たつた良子のページ

安保法制(戦争法)は廃止させましょう!
憲法守る「あたりまえの」政治を!
安倍改憲を許さない!

「平和憲法は国の宝」小池清彦さんのことば

2014年07月14日 | 日記
     
2014年7月5日付 日本平和委員会発行の「平和新聞」に、元防衛庁教育訓練局長で現新潟県加茂市長の小池清彦さんの「声」が掲載されています。5月には、しんぶん赤旗日曜版にも登場して、元防衛省・自衛隊OBからも安倍政権の解釈改憲に懸念の声が出ていることを発信してくれていました。
 今回、平和新聞の記事をみて、あらためて、保守・革新、あらゆる立場を問わず、平和憲法を守ろうという思いが強まっていることを実感しました。
「サムライ」という人たちがどういう人なのか、私も会ったことがないので、わかりませんが、もし、本物の「サムライ」と呼べる人がいたとしたら、こういう人なのかなと感じました。

「平和新聞」7月5日号より 小池清彦さんのことば
 私は長く防衛庁で仕事をしてきましたが、平和憲法の意義を実感したことはありませんでした。それを初めて実感したのは、イラクのフセイン大統領がクウェートに攻め込んだ湾岸戦争(1990~91年)の時でした。
 あの時、自衛隊を派兵しようと国会に国連平和協力法案が上程されました。私は当時、防衛研究所長でしたが、その最中に教育訓練局長になりました。あの時、防衛庁の部内は言論が自由でしたので、私は「アメリカのアシスタントのような形で世界の警察官になったら絶対にだめだ」と言ってまわりました。
 結局、この法案は廃案になりました。しばらくして、当時の防衛庁長官だった石川要三さんと同席した時に、「あれは廃案になってよかった。通っていればと思うと、今でもぞっとする」と言われました。
 私は、この時、平和憲法のおかげで、日本は朝鮮戦争にも、ベトナム戦争にも、湾岸戦争にも派兵せずに済んだということに気がついたのです。平和憲法がなければ、アメリカの要求は断れなかったでしょう。アメリカの戦争にどんどん派兵させられて、たくさんの戦死者が出ていたはずです。私は、平和憲法のありがたみを実感し、この「国の宝」を断固堅持しなければならないと考えるようになりました。

「針の穴」でもダメ

 しかし、集団的自衛権の行使を解釈で認めてしまえば、平和憲法を変えてしまうのと同じことになり、もうアメリカの要求を拒否できなくなります。これまでのように、「一人の戦死者も出さない」という海外派遣ではなくなるのです。
 安倍首相は、何としても平和憲法に風穴を開けたいのでしょう。しかし、針の穴でも開けさせたらだめです。
 最初にどんな「限定」がついていようとも、やがて取り払われて、集団的自衛権の行使をすべて容認することに必ずなります。なぜなら、それを妨げる法令がないからです。
 それに、日本がいくら「限定的」と言っても、戦場に出ていくのですから、相手国から攻撃を受ければ全面的な戦争にエスカレートする危険性があります。

明らかに憲法違反

 そもそも集団的自衛権は明らかに憲法違反です。
 憲法9条は、第1項で「国際紛争を解決する手段」としての武力の行使を放棄するとして、それを受けて第2項で、「前項の目的を達するため」に戦力を保持しないと定めています。だから「国際紛争を解決する手段」ではない個別的自衛権の行使は認められていると解釈し、「自衛のための必要最小限の実力」として自衛隊を保持してきたのです。
 しかし、集団的自衛権は個別的自衛権とはまったく質が異なります。集団的自衛権は、自国が攻撃されていないにもかかわらず、外国と一緒に他国を攻撃するのです。これはどう見たって「国際紛争を解決する手段」としての武力行使であり、どんな「限定」が付いていようが憲法違反です。
 もし集団的自衛権の行使容認の閣議決定がされて、それに基づく法律まで制定されたら、山のように違憲訴訟が起こるでしょう。そうなったら、裁判所は違憲判決を出さないとおかしいと思います。

募集難で徴兵制へ

 集団的自衛権を認めたら、自衛隊は熾烈な世界の戦場に出ていくことになります。これまで、自衛隊員の血は世界で一滴も流れていません。それが一滴でも流れたら、自衛隊に入る人は本当に減ると思います。まして、血が山のように流れ、おびただしい戦死者が出ることになれば、自衛隊に入る人はほとんどいなくなりますよ。外国の戦場に送られて死んでしまうかもしれないところに志願して入ってくる人は、ほとんどいないでしょう。それでも自衛隊を維持していこうとしたら、徴兵制をとらざるを得なくなります。
 赤紙一枚で徴兵され、国民が海外の戦争で命を落とし続けるーーー日本を再び、そんな時代にしてはなりません。

「祖国防衛」中心で

 安倍首相はなぜ、アメリカに日本人の血を差し出すことばかり考えるのでしょうか。
 昔から、名将と呼ばれる人ほど、極力兵を用いず、部下を殺さないのです。生兵法大けがのもと、剣は磨くべし、されど用うべからず、これが古今の兵法の鉄則です。
 しかし、安倍首相は自衛隊の最高指揮官として、命を預かった部下たちを積極的に海外の戦場に送り、外国にその血を差し出そうとしています。時が戦国時代であれば、そんな武将に誰もついていかないでしょう。国滅んで切腹です。
 本当に国民の命と安全を守ろうとするのであれば、海外派兵を行わず、隣国と仲良くし、平和憲法のもとに、祖国防衛中心の防衛政策に立ち返るべきです。
 そもそも、日本は世界で唯一、原爆を2発落とされた特別な国なのです。憲法9条も、その犠牲の上に存在している。世界の人たちもそれをよく承知していて、日本が平和国家として歩んでいることを世界中の国々が認めています。その強い立場を生かし、日本は平和憲法を堅持していくべきです。