、感染症の流行をはじめとする社会情勢への不安を背景としたストレスの増大、新型コロナウイルス感染症や大規模災害への対応などが影響していると考えられております。
 このため本県では、徳島県職員心の健康づくり推進計画に基づき、予防的対策として、管理監督者、担当リーダー、一般職員の各階層を対象とした研修、医師等による専門相談窓口の設置、期末ごとの所属長面談やストレスチェックなどを実施し、発症の未然防止に努めております。
 特に自分のストレス状態への気づきとなり、セルフケアに活かすことができるストレスチェックについては、ストレス相談等が必要な職員を対象に産業医の面接指導を実施し、メンタル不調を早期にケアする機会とするとともに、所属ごとに集計・分析した結果を所属長に共有し、ストレス要因そのものを低減する職場環境の改善に繋げ、働きやすい環境づくりに取り組んでおります。
 一方、職員が長期病休・休職に陥った場合には、当該職員に対しメンタルヘルス嘱託医、人事課及び職員厚生課の担当者からなるサポートチームを作り、対象者の所属と連携しながら円滑な職場復帰と復帰後のサポートを行っております。
 とりわけ職場復帰にあたっては、本人の不安を軽減し、勤務への自信と回復を図れるよう試し出勤を実施しており、平成18年度の制度開始から昨年度までにのべ254人が利用し、234人が職場復帰を果たしております。
 加えて、今年度は新たに、職員の心の健康問題を早期に発見・対応できるよう相談体制の拡充として、職員の利用機会が多いメンタルヘルス専門相談のカウンセラーをこれまでの1名から2名へと増員するとともに、利便性を考慮し、南部及び西部総合県民局管内で勤務する職員を対象として、定期的にメンタルヘルス嘱託医による巡回相談を実施しています。
 さらに働きやすい環境づくりのため、個々に応じた多様な勤務形態の導入や、場所や時間に囚われない多様な働き方としてテレワークを推進しているところです。
 今後とも、職員1人1人が心身共に健康で安心して働くことのできる職場づくりに向け、しっかりと努めて参ります。



教員不足問題について
【達田】 つぎに、教育現場での教員不足問題についてお聞きします。
 今年1月、文部科学省が「『教員不足』に関する実態調査」を明らかにしました
その後、テレビや新聞などでもこの問題が取り上げられるようになってきました。
 徳島県でも、この数年、事態は深刻で「産休や病休の代わりの教員が見つからない」と、市町村教育委員会や学校が探し回るということが恒常化していると聞きます。
 このため、学校では、自習が増えたり、他の教員や校長までもが授業を行ったりと、教員の負担が増し、こどもたちの学習活動にも支障が見られる状況となっています。今年5月1日時点で、小中4名、高校1名、支援学校5名の、計10名が配置されていないということでした。年度はじめでこのような状態で、今後の産休や病休などの欠員を補充することが出来るのでしょうか。
 また、このような状況を生み出した背景の一つに、正規教員を増やさず、非正規教員を増やしてきたことがあります。本来、正式採用するべき定数内の臨時教員は、この5年をみても496人から615人と100人以上も増加しています。産休や病休の代替えが見つからないのは、年度当初からの定欠を増やしてきたことも一つの原因ではないでしょうか。昨年度から小学校の35人学級が始まり、今こそ、定数改善の時ではないでしょうか。
そこで、お尋ねします。
どの子にもゆきとどいた教育を行うためには、正規教員を増やしていくべきではありませんか。お答えください

【榊教育長】
 行き届いた教育を行うため正規教員を増やすべきとのご質問でございますが、将来を担う子どもたちの豊かな学びと確かな成長のためには、教員が子どもたち1人1人と向き合い、きめ細やかな指導が行われるよう、引き続き優秀な教員をしっかりと確保していく必要があります。
 本県の公立小中学校における臨時的任用教員や非常勤講師といった非正規教員の教員定数に対する割合は、直近の令和3年度文部科学省調査結果によりますと、全国平均と同程度の9%となっております。
 学校の教員の数は子どもたちに基づいて算定される基礎定数に加え、複雑化・困難化する教育課題に対応するため国から配分される加配定数があり、本県では、少人数指導や小学校高学年における教科担任制、特別な支援が必要な児童・生徒への指導、いじめや不登校等の生徒指導などについて国に強く要望し、教員の定数確保に務めているところです。
 また、国に対し、徳島発の政策提言や全国・都道府県教育長協議会の特別要望において、教育の質の向上が図られるよう、各種加配定数の一層の改善や充実について積極的な働きかけを行っているところです。
 さらに、教員採用においては、全国的に志願者の減少や採用倍率の低下が課題となっていることから、本県では受審年齢の拡大や専門的な知識や技能を持つ社会人を対象とした選考の導入など、改善を図っております。
 加えて今年度実施の採用審査から、県内の学校で働く臨時教員に対してその審査結果により一次審査を次年度以降3年間免除する特別枠を新設し、臨時教員が受審しやすい環境づくりにも務めているところです。
 県教育委員会といたしましては、引き続き教員の定数確保に努めるとともに、継続的・計画的な新規採用により優秀な正規職員を確保し、本県の未来を担う子どもたちの育成にしっかりと取り組んで参ります。