次の日の放課後、夢は六小に呼びかけてみました。すると、サーッと光が射し
六小の眠たそうな声がしました。
「ふぁ~。なぁーに夢ちゃん、せっかくいい気持ちで寝てたのに。」
六小の言葉に夢が、『昨日の様子が気になって呼びかけたのに、今日のこの
態度は何なの。』と、ちょっとムッとして、
「何よ。昨日の六小さんの様子が気になったから、心配して呼びかけたのに。もう
いいよ。寝てたいなら帰る。」
と言うと、六小はあわてて、
「あ、ちょっ、ちょっと待ってよ、夢ちゃん。ごめん、ごめんね。気にしててくれたんだ。
ありがとう。」
と、答えました。
「あたりまえでしょ。いつもの六小さんらしくないんだもの。いったいどうしたの。」
「う・・・・ん、あのね。」
めずらしく、六小が口ごもっています。
夢が、もどかしそうに言います。
「何よ。はっきり言いなさいよ。」
「うん。あのね、わたし、なんかこの頃、卒業していったみんなから
忘れられてるんじゃないかって怖いの。これからも、そうなるんじゃないかって。」
六小らしくない言葉に、夢は、思わずふきだしてしまいました。
「何?そんなこと気にしてんの。六小さんらしくないよ、そんなの。アハハ・・・・・
あー、おかしい。」
「あー、夢ちゃん笑った。わたしは真剣に悩んでいるのに。もういい、話さないから。」
六小は、怒ったようにそう言うと、また黙ってしまいました。