不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Morandi e Renzo Imbeni

2005-05-01 16:09:30 | アート・文化
書かねばと思いつつ、ずっと書かずじまいでいたエントリ。
ようやく。


imbeni

ボローニャの元市長であった
Renzo Imbeni(レンツォ・インベーニ氏)が
若干60歳で逝去したのは去る2月22日。
患っていた疾病の手術を受けたのは昨秋。
その術後の経過は良好だったのですが、
2005年2月中旬に容態が悪化し
そのまま入院、帰らぬ人となりました。

ボローニャ市民から非常に愛されて、親しまれて
市長職には1983年からの10年間就任。
1989年からは欧州議会議員として活躍し、
1994年から2004年までは
欧州議会副議長を務めた経歴の持ち主。

政界でも非常に信望のあった人で
葬儀には著名な政治家が参列しました。
訃報をモンテチトーリオの下院で受け取った
Pier Ferdinando Casiniは下院の仕事を中断して
訃報の報告をしたとも言われています。
Democratici di Sinistra(左翼民主党)のFassiniからは
イタリア民主主義、及び左翼は重要な人物を喪失した
というコメントも出されていました。

モデナ出身ですが、ボローニャ大学で経済学を専攻して
そのままボローニャに拠点を移しています。
1944年10月12日生まれの
インベーニ氏が大学生であっただろう1964年に
ボローニャをこよなく愛した近現代画家Morandi(モランディ)が
この世を去っています。
それから考えると
この二人が個人的に面識があった可能性は
非常に低いと思いますが、
モランディの妹とは面識があったようです。
実際モランディの最後の遺族として残った末妹の意思で
ボローニャ市庁舎内に
Museo Morandi(モランディ美術館)が作られたのは1993年。
このモランディ美術館の設立を推進したのが
他でもない当時市長職にあったインベーニ氏。

この美術館設立の際の約束として
「モランディ美術館は市庁舎内から移転はさせない」
という項目があり
インベーニ氏は最後の最後まで
この一点を気に留めていたといいます。
ボローニャ市長が変わり市の政策が変わっていく中で
この約束が蔑ろにされないよう。
現ボローニャ市長にも
口頭だけでなく文書にてその意向を確認していたといいます。

モランディに関する取材の最中に
この偉大な元ボローニャ市長の葬儀を迎えたのも
きっと何かの縁だったのだと思います。

というわけで、その取材の結果が
4月25日より店頭にて確認いただけるようになりました。
新潮社刊
芸術新潮 5月号
geijutsu_shincho_052005

「artshore 芸術海岸」
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