不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Il paradiso in cui si beve i caffe??

2005-05-17 01:32:00 | 日記・エッセイ・コラム
日本での「ゆとり教育」は
子供たちの学力低下などを理由に
終止符が打たれるようですが、
イタリアではどうなのか。

イタリアの教育カリキュラムというのは、
私が知っている限りでは、
日本のそれに比べて、すごぉく「ゆとり」たっぷり。
もちろん私自身に子供があるわけでもなく、
近所の子供や友人の子供にまつわる浅い知識しかないので
個人的な見解かもしれませんが。

そんなイタリアの子供の中には
「ビステッカは木になっている」と思っている子が
結構の割合でいるという記事を読みました。
これは教育カリキュラムとは
関係のない時限の話だとは思いますが。
子供は日々、吸収して学習していくもの。
その日常の中に、真実を伝える場所がなければ、
間違った知識を吸収していってしまうのは自明。
近所に農家があって牛が育って売られていくのを見たり
肉屋さんの奥で大きな塊のお肉を
捌いているところを見学すれば
決して「ビステッカが木になっている」とは思わないでしょう。
でもそんな機会に恵まれる子供は少ない。
実感できないことを
子供は真実としてなかなか受け入れられないのでしょうね。

同じようなレベルの話ですが、
イタリア人の子供の22%が
「天国とはコーヒーを飲む場所」と
大きな勘違いをしていることが明らかに!
もちろん常識的な大人にだって
「天国」を見たことがある人は
ごく一部の特殊な人(笑)を除いては
そう多くいるわけではない。
でも少なくとも、大人だったら
天国は「コーヒーを飲む場所」ではない
という知識は持っています。
これは書物などによって様々な形で知識を吸収した結果。
まぁ、天国なので、コーヒー飲んでもいいのですけどね。

しかし、今のようなテレビからの情報が氾濫する状況で
しかも子供のほとんどがテレビを見て育っていると
番組の間に流れるCMの影響は無視できないものになってきます。
上記の結果もCMの影響。

イタリアを代表するコーヒーLavazza
ここ数年のこのコーヒーのCMには
Paolo BonolisLuca Laurentiの人気タレントを起用して
「天国」編が繰り広げられているわけです。
これを日々見続けた純真な子供は
「天国ってコーヒーを飲むところ」と
思い込んでしまっているわけですよね。

私はCMが悪いとは思わない。
親子でそのCMを見て
そこから会話が成り立たないのがおかしいのですよね。
教育って、本来は
そういうところに存在しなくちゃいけないものだと思うのです。

Lavazzaのサイトトップページから
「Company」「100 anni di Comunicazione」「2000-2003」
とたどっていくと、ここ数年のCMのコーナーに移ります。
このページの左のほうに「Video」アイコンがあるので
それをクリックすると動画で「天国」編のCMが何本か観られます。


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