本茶峠のヒカンザクラ
冬に咲いた花が葉桜になって、
その葉も色が濃くなって、
実が熟れて、黒ずんでいる。
今日は快晴 名瀬の気温は28.6度まであがった。
今日は旧暦でいうと3月29日。あすから四月。立夏
沖縄の「うりづん」は奄美では「うりじむ」「うるい」「くぅむつぶあむぃ 米粒雨」
旧暦の3から4月ごろ、いろいろな植物が熟れ出す。
本土でいう「木の芽流し」のことだろうという。
↑おとおい、本茶峠の写真を撮ったときは、霧の中米粒雨が降っていた。
島歌に歌われる「うりじむ」は植物が熟れ出す時期のことだそうだ。
山は、亜熱帯の奄美でも、四季それぞれの装いをこらし、より細かく、その表情をかえつづけている。
トラガリに見えた山の新緑も、濃くなってまわりになじみ、そろそろ梅雨の季節を迎える。
きのうから山で「アカショウビン」の声を今期初めて聞いた。明瞭に聴いたが録音失敗。
今朝は、山でなく声が長浜町の街中までも、さかんに聴こえていた。
これは、おきゃくさんが名瀬のさかな屋さんで買ってきてくれたもの。
方言 トビンニャ テラジャ
和名:マガキガイ(盤足目ソデボラ科) 流通名 チャンバラ貝(実、足の先のギザギザから)
むかし、日本中がまだ貧しくて、
でも、一生懸命働いて、みんなが、明日への希望に満ちていたころ、
(トビンニャはおいしかったのだが)
「こんなもの」はどうという程のものでもなかったのだった。
即席麺のイトメンのチャンボンメン(奄美では今でも根強い人気がある)のほうに興味があったりした。
この貝、磯の香りを生かした、いろいろな調理方法がありそうだが、やはり磯の香りがいい。
関東以南の磯場に生息しているというのですが、よく食べるのは、奄美・沖縄と高地だけらしい。東京の高地料理店で食べられるらしい。(こんな、おいしい貝を食べないなんて)
奄美 食(うまいもの) 紀行 207ページ 採り方調理例など参考になります
通販サイトもあります
チャンバラ貝 google ←貝にめざめるクリック?
ガソリンが上がったらしい。以前、読んだ本を読んでいる。
右2冊は、名瀬のTutaya で現在買える。
2001年7月の本だが、平積みで、何冊も置いてあった。
この時期、転勤してきた人たちが買うのだろうか。
「奄美の歴史の欠落部分を補う貴重な書」
地元の元新聞記者の著者が、自らの足で、
碑(いしぶみ)と島唄をたずねた2冊
波乱に満ちた奄美の歴史を浮き彫りにするとともに
島唄の深みにせまる。
シマウタの世界は深い
「シマウタは奄美の百科事典といってよい」、と著者はいう。
アサギマダラが海を越えて旅をすることだって昔の人は知っていたらしい歌詞がいくつかあるド。
男女の恋の歌は、古代の万葉の恋歌にも劣らない。
奄美には「歌半学」という言葉がある。
シマウタを知れば学問の半分はやったと同じだという意味。
生活の知恵とか処世訓だけではない。
学問の王様、哲学だってある。
誰(たる)も他人(ゆす)の上や秋の夜のさやか
吾身(わみ)の善(ゆ)し悪(あ)しや闇路心(ぐくる)
他人のことは秋の夜の明るさのようにわかるが、自分のことは闇のように見えなくなる
他人(ゆす)の上の疵(きず)や
他人の疵と思(うめ)んな
吾身(わみ)の善し悪しや
定め苦(ぐる)しゃ
これはソクラテスの「汝自身を知れ」に通じはしまいか。
島唄のなかからは、島民が心で記録した歴史が読める。
お役人の記録だけからは読めない事実も見えてくる。気がする。
北海道出身の著者の研究には頭がさがる。
奄美に対するよほどの愛情を感じる。著者もまた島の人たちに慕われているのだろう。研究と愛情の両立がすごいと思う。若い研究者につづいて欲しいと著者は言っているようだ。
ちいさな本だが何冊もの本を読んだ気になった。
熟読すると、読み応えがあって時間もかかるど。
より続く
ツワブキの葉で作った お皿は、直径20センチくらい
緑色の葉っぱはツヤがあって、オレンジのイチゴは、おいしく見える
ツワブキの肉厚の葉は、わずかに冷たく、沢から吹き上げる5月の風の薫りが、森のなかにいっそうさわやかな涼感を演出するのだった。