2022/10/17 美浦TC
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レース後、今後について手塚調教師と協議した結果、本馬を引退・繁殖入りさせることにしました。本馬は昨年の9月にオープンクラス入りを果たしてからは、苦戦を強いられています。マーメイドSこそ善戦したものの、ここ2戦のクイーンS、先週(土)府中牝馬では良い状態で臨むことができたにもかかわらず、2桁着順という結果に終わりました。レース内容にも見るべきところがなく、加齢による衰えを否めないところです。このまま現役を続行したとしても現役期限に定められている来年3月末までに結果を出すことは難しいと判断して、引退という決断に至りました。本馬はデビュー戦の直後に骨折が判明しましたが、復帰を果たしてからは堅実な出世街道を歩んでくれました。小柄な牝馬であり、出走態勢を整えるのに苦労する面はありましたが、ほとんどのレースにおいて、きっちりと力を出してくれたと思います。このような愛馬との別れは、出資会員の皆様としても残念なことと存じますが、何卒ご了承賜りますようお願い申しあげます。
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【サンデーサラブレッドクラブより、公式HPの近況レポート等の転載につき、許可を受けています。】
このタイミングでの引退決断には驚きました。が、近走の成績からすれば、スパッと引退するのも妥当な判断だと思います。良血馬ですし、血を繋ぐ役割も非常に重要です。無事に牧場に戻すことを一番に考えた判断とすれば納得することができます。
ゴルトベルクのこれまでを振り返ってみます。デビュー戦は府中で観戦しました。マーフィー騎手を背に一番人気でのデビュー。パドックで見た小柄な馬体を良く覚えています。結果はルーツドールに突き放されての2着でしたが、内容はまずまずで、次こそはと期待したところでの骨折。半年の休養を経て復帰戦となる7月の福島で初勝利を挙げてくれました。そこから1勝クラス、2勝クラス、3勝クラスと勝ってオープン馬へ。コーナーでの加速が苦手なタイプで、本質的には府中向きの馬だったと思いますが、福島コースでの未勝利勝ち、中山コースでのレインボーS勝ちと力のあるところを見せてくれました。ベストバウトはレインボーSかな。届かないと思わせたところからゴール間際での強襲には痺れました。
手塚厩舎は初めてでしたが、ゴルトベルクを通じて感じたことは、この厩舎のレースへの期待度は起用する騎手でハッキリ分かりますね。ベタ過ぎるくらい。その意味では分かりやすいなと。そして触れておきたいこととして、ゴルトベルクの現役生活の中で納得できないことが何度かありました。一番不満だったのは中山牝馬Sの選択とレースまでの臨戦過程です。どう考えても放牧で仕切り直した方が良い状態で、レース前から放牧に出した方が良いと思っていました。ましてや苦手な中山コースです。なぜあの状態で使ったのか。休み休みしか使えない馬なのに、そのせいで得意の府中開催も使えなかったし、不十分な状態で使う理由がどうしても理解できませんでした。中山牝馬Sの出走だけはどうしても納得できない。今でも不満です。手塚厩舎はトップ厩舎だし、スマートなんだけど、時々、ん?ということがあった印象です。
ゴルトベルク自身は小さな馬体で本当に良く頑張ってくれました。結局馬体が大きくなることなく最後まで420kgそこそこでしたね。パドックでの片足を引きずるような独特な歩様(故障しているんじゃないかと一部で噂になったことも)、クビの高いフットワークと個性ある馬でした。願いは重賞の勲章を手に入れることだったけど、それは欲張りというもの。オープン馬になってくれたこと、それは本当に凄いこと。立派です。ご苦労さまでした。産駒を楽しみに待っています。ありがとう、ゴルトベルク。エアグルーヴの血統に出資できてワクワクしました。感謝。
ゴルトベルク(牝5)
父キングカメハメハ
母グルヴェイグ(ディープインパクト)
2017年02月18日生まれ
ノーザンファーム生産
美浦:手塚貴久厩舎
13戦4勝 4-2-1-0-0-6
2020/07/11 3歳未勝利(戸崎圭太)
2020/10/11 3歳以上1勝クラス(戸崎圭太)
2021/5/16 テレ玉杯(C.ルメール)
2021/9/19 レインボーS(戸崎圭太)