万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国は”戦わずして負ける”を決断すべきでは?

2017-02-20 14:55:12 | 国際政治
 中国大陸において繰り広げられた戦乱の歴史は、学問のジャンルに「兵法」なるものを成立させています。その代表的古典は、春秋戦国時代に誕生した『孫氏』ですが、その代表的な指南は、今では誰もが知る”戦わずして勝つ”です。

 近年、『孫氏』はビジネス向けの解説書や、果ては、子供向けの人生訓が出版されていますが、時代背景も違いますし、元より軍事的戦略書として書かれていますので、他の分野への応用にはリスクが伴います。それでも、軍事の世界では、今日でも参考となる部分はあります。特に、上述した”戦わずして勝つ”が世界大に広まった理由も、文字通りに読めば一先ずは戦争回避を意味するため、今日の平和主義的思想と結びついた結果なのかもしれません。

 誕生の地である中国にあっても、『孫氏』は当然に研究し尽くされているはずであり、現実の政策や戦略に採用されてきたことでしょう。中国が全世界で展開しているプロパガンダ、対外工作活動、各国政府要人、あるいは、経済界の取り込みなどは、”戦わずして勝つ”の実践と見るべきです。しかしながら、現状を見ますと、思惑通り、中国が”戦わすして勝つ”とは思えません。急速に軍事力を拡大させてきたと言え、ハイテク兵器の分野ではアメリカに後れをとっていますし、人民解放軍の近代化も緒に就いたばかりです。また、装備や部品等における海外依存度も高く、戦略物資である石油等の入手ルートも万全ではありません。つまり、戦う前からしてその敗戦が十分に予測されるのです。となりますと、『孫氏』の兵法に従うならば、中国には、逃げるしか道はありません。つまり、”戦わすして負ける”という選択です。対するアメリカは、中国に対して”戦わずして勝つ”力を備えているのですから。

 中国の習政権が、南シナ海における軍事拠点化を継続した場合には、国際法秩序の破壊行為となる以上、必然的に戦争に至ります。そして、中国には正義のかけらもなく、戦争犯罪国と認定されると共に、その敗戦は、火を見るよりも明らかです。このように考えますと、中国は、”戦わずして負ける”を決断し、自ら南シナ海から潔く撤退すべきではないでしょうか。

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米中は南シナ海問題で決裂している

2017-02-19 14:51:54 | 国際政治
米空母、南シナ海に=中国をけん制か
 報道に拠りますと、米原子空母力ール・ビンソンは、今月18日、南シナ海における活動を開始したそうです。前日の17日には、トランプ政権の誕生以来、初めてとなる米中外相会談の場がG20が開催されているドイツのボンで設けられています。果たして、米空母の南シナ海で活動開始は、何を意味するのでしょうか。

 アメリカのティラーソン国務長官と中国の王毅外相の会談において、南シナ海問題が議題に上がったかのか、否か、公式には明らかにされていません。とは言うものの、昨年の国際仲裁の判決以来、南シナ海問題は深刻さを増していますので、同問題が置き去りにされたとは考え難く、両者の間で話し合われたものの、双方譲らず、平行線を辿ったとするのが大方の憶測です。そして、この憶測を裏付けているのが、カール・ビンソンの南シナ海での展開です。

 仮に中国が、アメリカから”一つの中国”の原則について譲歩を引き出した代わりに、南シナ海に関してはアメリカに譲る、即ち、軍事拠点化を断念していたとしたら、アメリカは、敢えて南シナ海において中国を牽制する行動をとることはなかったはずです。しかも、原子力空母ともなりますと、同海域における長期的な活動が可能となると共に、爆撃機や戦闘機による攻撃力をも備えています。中国は、同海域における防空識別圏の敷設を試みるに留まらず、未だ「九段線」の主張を諦めておらず、一時中断していた人工島の埋め立て作業をも再開しているそうです。南シナ海では、何時、米中間の武力衝突が起きてもおかしくない状態なのです。

 この問題が、極めて深刻であるのは、中国の主張を認めると国際法秩序が根本から崩壊するからです。言い換えますと、南シナ海こそ、アメリカをはじめ国際社会が中国に対して”譲れない”、あるいは、”譲ってはならない”一線なのです。この側面から見ますと、アメリカが、南シナ海問題を”一つの中国”をめぐる取引と切り離していることは、安心材料でもあります。

 果たして、中国は、対米戦争を覚悟してまで、南シナ海、否、アジア支配を目指すのでしょうか。日本国政府も、米中戦争へと至った場合、アメリカの同盟国、そして、国際法秩序を擁護する国の一国としてどのような対応をとるべきか、既に具体的な行動を策定すべき時期に来ているように思うのです。

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共謀罪への反対は一般国民の不信を招く

2017-02-18 14:54:11 | 国際政治
「共謀罪」対象277に=政府、来月上旬にも法案提出
 現在、日本国では、2000年に署名した国際組織犯罪防止条約を締結すべく、国内法の整備に取り組んでいます。その柱となるのが「共謀罪」なのですが、何故か、反対の声も少なくありません。

 「共謀罪」に難色を示しているのは野党に限らず、与党公明党も同様の立場を示しています。左翼系活動団体との関係も指摘されている民進党や共産党等については、誰もが容易に反対理由の想像が付きます。左翼系団体は、マスメディアを含めて海外でテロ事件が発生するたびに、テロ寄りの立場を表明し、日本国政府を糾弾する姿勢が目立ってましたので、「共謀罪」が成立すれば、自らも取り締まり対象となることを怖れているのでしょう。

 その一方で、与党公明党による反対は、宗教政党としての性格が強い公明党に対する疑念を深めます。同党が、事実上、新興宗教団体である創価学会の政党であることは周知の事実ですが、日本国憲法において政教分離が定められていながら、これまでのところ、同団体の政治活動は既成事実化しています。創価学会は、全国各地に平和会館なる宗教施設を建設し、選挙の度に、会員を動員しているそうです。また、最近では、海外における活動を活発化させと共に、会員の中には、相当数の外国出身者も含まれているそうです。こうした組織力が与党の座を支えているのですが、その体質や活動については北朝鮮の独裁体制に譬えられるなど、マイナス情報も少なくありません。当初予定していた「共謀罪」の数は、公明党の反対により676から277に大幅に減らされており、与党の立場を利用して「共謀罪」の骨抜きを狙っているとしか思えないのです。

 公明党としては、「共謀罪」の効果を削ぐことができたわけですから、”大成功”ということになるのでしょうが、果たして、国民は、公明党の態度を支持するでしょうか。山口代表は、削減の理由として「国民の不安を招く」と述べておりますが、一般の国民は、「共謀罪」に不安など感じないはずです。逆に、甘い対応にこそ、不安を感じるはずです。となりますと、公明党の言う”国民”とは、その実、”学会員”であり、一般の国民の目に触れないところで、内外に広げた自らの宗教ネットワークを活用し、「共謀罪」の対象となるような活動を行っている疑いが濃厚となります。”国民”=特定のメンバーという構図は、”人民”=共産党員のレトリックとも似通っています。

 平和会館等の施設への一般国民の出入りは制限されていますので、同教団は、”共謀”に適した密室を保有していることにもなります。公明党の「共謀罪」への反対姿勢は、逆に、公明党やその支持団体である創価学会に対する一般国民の不信を招く結果となったのではないでしょうか。

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情報の真偽を確認しない罪深きCNN

2017-02-17 13:22:00 | 国際政治
ベネズエラ、CNNを放送停止に 報道問題視「虚偽だ」
 アメリカの大統領選は、さながらトランプ候補対メディアの様相を呈しており、フェイク・ニュース問題が持ち上がるという副産物も見られました。この対立構図、選挙結果を以って収束すると思いきや、今日では、海外にまで拡大しています。

 報道によりますと、南米のベネズエラ政府は、CNNが独自取材で得た情報に基づいて「ベネズエラが不正に発給したパスポートがテロリストにわたっている」と報じたことから、CNNに対して放送停止を命じたそうです。この一件について、内外から批判を浴びているのはベネズエラ政府の方なのですが、CNNについては、”前科”があるだけに、どちらが正しいのかは、一概には判断はできないようにも思えます。

 特に日本国において、近年、CNNに対する信頼性が著しく低下した理由は、慰安婦問題について報じた虚偽情報にあります。CNNといえば国際報道のエキスパートであり、各国の外務省や情報部も情報源として見なす程の信頼性を誇るメディアであり、そうであるからこそ、あらゆる国際情報に精通し、確かなる根拠に基づく放送内容を提供しているものと見なされてきました。ところが、慰安婦問題に関する報道を見ますと、朝日新聞社の記事撤回等による明らかに虚偽であることが判明しているにも拘らず、何らの検証をも加えることなく、堂々と国際社会に向けてフェーク・ニュースを報じているのです。日本国は、先の大戦にあって朝鮮半島の女性達を”性奴隷”にしたと…。

 それでは、何故、CNNは、慰安婦問題についてフェーク・ニュースを流したのでしょうか。第一に推測されるのは、CNN社が、慰安婦記事の撤回や日本国側の情報を十分に収集していなかったとするものです。この”知らなかった説”が事実であるとしますと、CNN社の情報収集能力に疑問符が付きます。慰安婦関連の日本側の情報は、証拠となる資料等も含めて英文でも発信されていますので、国際報道メディアを称する以上、”知らなかった”という言い訳は通用しないはずです。となりますと、第二に推測される理由は、CNNには、何らかの政治的な意図があったとするものです。一体、CNNは、日本国の名誉を棄損するニュースを流すことで、どのような利益を得ているのでしょうか。担当者がチャイナやコリア・マネーによって買収された可能性もありますが、何れにしても、CNNにとりましては、極めて不名誉なはずです。第三の推測があるとしますと、過去に自らが報じたニュースが虚偽であることを認めたくない、というCNN側の保身の現れであるのかもしれません。

 フェーク・ニュースであれ、一旦報じられますと、その影響力は長期的に続きますので、少なくとも、マスメディアは、事実の真偽が問題視されている事件程、その報道には慎重であるべきです。CNNも独自に慰安婦問題を厳正、かつ、中立的な態度で調査すれば、不条理にも罪を着せられた日本国、並びに、日本国民の憤りが理解できるのではないでしょうか。

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海外企業による買収リスクは深刻ー東芝は他人事ではない

2017-02-16 15:33:36 | 国際経済
東芝の取引先、1年半で4割減 家電子会社など売却で
 報道によりますと、東芝グループの経営難に伴う事業の”切り売り”の影響を受けて、1年半の間に東芝の取引先は4割ほど減少したそうです。グループ本体から切り離されたとはいえ、これまでのところは分離された事業体との間で取引関係は維持されているため、経営難に陥ったとする報告は見られないようです。

 白物家電部門は、半導体部門等に先んじて既に中国の美的集団に買収されていますが、果たして、美的集団は、日本企業との取引に拘るでしょうか。既に、東芝の白物家電部門の製造拠点の大半は中国に移転していますので、東芝グループと取引関係にあった日本企業の多くは、部品等を中国に向けて輸出してきたはずです。つまり、日本製の高品質の部品を用いて東芝ブランドの家電製品を中国で生産し、それを日本市場に向けて輸出してきたのがこれまでのパターンであったはずなのです。しかしながら、美的集団の東芝買収の狙いは、そのブランド力にあるとされていることに加えて、中国企業の部品製造技術も、近年、技術移転の成果として急速に伸びています。中国企業の戦略が、信頼性の高い日本企業のブランドを活用し、低価格を武器に輸出攻勢をかけ、世界市場を席巻することにあるならば、今後とも、部品調達を日本企業に頼るとは思えません。冷徹な経営戦略からすれば、むしろ若干品質を落としてでも、”部品調達の共通化”といった美名の下で何れかの時点で自国企業の部品に切り替えるはずです。東芝の白物家電部門は赤字経営でしたので、”合理化”という名目も使うことができます。ブランド名の使用については40年の期限付きなそうですので、近い将来、美的集団は、部品調達から製造に至るまで、コスト高となる日本の取引企業を切り捨てつつ、事業全体を中国国内に移転させることでしょう。良質の製品を製造しながら、”規模の経済”、”効率最優先”、”コストカット”の波に押し流され、日本企業が市場から淘汰される現象は、”グローバリズム”の一言を以って是認されるべきなのでしょうか。

 東芝グループの解体には、初めからシナリオがあったようにも見えるのですが、東芝のケースは、他の日本企業にとりましても他人事ではないように思えます。外国企業による買収により国内雇用が減少し、経済のスパイラル的な衰退を招く現象は、”行き過ぎたグローバリズム”の深刻な問題点です。特に、労働コストの低い国の企業による買収は雇用流出の原因となり、産業の空洞化にも拍車をかけます。日本国政府も保護主義を再評価し、買収リスクへの対応を講じるべき時が来ているように思えるのです。

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金正男氏暗殺ー世界は野蛮に満ちている

2017-02-15 15:15:42 | 国際政治
「韓国亡命阻止狙う」=金正男氏暗殺で韓国紙
 本日、北朝鮮のトップの座にある金正恩鮮労働党委員長の長兄である金正男氏が暗殺されたとする、衝撃的なニュースが報じられました。本国からの指令を受けた女性工作員による犯行との味方が有力なようですが、この事件の背後には、様々な思惑が蠢いているようです。

 第1に確認すべきは、暗殺された人物が、金正男氏本人であるのか、否か、という点です。北朝鮮では徹底した情報統制が敷かれていますし、”替え玉”や”影武者”も大いにあり得る国です。国外に滞在していたとはいえ、北朝鮮が工作を仕掛ける、あるいは、金正男氏自身が、自らの存在をこの世から消してしまうために、暗殺を装った可能性も否定はできません。

 第2に、暗殺された人物が本人であったと仮定した場合にも、解明すべき謎が残されています。金正男氏は、中国が金正恩委員長に代えて北朝鮮のトップに据えるべく、手厚い保護が与えられていたそうです。今般の暗殺については、韓国亡命阻止説も上がっており、中国に見放されたとする見方も見受けられます。それでは、何故、この時期に中国が金正男路線を放棄したのか、この点を推理してみますと、アメリカのトランプ政権の誕生により、金正男氏がアメリカ側への接近を図ったため、中国にとって危険な存在になったのかもしれません。つまり、アメリカをバックとした金正男政権の樹立を阻止するために、中国側が暗殺したとする推測です。

 第3の推理は、米中合意に起因するとする説です。先日、トランプ大統領は、一つの中国の原則を尊重する方針を示しましたが、その際の”取引”に、北朝鮮関連も含まれていたとする推測です。この仮説を補強する材料があるとすれば、トランプ大統領が、北朝鮮に関しては、特に中国の役割を期待する旨の発言をしていることです。米中間で、北朝鮮において金正男政権を樹立させるという合意が成立していた場合、それを察知した金正恩現政権が、先手を打ってこのシナリオを潰したとする見方も成立の余地があります。

 第4に留意すべき点は、北朝鮮の背後には、ロシアといった米中以外の国も蠢いていることです。仮に上述したように、米中間で何らかの合意が成立していたとしても、必ずしも、主犯は金正恩政権とは限りません。同政権をサポートしている第三国が、北朝鮮に対するコントロールを維持するために、戦略的な意図からこの暗殺を企てたのかもしれないのです。

第5に、事件発生から現在に至るまで、様々な情報が錯綜しているところにも、背後で国際的な情報戦が繰り広げられている様子が垣間見えます。何が事実であるのか、一般の人々には正確に伝わらないように、各国の情報機関等により隠蔽や捏造などが行われている可能性があります。

 ベトナム人とされる実行犯の女性二人は、既に口封じのために殺害されているとの情報もあり、真相究明は困難を極めることでしょう。しかしながら、白昼堂々と想像を絶する手段で暗殺が実行される現実を前にして、日本国、並びに、国際社会が、この世が野蛮や邪悪に満ちている現実を直視する機会となったかもしれません。如何にして野蛮や邪悪と闘ってゆくのか、その覚悟をも問われているように思えるのです。

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保護主義批判が自国経済を苦しめるー政府は東芝の救済を

2017-02-14 15:07:26 | 国際経済
東芝、きょう発表予定の決算を1カ月延期 米原発会社の買収めぐる「内部通報」で調査必要に
 アメリカがTPPからの離脱を決定したことから、日本国の政府もメディアも、保護主義批判一色に染まっております。安倍首相は、訪米に際してトランプ大統領にTPPの意義を説明したとも報じられていますが、保護主義を”悪者認定”しますと、ブーメランとなって自国の経済をも苦しめる結果を招くのではないでしょうか。

 目下、米原発力子会社ウィスティングハウス・エレクトリック社による買収をめぐり、巨額の損失を発生した東芝は、最悪の場合、東芝グループの解体や倒産まであり得るとまで囁かれております。”虎の子”の半導体メモリー部門についても、本体から切り離して子会社した上で、他社からの出資を受け入れる方針を示しています。既に入札も始まっておりますが、日本企業のキャノンが断念したことで、入札企業は、アメリカ、台湾、中国、韓国等々、全て外国企業ばかりとなりました。出資比率は20%程度とされておりますが、3割まで引き上げる案も検討されており、競争当局の許可というハードルがあるものの、将来的には、外国企業が主導権を握る展開も予測されます。東芝については、既に白物家電部門が中国の美的集団に買収されいますが、製造業は裾野が広いだけに、東芝グループの”身売り”によって、キャノンの御手洗会長が既に指摘されたように、日本国内の雇用にも多大な影響が生じる可能性も否定はできません。日本国政府は、東芝の事態を静観しているようですが、如何なる国でも、国内雇用への配慮から企業救済措置を実施しており、この点、政府の態度は冷淡です。

 日本国には、日本政策投資銀行や日本政策金融公庫などの政府系金融機関が設けられており、東芝の件も、こうした金融機関が融資や出資を行えば、日本経済の衰退や雇用不安を起こすことなく軟着陸できるはずです。外国に対する金融支援には大盤振る舞いをしながら、足元の自国企業の危機に対しては何らの措置も採らないとなりますと、政府の方針は、本末転倒と言わざるを得ません。自国民や自国企業の保護は、政府の基本的な役割の一つなのですから、日本国政府は保護主義批判によって自らの政策手段を縛ってはならないと思うのです。

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アメリカ大統領令ー安全に関わるリスク判断は政治問題

2017-02-13 14:08:49 | アメリカ
米政府高官 大統領令停止であらゆる対応策検討
 トランプ大統領が先日発した入国制限に関する大統領令は、司法の判断により、その効力が停止された状態にあります。この結果、入国禁止措置も解除されていますが、国民や国家の安全に関わる入国管理の判断は、やはり政治問題なのではないでしょうか。

 何故ならば、安全に関する十分かつ正確な情報は、政府しかアクセスできないからです。アメリカ政府には、海外で活動を展開する情報機関としてCIAが設置されていると共に、国内にあっても、FBIは、公安に関する情報収集にも従事しています。機密情報を含めて重要な情報は大統領に報告されており、大統領の政策判断に影響を与えているのです。言い換えますと、アメリカ大統領とは、唯一、全ての情報に接した上で、国家、並びに、国民の安全のためのリスク判断に全責任を負う立場にあるのです。

 一方、司法部門は、法律に照らして権限逸脱をチェックしたり、合憲性や合法性を判断することができますが、安全に関するリスクを判断をする権限はありません。この点、かつてオバマ前大統領が発した大統領令が司法によって違憲と判断されたのは、その内容が、違法に入国した密入国者の滞在や就労を合法化しようとするものであったからです。つまり、この場合には、裁判所は、”大統領令であれ、違法行為を合法化することはできない”とする法治国家の原則を貫いたものと理解されるのです。

 国家、並びに、国民の安全に関するリスク評価が、正確、かつ、豊富な情報に基づく高度に政治的な判断である以上、国民に対して直接にリスク責任を負わない司法部門による差し止めは、無責任と言えば無責任です。メディアをはじめ、大統領令に対する批判は止む気配は一向に見えませんが、リスク管理の強化は全ての国民に安全と安心を与えるのですから、一面的でステレオ・タイプの批判は、国民軽視の態度と言わざるを得ないのではないでしょうか。

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日米経済対話ー二国間経済協定のメリット

2017-02-12 14:32:53 | アメリカ
副大統領と「しっかり議論」=日米経済対話―麻生副総理
 これまで、日本国政府はTPP交渉に心血を注いできただけに、アメリカのトランプ政権による二国間交渉へのシフトに対しては、批判的な意見が多数を占めています。地域主義が主流となりつつあるにもかかわらず、時代に逆行していると…。しかしながら、EUやNAFTAといった地域協定の先例を観察しますと、必ずしも二国間交渉を退行現象として決めつけることはできないように思えます。

 第1の理由は、少なくとも日米間では、当事国の間に極端な格差が存在しないことです。サービスや人の自由移動をも原則としているEUにおいては、既存の加盟国との間に著しい格差がある中東欧諸国が大挙して加盟したことで、製造拠点と人の移動が同時に発生し、イギリスが悲鳴を上げる結果となりました。また、人の自由移動は認めていないNAFTAでも、経済レベル差が大きいアメリカとメキシコとの間に軋轢が発生しています。両国間の経済レベルの格差が、メキシコへの製造拠点の移転とメキシコからアメリカへの密入国の増加の強力な誘因となっているからです。米墨間と較べますと、日米間の間には然程の格差がありませんので、貿易の自由化が図られたとしても、双方の間で国民の大量移動が起きる可能性は殆どありません。また、企業の製造拠点についても、既に日本企業は、アメリカ国内での生産に努めています。

 第2に、複数の国益が複雑に交差する多国間交渉では利害の摺合せが困難ですが、二国間交渉であれば、双方の得意分野における相互補完的な関係を構築しやすい点が挙げられます。特産品の交換によるウィン・ウィン関係こそ貿易の原初的なスタイルですので、両者が”良いとこ取り”ができる原初的な関係に回帰することができます。

 第3の理由は、日米両国とも、法の支配を共通の価値として尊重していることです。RCEPなども検討されていますが、合意された貿易ルールを守らない国が加盟国として存在すると、地域協定は、早晩、形骸化し、むしろ、加盟国間の対立要因となります。

 第4の理由を挙げるとすれば、現在のトランプ政権の貿易協定に対する態度が比較的柔軟である点です。TPPの場合には、ラチェット条項が問題視されたように不可逆性が強調されましたが、NAFTAの再交渉に踏みだしたように、何らかの問題や欠点が表面化した場合、見直しの余地が残されています。

 最後に第5の理由を挙げるとすれば、日米経済対話という形態であれば、新たな協定の締結の有無に拘わらず、より広範な問題が話し合われる可能性があることです。実のところ、日本国のみならず、アメリカもまた、国民の生活が豊かになるためには、経済や産業の構造的な変革を要します。この点も含めて日米間で知恵を出し合える場が設けられるとすれば、両国は、他の諸国に対しても新たな調和的なモデルを提示することができることでしょう。

 このように考えますと、日米二国間による経済対話は、後戻りではなく、自由化一辺倒の政策が壁にぶつかった時代において、その克服を目指すという意味で、時代の先端を歩んでいるのかもしれません。日米両国とも、危機をプラスに変えていける力こそ、試されていると思うのです。

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”一つの中国”は両刃の剣ー台湾主導もあり得る

2017-02-11 13:25:50 | 国際政治
【トランプ大統領始動】台湾 米側からの事前通告を示唆 実務関係強化に期待
 アメリカのトランプ大統領が中国の習近平主席との電話会談において”一つの中国”の原則を尊重すると述べたことから、中国は、「褒めたたえたい」としてもろ手上げてこの発言を歓迎しております。トランプ政権発足に際して中国の最大の懸案事項は台湾問題であっため、中国としては安堵の気持ちを表現したのでしょうが、中国は、”一つの中国”の原則に喜んでいられるのでしょうか。

 中国側の発想では、”一つの中国”とは、中華人民共和国による台湾の併合を意味しています。国共内戦の勝利者としては、台湾は、いわば、敗者である国民党が逃げ込んだ最後の砦であり、この地を陥落させれば、共産党による”全土支配”が完成すると考えているのでしょう。しかしながら、”一つの中国”とは、必ずしも中華人民共和国による台湾の併合のパターンに限定されるわけではありません。

 当初、中華民国の国名を名乗ったものの、国民党による一党独裁から多党制に移行した今日の民主国家台湾と中華民国との関係は曖昧です。中華民国よりも、現在の台湾人は、独立国家としてのアイデンティティーを強く意識できる台湾という国名を好む傾向にあるようです。とはいうものの、中華人民共和国が”一つの中国”を主張する以上、台湾にも、”一つの中国”を主張する権利が生じます。即ち、台湾による中華人民共和国の併合も、論理的にはあり得ないわけではないのです。

 中国大陸では、共産党一党独裁に対する不満が燻っており、それ故に、中国は、民主化を求める活動や体制批判的言論を弾圧し、各地で頻発している政府に対するデモなども治安部隊で押さえつけています。強権によって一先ず政権が維持されていますが、仮に、中国が台湾に対して武力併合を試みるといった有事が発生した場合には、中国国民の中には、台湾に与して共産党支配の打倒に立ち上がる人々も出現するかもしれません。加えて、台湾とアメリカとの準同盟関係は、このシナリオの実現性を高めています。中国の歴史では、民衆の反乱が王朝崩壊の引き金を引く事例が多々ありますが、”一つの中国”の原則は、中国にとりまして両刃の剣であると思うのです。

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アメリカは何を犠牲にし中国は何を譲ったのか?

2017-02-10 15:11:41 | 国際政治
米「一つの中国」尊重…米中首脳が電話会談
 報道に拠りますと、大統領選挙にあって”一つの中国”に異議を唱えていたトランプ大統領は、中国の習近平主席との電話会談で、前言を翻し、この原則を尊重すると伝えたそうです。取引を得意とする実業家としてのトランプ氏の側面が表面化したとも言えますが、両国の間で、一体、どのような取引が成立したのでしょうか。

 この展開は、既に予測はされていたのですが、両国が何を得て何を犠牲にしたのかを正確に分析することは、日本国、並びに、国際社会にとりまして、今後の運命を左右するほどの極めて重要な作業です。そこで、限られた情報から推測してみますと、両国の間には、以下のような様々な合意のシナリオが考えられます。

 第1のシナリオは、アメリカが政治において中国に譲歩する一方で、経済においては利益を得るというものです。つまり、アメリカ側は、”尊重する”という微妙な表現ながらも”一つの中国”を容認する代わりに、中国は、経済において大幅にアメリカに譲歩し、中国製品への高率関税等を認める、あるいは、輸出自粛、為替操作の停止、米製品の輸入拡大要求に応じるなど、目下の懸案となっている対米赤字の削減に努めるというものです。このシナリオで懸念される展開は、台湾が犠牲に供され、中国の軍事圧力がさらに強まることです。一つ間違えますと、武力による台湾併合へのゴー・サインと解釈される恐れもあり、アジア情勢が緊迫化する事態も想定されます。尖閣諸島や沖縄をめぐって軋轢を抱える日本国も頭越しの米中合意の犠牲となる可能性が高まりますので、同盟国と雖も、決して安心はできません。

 第2のシナリオは、米中両国共に、政治分野において取引に応じたとする見立てです。この想定では、アメリカが”一つの中国”において譲歩する代わりに、中国に対して、南シナ海からの撤退、あるいは、中東での米国の政策の支持など、政治的措置を求めたとするものです。このシナリオでは、国際法秩序は一先ずは維持されますが、台湾をはじめとした周辺諸国が犠牲に供されるリスクには変わりません。また、これまでの中国の態度を見れば、今般の米中合意も、将来、力関係が逆転した時点で反故にされるでしょうから、一時凌ぎの気休めとなりましょう。

 第3のシナリオとしては、米中二国間のみならず、第三国が関与している可能性です。中国への接近を強めているイギリス等が想定されますが、この場合には、対中譲歩というよりも、アメリカの対中政策の見直しによって損失を被る関係第三国への譲歩の色合いが強くなります。対中の譲歩ではない故に、このシナリオでは、中国の領土的野心の的となっている周辺諸国の安全保障上のリスクは格段に高まることでしょう。

 以上は、最も蓋然性の高いシナリオですが、これらが入り混じったディーリングであるのかもしれません。何れであっても、大国間の打算的な妥協は、取引条件として犠牲にされる周辺の中小国、並びに、国際秩序に対して深刻な打撃を与えます。同情報の真偽は確認する必要はありますが、共和党であれ民主党であれ、アメリカが、中国と結託して国際法秩序を破壊する結果を招くとしますと、日本国のみならず、国際社会の失望は計り知れないと思うのです。

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大統領令差し止め問題ー司法にも限界がある

2017-02-09 13:51:46 | アメリカ
裁判所は「政治的」=米大統領
 トランプ大統領とマスメディアとの対立は一向に改善される様子は見られず、今や、”大統領の行うことは全て間違っている”とする極端なスタンスも見受けられます。イスラム諸国出身者や難民の入国を制限する大統領令についても、アメリカの権力分立体制を危機に陥れる蛮行として報じられていますが、こうした決め付け型の批判こそ、人々の判断力を曇らせているように思えます。

 この件で驚くことは、法の支配を蔑にし、権力分立を否定してきた中国までもが、マスメディアと声を揃えてアメリカ国制上の危機を訴えていることです。しかしながら、一連の経緯を観察しますと、大統領は、司法制度の枠組みから逸脱することなく、自らの大統領令の正当性を訴えているのですから、権力分立の破壊者とする批判は当たっていません。否、トランプ大統領自身が、裁判所は政治的であると発言しているように、この件については、司法の権力濫用の疑いの方が強いのです。

 日本国でも、憲法学において統治行為論が議論されてきたように、アメリカでも、司法による政治介入の問題は、”政治的問題のドクトリン(the political question doctorine)”として提起されてきました。仮に、司法が政治的決定にまで踏み込むことが許されるならば、むしろ、三権分立は崩れ、裁判所に権力が集中する”司法独裁”に至るからです。憲法が与えた権限の範囲であり、高度に政治的な問題である場合には、裁判所には他の諸機関の決定を覆す権限はないとされおり、そうであるからこそ、各々の権力はチェック・アンド・バランスの均衡を保ち、国民に対して統治機能を提供することができるのです。この視点から見ますと、大統領が、国民の安全のための措置として採った大統領令を裁判所が取り消すことができるのか、甚だ疑問なところです。外部的要素の強い安全保障や治安上の危険性に関する見極めは、政治的な判断であるからです。

 米国の三権分立を危機に陥れているのは、むしろ、米国の連邦裁判所であるかもしれません。最高裁まで持ち込まれるとしますと長期化も予測されますが、マスメディアは、自らの公平性を証明するためにも、司法の限界という視点をも国民に対して問題提起すべきなのではないでしょうか。

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保護主義の効用は過小評価されているのでは?

2017-02-08 14:58:17 | 国際政治
米、対中制裁関税を確定=道路舗装材の廉売372%―トランプ政権で初
 アメリカにおけるトランプ政権の成立以来、保護主義批判の大合唱が聞えておりますが、保護主義には、内需喚起という効用があることがすっかり忘れられているようです。米国経済全体の視点からしますと、保護主義による国内生産への回帰は、むしろ経済成長を促す可能性があります。

 保護主義が採用されますと、関税率の引き上げ等により、輸入から国内生産への転換が起きます。この転換は、国内の雇用創出に留まらず、様々な波及効果が期待されます。国内生産には、それに付随する裾野の広い連鎖的な経済効果があるからです。当然と言えば当然のことなのですが、製造拠点の周辺では、部品や原材料等を収める中小企業も潤うと共に、従業員の生活の場が形成されることで、生活必需品から教育や娯楽にいたるまで様々なサービス業も賑わいます。製造拠点の移転によって”企業城下町”が一気に寂れるのもこの連鎖的経済活動の消滅の結果です。企業の給与支払いは、民間部門において国内のマネーサプライの増加をもたらし、消費の拡大は結果的に景気を上向かせるのです。このスパイラルを逆方向に回転させれば、連鎖効果は縮小から拡大へと転じ、景気を押し上げる効果が期待できます。この点は、持続性には問題はあるものの、インフラ建設による雇用創出にも同様の効果が期待できます。

 もっとも、こうした保護主義擁護論に対しては、自由貿易を支えてきた比較優位説に依拠し、双方ともがより生産性の高い分野に特化すれば、ウィン・ウィンの関係に至り、双方において経済成長が見込めるとする反論が提起されるかもしれません。しかしながら、古典的な自由貿易論が唱えられた時代は、製造拠点の移動も、国境を越えた人の移動も想定されておりませんでした。貿易を取り巻く状況、すなわち、自由貿易論の前提条件が、今日とは違っていたのです。否、理論が想定していなかった”大移動”の結果、一方の雇用喪失や所得水準の低下に留まらず、看過し得ない政治、並びに、社会問題をも引き起こしているのが現状なのではないでしょうか。

 ”グローバル市場”の現実とは、プラス効果とマイナス効果が貿易国の間で不均等に分散する不均等分散型であり、政府による政策を含めた国家間の差異を考慮すれば、両方向の効果にはさらなる偏りが生じます。自由貿易が必ずしもウィン・ウィン関係を約束しないからこそ、保護主義的政策の導入にも一理があるのではないかと思うのです。

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ロボット・AI時代の構造改革の手段としての保護主義

2017-02-07 15:21:10 | アメリカ
IT企業が異議申し立て=入国禁止令「米産業に損害」
 トランプ政権が推し進めている保護主義政策に対しては、マスメディアをはじめ辛口の論評が目立ちます。アメリカの保護主義によって世界経済は打撃を受け、消費者も損失を被るとする見立てが大半ですが、保護主義は、果たして”絶対悪”なのでしょうか。

 ところで、米国の中間層の破壊については、製造業でも導入されるようになったロボットが主因とする説明もあります。つまり、保護主義を採用しても現状は変わらない、とする消極的な米企業擁護論です。しかしながら、この説は、現実には、メキシコへの移転計画を有する企業は多数ありますので、説得力は薄いと言わざるを得ません。もっとも、ロボット導入に関しては、移民不要論に加えて、莫大な電力消費量を考慮しますと、エネルギー資源の豊かで安価な国ほど有利ですので、むしろ、中国から米国内への製造拠点回帰の効用を説明します(この点では、エネルギーコストの低いメキシコの優位性は変わらない…)。

 現状では、ロボット導入の影響が限定的であったとしても、将来的な変化を予測すれば、上述した製造業の回帰では事足りず、新たなロボット時代に適合した経済構造の構築を目指す必要がありそうです。つまり、生産ラインにおいて安価に大量の製品を製造するロボット生産にシフトしたとしても、’人の働き場’を確保しなければならないのは、AIの普及による人材超過問題への対応としても急務なのです。この問題は、アメリカのみならず、全ての諸国の課題でもあります。そこで考えられるのは、ロボットやAIに任せる分野と、人の能力が活かされる分野を上手に両立させる方向で、産業構造全体を転換してゆくことです。では、どのようにすれば、両立は可能なのでしょうか。

 将来的な変化への対応策としては、経済を生態系的に多様化、並びに、複雑化することも一案です。特に食生活、並びに、住空間といった日常の生活に関わる分野では、大量生産方式から少量高品質製品への転換を図ることができれば、’人の働き場’を確保することができます。敢えて非効率を選択することによるサバイバル戦略とも言えます。小規模な企業は、たとえ耐久性が高く、良質の製品を製造していても、これまで廉価な輸入品に押されて淘汰一辺倒でありました。規模の経済のみを追求し、”安かろう、悪かろう”の発想では、雇用は減少の一途を辿るのみであったのです。しかしながら、小規模な企業による多様なニーズに応える生産は、’人の働き場の確保’問題の解決策となるかもしれません。

 こうした転換を図るには、大企業レベルでも際限のない買収による巨大化や金融支配を抑制する必要がありますが(ジュラシック・エコノミー化の抑制)、とりわけ、農業を含む食関連の分野や軽工業分野における中小経営の保護措置が必要となりましょう。保護主義の採用が、ロボットやAIの時代の到来に即した産業構造の転換への道であるならば、より肯定的な評価があってもよいのではないかと思うのです。

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ヘイトスピーチ規制という名のヘイトクライムー”日本セカンド”の宣言か

2017-02-06 15:31:04 | 社会
「オール川崎」でヘイト根絶へ条例を 与野党議員市民ら集会
 先日、法務省は、地方自治体に判断基準を提供するために、ヘイトスピーチ規制に関する典型事例を提示したそうです。典型事例を読んでみますと、言論の自由を侵害する内容も含まれており、憲法に抵触する可能性も大いにあります。

 特に問題となるのは「○○人は強制送還すべきだ」といった、正当、かつ、合法的な政策論である発言に対する規制です。中国では、国防動員法が施行されておりますので、日本国内の全ての中国人が、有事に際して中国政府の命令に従って日本国内で破壊活動を行う可能性は否定できません。北朝鮮出身者も、トップの座にある金正恩に忠誠を誓い、その命令に従う義務があるはずです(中国と同様に愛国無罪が通用する韓国人も反日思想においては負けず劣らず…)。また、イスラム教が『コーラン』において多神教徒に対する殺害を許容している以上、神仏が混合し、多神教への信仰を国柄とする日本国の国民は、常に命を狙われる立場にあります。アメリカにおいては、イスラム教7カ国の出身者からの入国を制限する大統領令が発令され、現在、司法が絡む形でその効力をめぐり混乱を来しておりますが、強制送還もまた、国家並びに国民の安全を守るための正当な政策的手段の一つですので、その議論さえヘイトスピーチと断定されたのでは、政府による政治的な言論弾圧以外の何ものでもなくなります。

 そして、この問題をさらに深刻にしているのは、政府による言論弾圧の矛先が専ら日本国民に向けられていることです。外国人による日本人に対するヘイトスピーチは規制対象外ですので、構図としては、外国人を守るために日本国民の言論に制限を加える形となります。いわば、明確に、”日本ファースト”ではなく、”日本セカンド”と政府が宣言しているに等しいわけですから、当然に、一般の日本国民の不満は高まることでしょう。そして、規制の背景には、外国、あるいは、外国人の圧力があったと当然に想定されるわけですから、憲法に禁じられている不当な介入に憤りを感じるはずです。

 日本国政府は、全く以って人間心理に対して無理解であり、”外国人ファースト”の政策が外国人に対する一般の日本国民の反感を逆に煽っていることに気が付いていません。自らの政府から”セカンド”認定を受けて快く感じる国民などいるはずもないのですから。不平等で逆差別的なヘイトスピーチ規制こそ、一般国民のヘイト心を煽るという意味において、ヘイトクライムではないかと思うのです。

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