万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

対中コメ輸出のリスク-老獪な二階議員の死角

2017-06-24 15:24:01 | 日本政治
ようやく日本国内のコメ消費量の減少に歯止めがかかる徴候が見えるものの、国内の“コメ余り現象”は、深刻な状況を脱していないようです。米作農家にとりましては、米価の下落を招きますし、経営の不安定化は後継者不足にも拍車をかけます。こうした中、親中派の二階幹事長を中心に、コメの対中輸出を増やす案が浮上しているそうです。中国政府と親密な関係にある二階議員にとりましては、一石二鳥どころか、一石三鳥以上の効果が期待できます。

第1に、100万戸ともされる米作農家にとりましては、余剰米の販路を提供することで“救世主”となることです。中国では、日本産のお米は高級品として需要が高く、高値で取引されています。第2に、現実はどうあれ、“二階幹事長あっての対中交渉”として宣伝すれば、同氏は、対中コメ輸出を政治的な“手柄”とし党内における基盤を固めることができます。自民党は、全国の農家票を掴んだ同氏の功績を高く評価することでしょう。第3に、二階幹事長は、中国に対しても恩を着せることができます。報道によりますと、中国は、現在コメ不足の状況にあり、東南アジア諸国からの輸入で凌いでいるそうです。中心に日本ブランドのコメが中国国内で流通すれば、少なくとも、購入可能な共産党員や富裕層にとりましては習政権に対する評価は上がることでしょう。同氏は、中国に対しても日本国の交渉窓口としての地位を不動のものとするのです。二階議員の対中コメ輸出は、利益を広く国内外にばらまきつつ、自己の地位を高めるという戦略において完璧なように見えます。しかしながら、この戦略には、“隙”は全くないのでしょうか。以下に、対中コメ輸出のリスク面について挙げて見ることとします。

第1に、現時点では、日本産ブランド米は中国国内において高値で取引され、食の安全性の面からも需要の拡大が見込めます。しかしながら、需要と供給による価格形成からしますと、日本産ブランド米の供給量の増加は、中国における希少性を徐々に薄れさせ、価格の低下も予測されます。今後とも、中国市場で高値を維持し得るかどうかには、疑問があります。

第2に、日本国内の余剰米の多くは、中国で高値を付けるブランド米ではなく、一般のお米です。この点に注目しますと、この政策は、100万戸の農家に対して効果があるわけではなく、ブランド米生産農家に限定されます。否、一般の日本人消費者からしますと、香港のバイヤーによって鮪の初セリ価格が暴騰したように、中国向け輸出の拡大は、日本国内でのブランド米価格を押し上げるかもしれません(日本の一般消費者にはマイナス高価)。

第3に、二階幹事長は、中国や東南アジア諸国の農業技術は、年々向上している現実を無視しています。中国は、アグリビジネスの大手シンジェンダ(スイス)を、遺伝子組み換え等のバイオ技術獲得を目的に買収しましたが、今後、中国のコメ生産量は飛躍的に伸びる可能性があります。また、東南アジア諸国でも、高品質のコメの生産が実現すれば、中国の消費者は、日本産より安価な東南アジア産を選択することでしょう。あるいは、高品質のカリフォルニア米を有するアメリカが、貿易不均衡の是正を理由に中国に対して米国産コメの輸入拡大を求める可能性もあります。長期的に見れば、日本産の米の輸出が増え続けるとする予想は楽観的にすぎます。

第4に、日本国内の米作農家の対中輸出依存が深まるほど、日本国は、中国からの対日輸入枠削減圧力に悩まされることになります。コメの輸出入は、日中両国とも政府が直接に実施する国家貿易ですので、日本米の輸入枠が中国主導で決定されるとなりますと、日本国は、政治的要求にも利用可能な“米カード”を中国に与える等しいのです。

第5に、昨今、日本国政府は、農村に外国人農業技術指導者や実習生を招き入れる政策を推進しています。対中コメ輸出とこの移民政策がリンケージしますと、日本国の農村は、中国向け輸出米を移住してきた中国農業者が生産するという姿へと変貌しかねないリスクがあります。日本国内の後継者不足が解消されたとしても、中国の13億の人口を以ってすれば、日本国の農村を中国人の人口で席巻することは容易なことです。あるいは、二階議員は、中国との裏交渉において農村への中国人移民の受け入れを輸入枠獲得の条件としているのかもしれません。

 以上に主要なリスクを挙げて見ましたが、上述した二階幹事長への高評価は、その前提条件や外部環境が変化すれば、プラスからマイナスへ転じる可能性があります。長期的に見ますと、この政策はリスクに満ちておりますので、日本国の農業の再生には、食糧自給率の向上に寄与し、かつ、農村共同体を再活性化させるような、より低リスクで安全性の高い方法を考案すべきと思うのです。

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平昌五輪南北共同開催案問題―古代と現代のオリンピックは違う

2017-06-23 17:04:09 | 国際政治
北朝鮮と一部共催の議論歓迎=平昌五輪でIOC
 来年2月に開催が予定されている平昌冬季オリンピックは、北朝鮮との一部共同開催が検討されているそうです。IOCのバッハ会長も、歓迎の意向を示していると報じられております。

 近代オリンピックは、全てのポリスが4年に一度開かれるオリンピアの祭典の期間においては戦争を停止し、平和を維持した古代ギリシャの慣行に倣って始まったものです。平和の祭典と称されるのも、この時だけは武器を置き、束の間であれギリシャ全土で平和が実現したからです。古代オリンピックの精神を継承した近代オリンピックもまた、伝統的な平和の精神に沿うならば、南北による共同開催は、歓迎すべきことなのでしょう。

 しかしながら、古代と現代のオリンピックとの間には、著しい違いも見られます。最大の相違点は、現在のオリンピックは、サマランチ会長以来、“参加することに意義がある”に象徴されるような高貴なアマチュア精神はすっかり影を潜め、すっかり商業主義に堕しています。全世界に放映されるため、民間企業にとりましては格好の宣伝舞台ですし、開催地では、競技施設等の建設、選手等の宿泊や観衆向けの観光ビジネス、関連グッズの販売…など、一定の経済効果が期待できます。そして、IOCもまた、メディアへの放映権販売、企業からのスポンサー料、公認ロゴやマスコットのライセンス料など、莫大な利権を懐に入れています。オリンピック憲章の理想から遠く離れ、今日のオリンピックは、欲望が渦巻く巨大なる興行ビジネスと化しているのです。

 こうした時代の変化を考慮しますと、IOCのバッハ会長の歓迎発言は、現実を無視した建前に固執する偽善のように聞こえます。何故ならば、現在、北朝鮮は、核・ミサイル開発に関連して国際社会から厳しい経済制裁を受けている国であるからです。古代であれば、敵対関係にあるポリスが、一旦、対立を棚上げしてオリンピアの祭典に共に参加しても、それが、敵対する双方の何れかを利することはありませんでした。しかしながら、今日の商業化されたオリンピックでは、一次的であれ、北朝鮮に対する経済制裁の解除を意味しかねないのです。つまり、オリンピックの開催は、北朝鮮にとりましては、貴重な外貨獲得のチャンスとなり、その資金は、十中八九、核・ミサイル開発に投じられることでしょう。

 加えて、北京オリンピックの開催日である2008年8月8日に、ロシアがグルジアに侵攻したしたことも記憶に新しく、古代オリンピックの精神は、全世界の諸国で共有されてもいません。しかも、先日、北朝鮮から解放され、帰国したアメリカ男子学生が同国による何らかの虐待行為により死亡するという痛ましい事件も発生しています。アメリカは、自国選手に対する拘禁や殺害のリスクを負ってまで南北共同開催オリンピックに選手団を派遣するのでしょうか。このリスクは、アメリカに限らず、日本国を含む他の参加国も同様です。

古代と現代のオリンピックの相違を考慮しますと、各国とも、平昌オリンピックのボイコットは選択肢となるのではないでしょうか。そして、IOCもまた、古今のオリンピックの違いを直視し、現代にあっては、偽りの平和よりも真の平和、即ち、国際的な対北制裁網の維持こそ優先させるべきと思うのです。

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一帯一路構想と南シナ海囲い込みー中国の言行不一致

2017-06-22 14:56:48 | 国際政治
米、対北朝鮮で圧力強化要請=外交・安保対話で中国に―南シナ海は平行線
 中国は、近年の急速な経済発展とそれに伴う軍事力の増強を背景に、経済面では自国中心の経済圏構想、即ち、一帯一路構想を掲げる一方で、政治面では、国際仲裁の判決を無視する形で南シナ海の軍事拠点化を強行しています。しかしながら、中国は、政経両面の二つの政策が矛盾していることには気が付いていない、あるいは、気づいていないふりをしているようです。

 中国の説明によれば、一帯一路構想とは全世界に開かれた経済圏であり、モノや人等の自由、かつ、活発な往来が経済圏全体を豊かにするとしています。インフラ投資を目的として設立されたAIIBも、この構想の一環と言えます。アメリカがトランプ政権の下で保護貿易色を強める中、中国は、グローバル経済の盟主を自負しており、経済面では、”移動の自由”の促進を謳っているのです。

 AIIBに参加している、あるいは、一帯一路構想に賛同している諸国は、中国の掲げるグローバリズムの理想に共鳴しているのでしょう。しかしながら、中国が、本心から開かれた広域経済圏を目指しているのか、と申しますと、これは、相当に怪しくなります。何故ならば、南シナ海では、自らの説明とは真逆の行動をとっているからです。

 常設仲裁裁判所における判決において問題視されたのは、中国が、歴史的、並びに、法的根拠を欠くにも拘わらず、国連海洋法条約を無視し、「九段線」の主張の下で一方的に南シナ海を囲い込もうとしたところにあります。国際レベルでの海洋法とは、海洋における自由な航行を約するために締結された条約であり、いわば、”海の交通ルール”の側面があります。つまり、公海や領海等の範囲を定めたり、航行のルールを明記することで、一国による特定海域の囲い込みや外国船舶に対する航行阻害行為を禁じているのです。

 こうした海洋法の意義に照らしますと、中国の南シナ海における行動は、航行自由の原則に対する挑戦に他なりません。中国が南シナ海の軍事拠点化を進める目的としては、アメリカが秩序を維持している太平洋への自国勢力範囲の拡大、東南アジア諸国に対する軍事的威圧、そして、南シナ海をシーレーンとする諸国に対する経済封鎖手段の獲得などが挙げられています。南シナ海が”中国の海”として閉鎖されれば、当然に、自由貿易も露と消えることでしょう。

 中国は、グローバリズムの衣を纏って一帯一路構想の実現に向けて邁進しようとするのでしょうが、南シナ海での行動は、それが本心ではないことを証明しております。仮に、真に開かれた経済圏を標榜するならば、それを法的に保障する海洋法に違反するような行為は決して採らないはずなのです。中国の一帯一路構想、並びに、AIIBが信頼されない理由は、まさに、言葉では開放を唱えながら閉鎖を追及している中国の言行不一致にあると思うのです。

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「東芝メモリ」売却問題ー経産省主導で何故韓国ライバル企業が入るのか?

2017-06-21 14:13:29 | 国際政治
東芝メモリ売却、「日米韓連合」と優先交渉決定
 東芝問題につきましては、何処か、腑に落ちない点が多すぎます。今般の東芝子会社の半導体メーカーである「東芝メモリ」の売却先についても、報道によりますと「日米韓連合」が優先交渉権を得たそうですが、何故、日米連合に韓国のSKハイニックスを参加させたのか、日本国政府からの説明は何もありません。

 「東芝メモリ」の入札に関して、日本国政府が背後で動いた理由としては、海外への技術流出阻止が指摘されております。同連合の中核に日本国の官民ファンドである産業革新機構が据えられたのも、この説を裏付けています。しかしながら、政府の基本方針に照らしますと、韓国のSKハイニックスの参加は説明が付きません。。「日米韓連合」の一角を成すアメリカのベインキャピタルは投資会社ですが、SKハイニックスは、技術流出や競争法上の問題も生じるライバル会社であるからです。

 SKハイニックスについては、当初、単独入札を模索していましたが、公正取引委員会等、各国の競争当局から承認を得るのは難しいとして、一旦、断念した経緯があります。この経緯からしますと、おそらく、SKハイニックス側には、「東芝メモリ」を買収するだけのメリット、おそらく技術上のメリットがあるのでしょう(東芝メモリのコントローラ技術との指摘もある…)。しかしながら、日本側からしますと、技術の海外流出リスクが伴ってきます。東芝とSKハイニックスと言えば、東芝側が同社を知的財産権の侵害で訴えた因縁の過去があり(東芝研究データ流出事件)、東芝側は巨額の損失を被っています。SKハイニックス側が和解金330億円を支払うことで一先ずは解決していますが、SKハイニックスとしては、今度は出資者となることで、合法的な手段で東芝の技術を入手できるとする目論見があるのかもしれません。鴻海陣営による買収を阻止し、中国への技術流出のリスクが防いだとしても、韓国に漏れてしまうのでは意味がありません。SKハイニックス側の出資額は、それ程高額ではないそうですが(少額であれば他の日本企業からの出資も可能であったはず…)、経産省は、韓国への技術流出を防ぐ何らかの措置を準備しているのでしょうか。(追記22日の報道に拠りますと、SKハイニックスは出資者ではなく融資者の立場にとなり、一先ず、技術流出のリスクは低下したようです。もっとも、日本勢が全体の3分の2を占めるものの、コメントをお寄せくださいました方によりますと、米ベインキャピタルはSKハイニックスから資金提供を受けているとする情報があるそうですので、まだまだ油断はできない状況にあります。)

 また、仮に技術流出を防止できたとしても、SKハイニックスが東芝メモリの内部において株主権を自社に有利に行使する可能性も否定はできません。現在、半導体の世界市場のシェアは、サムスンが他者を引き離して1位であり、SKハイニックスも2位につけています。こうした現状を考慮しますと、SKハイニックスの参加は、半導体市場のさらなる寡占化を招く恐れもあるのです。

 何れにしましても、今般のSKハイニックスの参加は、日本側にとりましては何らのメリットもないばかりか、将来的には、「東芝メモリ」の市場競争力を低下させる展開も予想されます。産業革新機構には国費が投入されているのですから、国民の多くも、敢えて韓国のライバル企業を利すような日本国の経産省の方針に納得しないのではないでしょうか。

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”共謀罪”は運用を見てから評価しては?

2017-06-20 17:15:30 | 日本政治
政権逆風、自民は組織固め躍起=民共、追及継続―都議選
 所謂”共謀罪”については、野党をはじめ左派勢力等が激しく反対し、全国的な反対キャンペーンを張ってておりました。ネット上の政治ブログ等でも、改正組織犯罪処罰法が成立すれば、”政府による国民監視体制が敷かれ、戦前の体制に回帰する”として、徒に危機感を煽る意見も散見されました。

 野党による反対の大合唱の中、与党主導で改正組織犯罪処罰法を成立させたわけですが、同法の成立が内閣支持率低下の要因の一つであるとする指摘もあります。委員会採決を省略するという異例の手続きを経て成立しましたので、強行な手法に対する批判は頷けます。しかしながら、同法に対する評価は、実際の運用面を見てから判断すべきではないかと思うのです。本法案が国会に提出された背景には、国際的なテロ活動の活発化があり、諸外国においても対テロ対策の観点から”共謀罪”が設けられている国も少なくありません。現実には、世界各地でテロが頻発しているように、テロを完全に封じ込めることができないまでも、”共謀罪”に基づく捜査当局の活動はネットワーク型のテロ・犯罪活動には有効であり、未然に防止した事例も存在しています。また、”共謀罪”が設けられている国において、同罪の設置により国民監視体制が強化された、とする報告もそれ程には見られないのです。

 野党側は、一般の国民の日常生活までもが監視され、政府による国民統制が強まるとして同法の成立に反対しましたが、実際に、こうした懸念される事態が発生するか、否かは、同法がどのように運用されるかにかかっています。組織に属していない一般の国民が監視され、罪無くして逮捕・収監される、あるいは、左翼団体や宗教法人等の組織が根拠なくして”弾圧”を受けるといった事態が起きてから、同法に基づく具体的な公権力の行使に対して批判を展開すればよいのではないでしょうか。今日では、行政訴訟の手続きも整備されておりますので、法の目的からの逸脱や権力の濫用があれば、司法の場に訴えることもできます。

 共謀罪には、テロや組織犯罪を防止するというメリットがある反面、国民監視体制の強化に繋がるリスクもあります。長短両面を持つのですから、今後、どちらの面が出現するのかは、現時点では国民の誰もが分かりません。実際に、テロや組織犯罪が減少すれば、国民の多くは法案成立を高く評価するでしょうし、反対に、野党の懸念通りの事態となれば、同法の改廃を求めることとなりましょう。このように考えますと、法案成立の時点での批判は、時期尚早なのではないかと思うのです。

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日本軍による慰安婦強制連行はあり得ないー”朝鮮反乱”は致命傷

2017-06-19 14:13:24 | 国際政治
韓国、慰安婦合意検証へ 「破棄と再交渉」は前提とせず
 日韓慰安婦合意の”破棄と再交渉”を公約として当選した文在寅大統領は、当問題について、まずは慰安婦合意に至るプロセスを再検証する方針のようです。実際に、文政権が同合意の”破棄と再交渉”に踏み込むのかは不明ですが、当時の日本国が置かれていた政治状況を考慮しますと、日本軍による慰安婦強制連行はあり得ないはずです。

 何故、あり得なのか、と申しますと、仮に朝鮮半島で反乱が起きれば、戦争を遂行していた日本国にとりましては致命傷となるからです。あまり知られていないセンシティブな事件なのですが、戦時中、日本国政府は、敵国であったアメリカに対して黒人暴動を画策しております。この工作活動にリクルートされたのが黒人問題の専門家であった疋田保一であり、同氏は、民間活動家であった中根中等との協力の下、第二次世界大戦最中の1943年6月20日に発生したデトロイト黒人暴動にも影響を与えたとされています。軍需産業の中心地と化していたデトロイトの生産停止により、戦争遂行能力を削がれることを怖れたアメリカ政府は、この時、即、軍隊を投入し、同月23日に暴動は鎮圧されるのです。

 この事件は、当時の日本国政府がマイノリティーであり、かつ、差別を受けてきた黒人を組織し、大規模な暴動へと誘導すれば、アメリカを内部から崩壊させることができると考えていたことを示しています。ということは、日本国政府自身も、自国領土のマイノリティーが反乱を起こせば、自国の戦争遂行能力に対して致命的な打撃を受けることを自覚していたはずです。仮に日本軍が”慰安婦狩り”を実行し、20万人もの朝鮮人女性を戦場に強制連行すれば、朝鮮半島で大規模な反乱が起きることは目に見えています(過去には日本人男子学生が朝鮮人女学生をからかったことから暴動が発生…)。敵国の内部分裂を誘発するのが一般的な戦略上の手法であるとしますと、当時の日本国政府が、みすみす自ら分裂を招き、窮地に陥るような行為を朝鮮半島において行ったとは考えられないのです。

 日本統治下の朝鮮半島の人々とアメリカの黒人の人々を比較しましても、前者の方が法的地位は遥かに高く、日本国政府からの配慮も受けています。文政権は、慰安婦合意のプロセスを検証するよりも、個人請求の起訴となる事実が実際にあったのか、歴史そのものの検証に着手すべきと思うのです。

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慰安婦個人請求権問題ー日本統治下の韓国・朝鮮人とユダヤ人は全く違う

2017-06-18 13:50:04 | 国際政治
日韓合意「再交渉に期待」…韓国側が発言後削除
 韓国における文在寅政権の誕生は、同国内で慰安婦合意再交渉の機運を高めているようです。個人請求権問題は”慰安婦”に留まらず戦時徴用にも及ぶ動きも見られますが、90年代以降、韓国は、国際社会において慰安婦被害はユダヤ人に対するホロコーストに匹敵する非人道的行為とする認識を定着させるべく、積極的に国際プロパガンダを展開してきました。しかしながら、日本統治下の韓国・朝鮮人とナチス統治下のユダヤ人の立場は、全く違うのではないかと思うのです。

 韓国側は、戦後におけるドイツのユダヤ人に対する個人補償を取り上げては、日本国は、ドイツに見習うべきと主張してきました。この主張には、戦前の韓国・朝鮮人(当時日本国籍を有した現在の韓国、並びに、北朝鮮の人々)とユダヤ人も共に時の政権から迫害を受け、筆舌に尽くしがたい虐待を受けたとする被害者意識があります。ヒトラー政権下のユダヤ人については、ヒトラーの命令や制定された法律に基づいて、公職追放、財産の没収、強制収容所への収監、強制労働…といった憂き目に遭っており、個人の被害や損害も書類等に基づいて証明することができます。奴隷貿易に携わったり、ペスト流行の一因となったり、さらには第一次世界大戦後の振る舞いなど、ユダヤ人の中には、歴史的には必ずしも純粋な被害者とは言い難く、むしろ加害者の側面を持つ者も少なくはないのですが、公権力の迫害行為によって辛酸を舐めたユダヤ人が多数存在したことは確かなことですし、被害の特定も可能です。

 それでは、日本統治下の朝鮮半島、並びに、日本国内の韓国・朝鮮の人々は、ナチスドイツ時代のユダヤ人と同様に、国家権力による迫害を受けたのでしょうか。事実をつぶさに調べますと、戦前の韓国・朝鮮人の場合は、全く逆であったとしか言いようがないのです。韓国・朝鮮人に対する公職追放の事実はなく、官吏、軍人、警察官など、幅広い分野で朝鮮の人々は公務員として勤務していました(日本国内では選挙で選出された帝国議会議員も存在…)。特に朝鮮半島では韓国・朝鮮人公務員の比率は高く、自治的な要素も見られます。財産没収についても、日本国は、朝鮮半島において近代的な所有制度を確立し、財産権の保障は当然に韓国・朝鮮の人々にも及んでいました。敗戦を機に財産を暴力で奪取されたのは日本人の方です。もちろん、韓国・朝鮮人を捕縛して収容するアウシュヴィッツのような強制収容所も設置されていませんし、当時の状況からすれば虐殺など想像も及ばないことです。国家総動員法に基づく戦時徴用はありましたが無償の強制労働ではなく、国民としての義務は、日本人も日本国籍を有する韓国・朝鮮人も変わりはありませんでした。むしろ、韓国・朝鮮人に対しては徴兵も戦時徴用も日本国よりも時期的に遅れて実施され、一般の日本人よりも優遇されていたと言っても過言ではありません。徴兵されはしたものの、韓国・朝鮮人兵士は、結局は戦場に配属されずして終戦を迎えています。

 どの側面をとりましても、日本統治下の韓国・朝鮮人とナチスドイツ統治下のユダヤ人は、真逆と言えるぐらいに政府による扱いが逆です。韓国政府は、国際プロパガンダに際してユダヤ人の協力を得る、あるいは、ユダヤ人の方法に倣ったのでしょうが、基礎となる事実が違っているのですから、ユダヤ人と自らを同列に並べ、”ドイツと同様に個人補償をせよ”という要求は、根拠なき不当な請求に他なりません(しかも、1965年の日韓請求権協定では日本国側が請求権を政府国民共に放棄する一方で、韓国側には、莫大な支援金が支払われている…)。事実関係を明らかにすれば、日本国に対する国際社会、並びに、韓国側からの批判も止むと予測されるのですが、政治的妥協に終始し、事実説明に後ろ向きな日本国政府にはふがいなさを感じるのです。

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残虐国家北朝鮮の意図とはー米大学生の脳壊死

2017-06-17 14:53:17 | 国際政治
北が昏睡状態で解放した米学生、脳に大きな損傷
 観光を目的として北朝鮮に入国したものの、政治犯として当局に軟禁されていた米バージニア大学学生、オットー・フレデリック・ワームビア氏は、水面下における米朝交渉の結果ようやく解放され、無事米国に帰国しました。解放当初は北朝鮮側の関係改善のメッセージではないかとする憶測も飛び交いましたが、ワームビア氏の健康状態に関する情報が伝わるにつれ、この憶測には疑問符を付さざるを得ません。

 報道によりますと、ワームビア氏は昏睡状態にあり、脳内には広範囲における脳細胞の壊死が見られるそうです。治療に当たっている医師の説明では、呼吸停止状態において見られる症状あり、北朝鮮国内においてワームビア氏に対して何らかの虐待行為があったことを示唆しています。否、脳細胞の壊死とは、実質的には”脳死”を意味しており、同氏は北朝鮮によって殺害されたに等しいのです。

 同氏の脳損傷について、北朝鮮側は、”ボツリヌス菌の毒素による中毒で体調を崩し、睡眠薬を服用後に昏睡状態になった”と説明しています。この説明で注目すべきは、”ボツリヌス菌”という細菌の名です。何故ならば、この細菌こそ、その高い毒性故に生物兵器として研究されてきた歴史があるからです(わずか0.5キログラムで全人類を死に至らしめる…)。実際に、ボツリヌス菌に感染すると呼吸筋が麻痺し、死に至るケースもあるそうです。ワームビア氏の症状からしますと、ボツリヌス菌による中毒症状への治療というよりも、ボツリヌス菌への感染によって脳壊死が引き起こされたとする推測も成り立ちます。ボツリヌス菌は自然界に存在する細菌ではありますが、北朝鮮は、弁明しているように見せかけつつ、敢えて”ボツリヌス菌”の名を挙げることで、生物兵器の保有を暗に仄めかしているとも言えるのです。

 一方、アメリカでは、担当の医師は「ボツリヌス菌による中毒の症状は見られない」と指摘しており、ボツリヌス菌感染説、あるいは、北朝鮮生物兵器使用説を否定しています。となりますと、(1)北朝鮮は、ボツリヌス菌を用いずして呼吸困難を引き起こす生物化学兵器、あるいは、脳細胞破壊兵器を開発・所有している(ロシアからの技術移転かもしれない…)、(2)生物化学兵器ではなく、首を絞めるなど、一般的な方法でワームビア氏を酸欠状態とした、(3)アメリカ側の見解に誤りがあり、実際には、ボツリヌス菌に感染している…といった可能性があります。(1)及び(3)では、生物化学兵器の使用という事態となりますので、北朝鮮に対する制裁はさらに厳しくなることでしょう。

 北朝鮮の核・ミサイルの開発の進捗状況につきましては不透明な部分が多いのですが、何れの推測であれ、北朝鮮は、生物化学兵器に関してもその保有を示唆することで、アメリカに対して牽制を試みているように思えます。つまり、北朝鮮にアメリカ人が入国すればワームビア氏と同様の運命を辿るとするアメリカに対する脅しであり、さらには、ボツリヌス菌を攻撃手段とした全世界に対する脅迫であるかもしれません。ティラーソン国務長官は北朝鮮への渡航禁止を検討しているそうですが、如何なる目的であれ、訪朝した米国民は命の危険に晒されるとする認識があるのでしょう。

 以上のように考えますと、アメリカが、北朝鮮に対して安易に妥協するとは思えません。かくも残酷な仕打ちを自国民が受け、しかも、非人道的な生物化学兵器が使用された疑いまであるのですから。本事件は、米朝関係の改善よりも悪化の方向への向かわせる可能性の方が高いのではないかと思うのです。

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マイナンバー・LINE提携リスクー日本国政府の売国か?

2017-06-16 08:47:46 | 日本政治
 報じられるところによりますと、総務省は、内閣府との連携の下でマイナンバーのオンラインサービスである「マイナポータル」とLINEを組み合わせた行政サービスを開始するそうです。子育て支援の分野を手始めに今年の秋頃からのサービス開始を予定しているそうですが、この連携、幾つかの側面において、売国的ではないかと思うのです。

 第一に、LINEとの連携は、日本国民の個人情報を韓国に提供するに等しいことです。LINE社とは、韓国企業であるネイバーの子会社であり、韓国情報院に対する情報提供の義務を負っています。この現実は、LINEを介して収集されたユーザーの個人情報、並びに、ユーザーの登録情報は、全てネイバー、並びに、韓国政府が利用可能なデータとして蓄積されることを意味します。政府はこの事実を当然に知りながらマイナンバーの運営にLINEを利用したのですから、確信犯的な売国行為です。日本国民のマイナンバーが韓国側に漏れる事態ともなれば、リスク管理の甘さが問われることになりましょう(あるいは、韓国側が日本人のマイナンバーを秘密裏に不正利用する可能性も否定できない…。例えば、’成り済まし’)。

 第二に、LINEは一民間のSNS事業者に過ぎず、他にも競合する企業が存在しています。仮に、こうした行政サービスを実施するならば、中立・公平な公開競争入札制度を行った上で、事業者を選定すべきです。日本国政府が、恣意的にLINEを選定したとなりますと違法な随意契約となり、特定の企業への利益誘導となりましょう。LINE利用者数や使用回数が増加するほどに、広告料を主たる情報源とするLINEの収益もアップするのですから。

 第二の問題は、同連携の費用負担が不透明な点も問題です。今般の連携においては、日本国側にシステム開発に要する費用負担が生じているのではないでしょうか。仮に生じているとしますと、予算を要する事業として国会の承認が必要でしょう。LINEは、無料アプリであるために普及したのですが、仮にこの事業でも”無料”であるとしますと(LINE側の負担)、日本国の行政システムが、むしろ、LINE社の利益、並びに、韓国政府の情報収集のために体よく利用されていることとなります。ソフトバンクを含めて韓国系の企業には、政府や行政機関に取り入るという傾向が強く、LINEもまた”用日政策”の一環かもしれません。

 第三に、日本企業側の問題点として、近年、プラットフォーム事業における出遅れが指摘されております。このため、日本国政府は、日本企業によるSNS事業者の育成を目指すべき立場にあります。ところが、韓国系のLINE社を”日本国政府御用達”として認定するのでは、韓国の利益の為に公権力を行使しているとしか思えません。公共性の高い通信・情報事業の分野は、経済のみならず、社会全体にも影響を与えますので、如何なる国にあっても政府の監督の下に置かれております。韓国系のプラットフォームが日本国の国民生活においてコミュニケーション手段として根付くとなりますと、日本国内に韓国系の情報収集ネットワークが張り巡らされ、外国によって日本国民の日常までもが監視される状況となります。

 第四としては、今日、小学生でもアプリを自作できる時代にありながら、何故、総務省は、行政サービスの向上を実現するアプリを自ら開発しないのでしょうか。必ずしもLINEを介在させる必要性がないにも拘らず、敢えて提携を意図したとしますと、国民には説明できない思惑が潜んでいると疑われても致し方ありません。

 マイナンバーカードの交付率は10%を下回る状況にあるとの指摘もあり、この低い数値は、マイナンバー制度に対する日本国民の不信感の現れとも説明されています。しかしながら、LINEの方が遥かに情報漏洩や犯罪関連のリスクが高いにも拘わらず、メディアも左派系の人々も、マイナンバー導入時程には今般の提携を批判的には報じておりません。また、LINEの利用者は、公表では凡そ6800万人ともされていますが、この数字が正しければ、日本国民は、日本国政府よりも韓国系のLINEに信頼を置いていることとなります。なお、インドでは、マイナンバーの交付の際の写真を政府の役人がすり替え、別人を’成り済ま’させるという事件も発生しているそうですが、行政システムにLINEを介在させますと、こうしたリスクも高くなりましょう。

以上に述べた諸点を考慮しますと、「マイポータル」におけるLINEとの提携はリスクのみ高く、日本国、並びに、日本国民にとりましてメリットがあるとは思えません。国家と国民の安全のために情報管理に責任を負う日本国政府は、LINEとの提携は見直すべきと思うのです。

 
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日本国の国民統合の構図の変化の必要性ー天皇の地位問題

2017-06-15 15:19:12 | 日本政治
 現行の日本国憲法の第1条では、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって…」と記されており、日本国の国民統合の構図においては頂点の位置に置かれています。図として描けば、全ての国民から等距離にある超越的な上部に天皇が置かれ、下部の国民を求心力を以って纏める三角錐の構図となります。

 頂点求心型のこの統合の構図は、古来、太陽神信仰や一神教にも見られますし、世俗のカリスマ支配や独裁体制もこのタイプに分類されます。現行の日本国憲法では、明治憲法を踏襲して三角錐の構図を維持しつつも、求心力、即ち、統合力の具体的な内容について記していないため、憲法上の構図と現実との間に齟齬が生じています。宮内庁幹部の”一人一人の国民と向き合っていることが、国民の安寧と平穏を祈ることの血肉となっている”とするカルトじみた先般の発言も、統合力の憲法上の”白紙状態”に起因しているとも言えます。それでは、日本国の未来を構想した場合、天皇は、どのような構図にあってどの位置に存するべきなのでしょうか。

 大日本国帝国憲法体制への回帰を支持する人々は、天皇を頂点とする三角錐の構図を維持するために、明治憲法第3条の「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」を復活させ、神代より連なる皇統の正統性を以って超越的な地位への復帰を望むことでしょう。自民党の憲法改正案における”天皇元首化”の思惑にも、この方向性が潜んでいると推測されます。もっとも、これらの明治体制回帰派の人々には韓国併合時代と重なるために北朝鮮派も混入していますので、神聖性なき天皇親政、即ち、金王朝と同様の独裁体制の成立を画策するかもしれません。

 しかしながら、皇室の現状をつぶさに見つめますと、最早、三角錐の構図への回帰は不可能としか言いようがありません。第一の理由は、昭和天皇による人間宣言、並びに、婚姻の自由等によって、天皇は、既に神聖性において国民に超越する存在ではなくなっていることです。今になりまして、”現人神宣言”をいたしましても、既にマスメディアやネット等を通して皇族の俗物的な行動が国民に伝わっており、国民の大半は、この宣言を信じることはないでしょう。犯罪への関与が噂されるようでは、なおさらのことです。それでは、天皇一身が帯びる皇孫としての神聖性に代わる求心力を、今日、他に求めることはできないのではないでしょうか。第二の理由は、天皇位を世襲制とする限り、個人的なカリスマ性による求心力も期待できないことです。昭和天皇のカリスマ性が現行憲法においも暫くの間は、辛くも三角錐の構図を維持し得た理由でもありますが、現皇室にはカリスマ性が備わっていませんし、否、マスメディアやカルト集団が動員によって天皇の”偶像(アイドル)化”を試みましても、それは、パーソナル・カルトとならざるを得ません。

 以上から、将来に亘って日本国の統合の形態が天皇を頂点とする三角錐の構図を維持することができないとしますと、今後、天皇は、新たな構図において位置付ける必要性が生じてきます。三角錐の構図における頂点とは、基本的には”神”や”法”といった超越的存在が置かれる位置ですので、生身の人間にその役割を求めることには本質的には無理があるのです。しかも、今日の現皇室には多様性を背景に様々な勢力が入り込んでおり、国民統合どころか、国民分裂を引き起こしかねない状況にあります。天皇の位を完全に廃止せよ、との意見もありましょうが、日本国の二千年以上に及ぶ歴史と伝統を考慮しますと、憲法において天皇位を国家祭祀の伝統を継承する祭祀長として位置付けるのが、最も穏当なる方法なのではないでしょうか(ただし、厳正なる調査の結果、皇統が断絶していた場合には現皇室の廃し、正統なる皇統保持者によって天皇位は継承されるべき…)。

 国民統合の構図としては天皇を頂点とする三角錐型ではなくなりますが(縦型から横型統合へ…)、現代国家にあっては、伝統文化の継承や保護という観点から天皇位を公職の一つとする方が、余程、天皇の地位は安定しますし、日本国民が被る”皇室リスク”も軽減できるのではないかと思うのです。

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自らの墓穴を掘る韓国ー慰安婦個人請求権の主張

2017-06-14 14:07:14 | 国際政治
「個人請求権は存在」=慰安婦合意で韓国政府
 報道によりますと、韓国政府は、日韓慰安婦合意後にあっても”同問題は人道問題であるため、1965年の日韓請求権協定の対象には含まれず、元慰安婦の対日個人請求権は消滅していない”とする従来の見解を維持しているそうです。この見解は、慰安婦合意で生じた心的被害の賠償を求めて元慰安婦が韓国政府を訴えた訴訟に過程で、被告となった韓国政府から地方裁判所に書面で伝えられたものです。

 日韓慰安婦合意を以って最終解決と見なす日本国では、慰安婦問題の”蒸し返し”として反発が強まっておりますが、今般の韓国政府の行動は、自らの墓穴を掘るに等しいとしか言いようがありません。何故ならば、日韓請求権協定の解釈を問うたことは、自ら司法解決の土俵に上ることを意味するからです。国際社会では、条約等に関する解釈において政府間に争いが生じた場合には、ICJや常設仲裁裁判所等の国際司法機関に判断を委ねるのが最も正当な解決手段です。韓国政府は、日韓請求権協定の対象範囲について日本側とは異なる主張を行っているのですから、当然に、この問題は司法解決に付すべきです。今般の韓国政府の見解は、元慰安婦による損害賠償請求訴訟において付随的に示されたものの、仮に、韓国政府が本問題は未解決であり、元慰安婦には個人請求権が残っていると主張するならば、国内裁判所ではなく国際司法機関に対して訴えるのが筋というものです。

 そして、それが”墓穴”である理由は、裁判の過程においては、証拠に基づき、客観的、かつ、中立的な立場から事実関係が確認されるからです。例えば、(1)日本軍による強制連行や性奴隷説等が否定される、(2)慰安婦被害の実態とは、民間事業者による犯罪であることが明らかになる(犯罪被害者に対する公的救済措置の法制化は、日本国でも近年に過ぎない…)、(3)日韓請求権協定は、日本国、並びに、日本国民側の一方的な請求権放棄を定め、韓国側に極めて有利な内容であったことが知れ渡る…などは、韓国側が対日請求の根拠を失うことを意味します。また、仮に、人道問題を理由に個人請求権が残されているとするならば、敗戦の混乱期にあって朝鮮半島の人々が内外の日本人に加えた非人道的な行為に対しても、対韓個人請求権は生きていることとなりましょう。

 韓国政府が司法の場に解決を求めることは、日本国政府にとりましては願ってもないチャンスです。韓国政府のプロパガンダによって著しく傷つけられた名誉が回復され、さらには、日本国民側の個人的な被害も、人道問題として償われる可能性があるのですから。日韓慰安婦合意の再交渉に応じる必要はありませんが、日本国政府は、司法解決については大いに歓迎すべきと思うのです。

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マクロン大統領のEU路線では仏国民負担増では?

2017-06-13 16:53:11 | ヨーロッパ
仏野党、「一党支配」阻止に全力へ=大統領新党が圧勝の勢い―下院選
 フランス下院選挙では、共和党、並びに、社会党の左右両党から有力幹部を引き抜いて閣僚に据えたことから、”マクロン新党”である「共和国前進」が圧勝するシナリオも現実味を帯びてきました。7割を越える議席を獲得するとの予想もあり、既存政党は、一党支配の阻止に全力を挙げているとも報じられています。

 ところで、7割という数字からすれば、”マクロン新党”は圧勝と言えるのですが、フランス国民は、マクロン大統領の政策を積極的に支持しているのでしょうか。第一回投票の投票率が最低であることも然ることながら、マクロン大統領の掲げるEU政策は、フランス国民にとりましては財政面では負担増となる可能性があります。

 同大統領は、大統領選挙時よりEU深化を基本方針として掲げており、特にユーロ圏共通予算の設立や経済財務相ポストの新設が、財政統合路線として注目されてきました。共通予算の下でEUの財政基盤が強化され、財政権限も拡大すれば、南欧諸国等の債務危機に陥った加盟国を救済したり、加盟国への投資も増やすことができるとする主張です。財政統合は、ソブリン危機を思い起こせば、EUの安定化に貢献するのでしょうが、それは同時にEU内における加盟国間の財政移転の強化を意味します。言い換えますと、豊かな加盟国のEUに対する財政支出が増加する一方で、財政的に苦境にある諸国は、EU予算から支援を受けることができるようになるのです。

 マクロン大統領の主張は、豊かなドイツからのフランスへの財政移転を念頭に置いているとする説もありますが、EUの財政の現状を見ますと、フランスは、財政的にはEUに対して出超国です。しかも、同様にEU予算を支えてきたイギリスが離脱するとなりますと、地域政策等の下で現在実施されている南欧や中東欧諸国への財政移転も、他の国が肩代わりする必要があります。となりますと、フランスは、EUから財政支援を受ける側ではなく支援を行う側となる公算が高く、それはとりもなおさず、フランス国民の肩に財政負担が重くのしかかることを意味するのです。

 財政統合については、ドイツ国内でも財政負担増から反対の声が根強いのですが、フランス国民は、この問題をどのように考えているのでしょうか。そして、仮に財政統合を実現させたとしても、予算や負担をめぐって、加盟国のみならず、EUレベルの各種利益団体や業界が入り乱れる熾烈な争いも起きないとも限りません。マクロン大統領のEU路線は、フランス国内においても、また、EUにとりましても、波乱含みではないかと思うのです。

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”象徴天皇”は国民の内面に踏み込む

2017-06-12 15:22:09 | 日本政治
 マスメディア等の主たる論調は、戦後、日本国憲法の制定と共に誕生した”象徴天皇”は現代という時代に相応しく、国民からも歓迎されているというものです。しかしながら、”象徴天皇”には国民の内面に踏み込むという、深刻な問題が潜んでいることに気が付いている人はそう多くはないかもしれません。

 明治憲法の第一条は「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」とあり、その実態は別としても、憲法上の天皇は統治者と位置付けられていました。しかも、単なる世俗の統治者ではなく、”万世一系”と敢えて記すことで皇祖神に連なる神性が強調され、この超越的な神性こそが、全ての国民に対して統合の作用を及ぼしていたのです。言い換えますと、明治憲法における天皇は、統治者であり、かつ、統合の要という二重の役割を担っていたのです。

 一方、現行の日本国憲法は、天皇の統治への関与は国事行為において形ばかりを残し、統合については、求心力の源泉であった神性が否定される一方で、”統合の象徴天皇”という曖昧な立場へと転じることとなりました。天皇については、統治機構上の地位の変化にばかり関心が集まりがちですが、統合の分野における変化も見逃してはならない点です。そして、この転換に際して、憲法は”象徴天皇”の統合作用を何ら記さず、具体性を伴わない言葉のみの”統合の象徴”とされたことは、今日の皇室問題を、国民にとりましてより危険なものとしているように思えます。

 おそらく、昭和の時代には、たとえ天皇の人間宣言があったとしても、昭和天皇の個人的なカリスマ性や国民の側の皇室に対する根強い神性意識によって、天皇は統合の要であり続けることがきました。しかしながら、平成の今日、皇室の著しい世俗化と劇場化、即ち、神性さの欠如によって、歴史に基づく暗黙の了解としての天皇と国民との相互関係は成立し得なくなっています。

 こうした現状を鑑みれば、被災地訪問や各種行事等への臨席、さらには、慰霊や交際を含む海外活動を以って”象徴天皇の活動”とすることは、国民に対する表裏二面性の強要という、古くて新しい問題を提起することとなります。表面的な敬意と内面的な反感という…。俗人と化した皇族に対して心から”有難い”、”光栄である”、あるいは、”励まされる”と感じる人は、人間の理性や常識に照らせば殆ど存在しないことでしょう。一般の国民もまた、皇室劇場において”演技”を強いられ、さらには、天皇を以って日本国と同一視する人々からは、天皇個人に対する絶対的な忠誠をも迫られるかもしれません。

 果たして、統合作用を欠いた”象徴天皇”とは、新たな時代に相応しい天皇像なのでしょうか。国民に対して心理的な圧迫を与え、国民の自由な精神や良心、そして、理性や知性を歪めるならば、それは、国民の内面に踏み込んだ従来の悪しき抑圧的な国家体制と何ら変わりはありません。現行の日本国憲法において天皇の統合作用が”白紙”とされた問題は、今日、日本国民の内面の危機として表出しているように思えるのです。

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二階幹事長の撲滅願望の本音ー”依頼殺人”の発想

2017-06-11 14:21:12 | 国際政治
訪韓中の二階氏「悪巧みする連中、見つけたら撲滅して」
 自民党の二階幹事長は、親中派の筆頭にその名が挙がる政治家ですが、親韓議員としても知られています。その二階幹事長が、韓国において「一握りの(日韓関係改善を妨げる)悪巧みをする連中は撲滅をしていくように。韓国の中にも一握りだけでもいるかも知れないが、見つけたら撲滅して」と述べたというのですから、驚きです。

 この発言、二階幹事長としては親韓派議員の立場から日韓関係改善に向けたメッセージのつもりであったのでしょうが、韓国国内では、相当の反発を買っているそうです。何故ならば、日韓関係改善を妨げる”悪巧みをする連中”とは、反日感情で団結している韓国人の大半を意味してしまうからです。言い換えますと、同氏は、韓国人に対して”自らを撲滅せよ”と述べたに等しいのです。

 韓国国内での反発は同氏の所謂”オウンゴール”ですが、日本国民にとりましても、この発言は聞き捨てなりません。何故ならば、発言の内容をよく読みますと、”韓国の中にも”と述べているからです。この表現からしますと、同氏の頭の中では、文頭に”日韓関係改善を妨げる悪巧みをする連中は日本国の中にも存在するが…”が付いていたはずです。つまり、二階幹事長は、日本国内にあっても、”悪巧みをする連中”を見つけたら撲滅したいと考えていると推測されるのです。

 韓国は、国を挙げて反日政策を推進しており、慰安婦等の歴史問題でも未だに火種が燻っております。関係改善を”絶対善”と見なす同氏は、日本国側の韓国に対する正当なる要求や批判も”日韓関係を妨げる行為”と見なし、韓国に対して批判的な一般の日本国民に対しても”悪巧みをする連中”のレッテルを張ることでしょう。同氏の善悪の判断も、倒錯しているとしか言いようがないのです。もっとも、本発言で日韓関係が悪化したとしますと、撲滅すべきは二階幹事長自身となりますので、何とも皮肉なことです。

 撲滅依頼の発想は”依頼殺人”を想起させますし、政治家が人を対象として撲滅という言葉を使いますと、弾圧や粛清を容易に連想させます。従来であれば、致命的な失言として辞任に追い込むぐらいにマスコミが騒ぎ立てるはずなのですが、親中派のためか、マスコミの態度は至って静かです。とは申しますものの、今般の発言は、二階幹事長が、中国や北朝鮮と同様に弾圧を容認する政治家であることを露わにしましたので、日本国民は、今後とも同氏の動向には警戒すべきと思うのです。

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皇室支持の”善悪倒錯現象”ー辻本議員の”転向”の意味

2017-06-10 15:41:27 | 日本政治
陛下、18年末にも退位=光格天皇以来200年ぶり―新元号、準備本格化
 日本国のマスメディアは、昨日の天皇退位特例法の成立に関しては、何故か祝賀ムード一色に染まっております。”象徴天皇”の継続を言祝ぐ言説が目立ちますが、かつて痛烈に”天皇制”を批判した民進党の辻本清美議員も、今般の法案を機に”転向”を表明しております。

 辻本議員は、昭和の時代に出版した書籍において、天皇や皇室に対して”生理的にいや”とか、「人生訓とか道徳を押し付けたがる。天皇とあの一族の気持ち悪さに直結している」として”悪の根源”とまで言い放っていました。しかしながら、昨今、同議員は、過去の見解を取消し、皇室支持の立場へと転じたのです。その理由としては、憲法尊重擁護義務や過去の考え方の一面性が挙げられております。

 憲法尊重擁護義務については、憲法第99条が改憲、即ち、国制改革の議論まで封じているとは考えられず、おそらく、第9条を含む護憲の立場と関連しているのでしょう。現皇室と護憲派とは、現体制の固定化という面において共闘関係にあるのかもしれません。そして、もう一つの理由である”一面性”については、その具体的な内容は詳しく報じられておらず、様々な憶測が飛び交っております。

 メディア等における好意的な解釈は、現皇室が国民から崇敬されており、国民多数の支持の下で”象徴天皇制”が根付いているから、というものです。しかしながら、別の理由があるようにも思えます。何故ならば、辻本議員は、近年、東宮家と親交を深めているとする情報があるからです。この情報の真偽は不明ですが、同議員の転向には東宮家との面会や交流があったことは想像に難くありません。そして、東宮家にまつわるマイナス情報を思い起こしますと、同議員の”転向”の理由がより明確に見えてくるように思えるのです。東宮家の姻戚である小和田家の出自は同議員と同様に北朝鮮系とする説がある事に加えて、小和田氏には、公金横領やスイスでの軟禁等、犯罪の影が常に付き纏っています。東宮家自身も、ヤフーオークション事件等を起こしたり、愛子さん替え玉疑惑が浮上するなど、必ずしも清廉潔白ではないのです。

 特例法の成立により、3年以内には東宮が天皇位に登極することとなりますが、ここで上述した「人生訓とか道徳を押し付けたがる…」という辻本議員の言葉が意味を持ってきます。即ち、天皇が国民の模範でもなく、不道徳で不品行な存在ならば、同議員には反対理由がなくなるのです。人生訓や道徳を”悪の根源”と断じる辻本議員の道徳観は善悪が倒錯しておりますが、来るべき”次期天皇”も同議員と同様に善悪が倒錯しているかもしれないのです。

 現皇室が犯罪に手を染め、腐敗しているとしますと、かつて辻本議員が天皇を批判した理由とは全く逆の立場において皇室に対して批判を行うのは、今度は良識と理性を備えた国民となりましょう。”悪”を崇敬することは、精神的な苦痛でしかないのですから。そして、仮に、天皇批判を行う健全な善悪の判断能力を備えた良心的な国民が、辻本氏のような輩から”逆賊”と呼ばれるようになるのならば、日本国の将来を憂いざるを得ないのです。

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