2016/12/20 NF天栄
----------
時間をかけて経過を観察してまいりましたが、診断の結果、誠に残念ながら右前蹄骨骨折が判明しました。「引き続き様子を観察していましたが、レントゲンの画像に映る線が段々と明確なものになってきて、またこれからさらに広がりそうな状況でもあることがわかりました。この状況から他の獣医師にも判断を仰いだのですが、残念ながら競走馬として復帰するのは難しいだろうということでした。ここ最近はもうひとつピリッとし切れない走りが続いていたので、何とかこの馬らしい気持ちを引き出せるようにと調整をしていました。段々とその良い時の様子が垣間見られるようになり、それに伴い動きも良くなってきていたところでしたので、これならと思っていたのですが…。僕らも期待をしていましたし、この馬の復活を楽しみにされていた先生、そして何よりも会員の皆様の期待に応えたいと思っていたのですが、このようなことになり本当に申し訳ございません」(天栄担当者)「前走の内容は目覚めきれていない印象があったので、この馬の長所でもある気持ちを引き出せるようにしたいと考えていました。続けて使っていければ良かったのですが、出走間隔もある程度ないと使いづらい状況になっていた時期でしたし、牧場で乗ってもらいながらフレッシュさを引き出せればと思っていたんです。当初は年内の競馬を考えるつもりでしたが、天栄から年明けくらいがより良い状態に持っていけそうと聞いていて、そろそろと思って準備をしつつ連絡を取った矢先に歩様が悪くなっていました。当初はぶつけたかザ石によるものかと思われたものの、残念ながら骨に異常があるということでした。可愛い馬でしたし、馬力があり、これからも末永く頑張ってほしいと思っていたのですが、このようなことになり悲しいです。また、長い間応援いただいていた皆様のことを思うと申し訳ない気持ちでいっぱいです」(戸田師)復活を期して天栄での立て直しを行っていました。段々と気持ちの面でも、動きの面でもクロムレックらしさが出てきたということで1~2月の復帰を目標に調整をしようとしていたのですが、その矢先に歩様に乱れが生じてしまいました。時間をかけて見極めを行っていたのですが、レントゲンでの画像に悪化が見られ、残念ながら競走馬としての能力喪失に値する蹄骨骨折という診断がくだってしまいました。この状況を踏まえて戸田博文調教師と協議を行った結果、ここで現役続行を断念し、競走馬登録を抹消することになりました。会員の皆様にはまことに残念なことと存じますが、何卒ご理解賜りたくお願い申し上げます。なお、本馬に出資されている会員の方へは追って書面を持ちましてご案内いたします。
----------
【キャロットクラブより、公式HPの近況レポート等の転載につき、許可を受けています。】
先週の段階でイヤな予感はしていました。復帰を目指すにしても長期休養が必要ですし、年齢的にも決断のタイミングだったのかもしれません。現役馬の中で最年長ですし、
2011年1.5次募集で出資が決まってから5年超の付き合いですからね。やはり、いざ引退となると淋しいものです。
この馬について振り返ると、どうしても考えてしまうのは、「環境が違えばもう少しやれたはず」という思い。戸田厩舎を批判する気はありませんが、クロムレックに関しては、馬と厩舎の相性は良くなかったと思います。レース選択やローテーションを疑問に思うことが多々ありましたし、関東の厩舎なのに福永騎手に拘ったのも疑問でした。福永騎手がクロムレックと特別に合うというのなら分かりますが、そういう訳ではありませんし、レース選択を関西の鞍上の都合に合わせるのは、「なぜ?」という感じでしたね。レーススタイルも疑問。押さえて末脚勝負という馬に育てようとしていましたが、クロムレックの特性からすれば、明らかに先行させてスピードと行きっぷりを生かすのがベターでしょう。そんなこんな、あれこれとリズムが悪い中、それを象徴するかのように、天栄でのアクシデントで一年の休養があったり、競走中の疾病で半年休んだり、長期休養ばかり。正に、「競走生活を通じて噛みあわなかった」、という言葉に尽きると思います。しかし、そんな中でも、クロムレックは25戦を走り、3勝を挙げてくれました。特に、未勝利→500万を連勝した3歳春は夢が膨らんだものです。
2013/02/09 3歳未勝利(東京ダ1,400) 福永祐一
2013/03/02 3歳500万下(中山ダ1,200) 戸崎圭太
その後、オープンの端午Sや、重賞ユニコーンS(G3)にも挑戦。暫く勝てませんでしたが、降級した後は500万を貫禄勝ちしてくれました。
2015/02/08 4歳上500万下(東京ダ1,400) 福永祐一
1,000万を勝てる能力は示していましたし、もっと活躍できた可能性があったはずなのにと思うと無念さが残ります。重賞戦線でバリバリやる能力はなかったかもしれませんが、1,000万で終わる馬ではなかったはず。たくさんのモヤモヤがあって残念でなりませんが、スタートから道中ビンビンの行きっぷりを見せる姿や、直線馬ナリで先頭に躍り出る姿は、鮮明に覚えています。特徴的な流星と共に、記憶に残る愛馬でした。ありがとう、クロムレック。お疲れさまでした。
クロムレック
父Smart Strike
母ルシルク(Dynaformer)
2010年3月29日生まれ
ノーザンファーム生産
美浦 戸田博文厩舎
通算成績 25戦3勝 3-3-3-16
獲得賞金 4,130万円