風の向こうに  

前半・子供時代を思い出して、ファンタジィー童話を書いています。
後半・日本が危ないと知り、やれることがあればと・・・。

風の向こうに(第二部) 其の参拾六

2010-03-27 22:57:23 | 大人の童話

写真撮影のあと、いったん教室へもどってクラスで別れを惜しんだあと、夢たち

卒業生は在校生に見送られ、校門の所まで行きました。二年生二学期始業式の日、

始めて見る六小の立派さに目をみはり、中に入るのも忘れて、しばらく校門の脇に

佇んでいた夢、あの時と同じ大きな校門を、今、夢は出て行きます。校門を出た所で

立ち止まり、振り返って校舎を仰ぎ見ると、そこには、凛として建つ第六小学校の

姿がありました。夢は、しばらくじっと六小を仰ぎ見ていましたが、やがて、

決心したようにうなずいて、また歩き始めようとしました。と、なんと今までにない

大きな輝きの光が夢を包み込み、これまた今までに聞いたこともない、地を

震わすような大きな声があたり一面に響き渡りました。

「ちょっ、ちょっと待ってよ、夢ちゃん!もう行っちゃうの。そんなのって・・・ないよ・・・・

エッ・・・・エッ・・・・・」

六小は泣いていました。