平成十八年秋に、創立四十周年を記念して、六小に校歴資料室ができました。
翌十九年秋、夢は「資料室を見せてほしい。」と学校に電話しました。学校は心よく
承諾してくれ、卒業して三十六年ぶりに、夢は六小に会いに行くことになったのです。
六小へ行くには駅から歩いて行くか、四小へ行く時と同じ「戸久野団地」行きの
バスに乗り、「団地西友前」で降りて歩いて行きます。夢の子ども時代には、団地へ
行く途中のバス停「神山」で降りて歩いて行きました。今は、団地に行く途中の
バス路線が変わったので、バス停「神山」はありません。夢は、
『六小さん、どうしているだろう。急に行ったら、びっくりするだろうな。会ったら、
昔みたいにキャーキャー言って喜んでくれるかな。あれ?でも、わたし、はたして
六小さんとまだお話できるんだろうか。』
などと思いながら、五年間通った懐かしい道を歩いていました。道の周りの様子は、
夢が子どもの頃とはだいぶ違っていました。周りにはほとんど家が建ち、遠くの方に
ちらほらと見えていた林はその影もなく、畑は、ほんのもうしわけのように少ししか
残っていませんでした。当時、団地と畑の境目からよく見えていた六小、同じ
場所から今はもう、学校を望むことはできません。六小の周りの変わりようを
目の当たりにして、夢はただただ驚いていました。