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アラシャン通信(オイスカ阿拉善砂漠生態研究研修センター便り)

阿拉善からウズベキスタンのシルクロードの砂漠化防止活動配信。肉体疲労、更年期、男女不妊には日本最濃の薬味酒、遼伝来福酒!

今年もあとわずか

2019-12-21 18:35:07 | 阿拉善センター関係
2019年、皆様はどんな1年だったでしょうか。日本では忘年会で賑やかな頃と思います。今年を振り返る暇はまだないのですが、ここは成功した、ここは失敗した、もっとこうできたかななど色々な反省点の日々です。考えていても時間は進んで、次回気がつくと大晦日になっているかと思いますが、今日は暖かく、小屋の外に出ると、3羽のキジが飛び立ちました。静かなセンターです。冬支度をし、来年度計画を立てています。夕焼けを見ていると、今年も無事に過ごせてよかったなあと感謝です。
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草食動物は偉い

2019-11-11 10:16:30 | 阿拉善センター関係
立冬が過ぎ、時々雨まじりの雪が降ったりと冬に近づいてきました。センターに時々ラクダが遊びにきて柵の外から柵沿いの木の葉を食べるのですが、最近改めて気がついたことがあります。それは草食動物は植物と人間の間を取り持ってくれている動物だということです。性格も植物を食べているために、攻撃する必要がないためおとなしい。白やぎさんの歌があるが、ヤギは紙を食べることができる。体内にリグニンを分解してエネルギー転換できる酵素を持っているからだ。人間は残念ながらアミラーゼの酵素を持っていてデンプンをブドウ糖にしてエネルギーにはできても、リグニンを分解するキシロースなどの酵素を持っていない。トウモロコシのデンプンからバイオエタノールにすることは、人間の食糧に競合するために、リグニンを分解して取り出そうという研究がされているが、設備などにコストがかかる。おまけに日本では、特定アルコールとしてさらに高い国庫負担金を支払う必要があるので、この制度がなくならない限りバイオエタノールは普及できない。コストをかけずに体内でリグニンを分解してエネルギーを取り出して生きることができる草食動物というのは、改めて偉いなあと思う。そして、それを放牧という生活に巧みに利用してきた遊牧文化もすごいと思う。
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虹の橋

2019-07-25 22:08:54 | 阿拉善センター関係
今日は夕方に見事な虹が出てきた。思わず見とれてしまったくらいくっきりとした虹でした。昨日も砂嵐があった後に虹が出たのだが、ここ数日は夕立が多いです。ちょうど大地が乾いた頃に雨が降ってくれるのでありがたい。
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野良犬救済

2019-07-23 22:13:55 | 阿拉善センター関係
アラシャンは近年、これまでの平屋の家を壊してマンションを建てている。建設ラッシュだ。相場は100m2で30万元(480万)〜40万元(640万)くらい。これを月5万円くらいの人々が借金して購入している。破産したらどうなるのだろうか。それはさておき、平屋が壊されてマンションに住むしかなくなった人たちは、これまで家で飼っていた犬を手放してしまう。そのために町にはかわいい野良犬たちがあふれている。これを何とかしなければならないとボランティアの愛犬家たちが立ち上がり、町外れに野良犬救済センターを作った。ここに行くとたくさんの犬たちが出迎えてくれた。お金を寄付する人もいれば、いらなくなった布団を持ってきたり、食堂の残飯を持ってくる人もいる。400頭あまりの犬たちが保護れていた。経営は何とか寄付でやっていけているという。ウェイチャットなどからの寄付もできるため、こうした政府では対応できない部分を民間でうまく対処している。日本はこうした点では殺処分してしまうため、町には野良犬はいないが、犬も命だ。どちらがいいのか考えてしまう。
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塩害問題

2018-07-11 08:04:10 | 阿拉善センター関係
今年はアラシャンも干ばつの1年になりそうだ。雨が降ってもすぐに止んでしまう。その反面、日本では大雨の被害報告がニュースで飛び込んでくる。雲がこちらに一度でも来てもらえればと思う。ただ乾燥地では雨が降ればいいというものでもない。乾燥地・半乾燥地の土壌の下には花崗岩質の土壌が多く、そのミネラルが含まれているため、実は水さえあれば作物がよく育つ。そのため世界の農地の約3億ヘクタールのうち約44%の作物がこうした半乾燥地にて作られている。それにより食糧問題が今はまだ表面化されていないために出て来ていない現状があるが、実は解決されていない。それどころか、この半乾燥地にて今、問題になっているのが塩害の問題である。農地の4割は灌漑農地である。乾燥地や半乾燥地の水の流れは日本などと違い蒸発量が降雨量よりも多いため、灌漑水により土壌中に含まれる塩分が水によって地表に集まってくる。私たちはこの塩害問題にこれまで取り組んで来た。中国でもウズベキスタンでも今、困っているのがこの塩害により耕作放棄されている現状である。日本の耕作放棄地とは違う問題がここにある。千葉大野土壌学研究室でこの問題に取り組んで来たが、最近は特にこの問題についてお願いされることが多くなって来た。もしこのままほっておけば、2030年には問題が表面化されてきて30年後には世界の農地の半分は塩害でやられてしまう。そのため今解決しなければならない急務の問題になっている。この問題の解決の鍵として遺伝子組換え作物研究が進んでいる。しかし、この方向での解決だけでは問題の本質の解決にはならない。人間でいえば薬を打ったり体質改善という方向であるため、一時的な解決に繋がっても塩類集積が進むにつれてやはりダメになってしまうだろう。他にリーチングという方法がある。これは水のあるところで有効である。しかし、その後がいけない。リーチングした後の塩分を集めていないために逆に拡散している状況である。このあたりは日本の膜メーカーあたりなどで協力して各農地に塩類集積設置などを設置すれば解決できるかもしれない。では水の制限があるほとんどの場所はどうしたらいいだろうか。一つの解決策としてアラシャンで発見した藍藻AL-Sが有効であることが分かり、学生たちが真剣に取り組んでいる。他にももっといい藍藻が今後発見されると思う。これを培養して撒けば、土壌のpHも下がる。ここまでは分かった。ただ乾燥地では雨が降らず藍藻もすぐには増えてくれない。この部分の解決が急がれている。大雨が降ると土壌中の藍藻が一気に増えて土の表面をよく観察するとうっすらと緑色になる。普段は見えなくても雨が降ると一気に増える性質はあるのだ。このあたり目の前に解決できるまでは来ているが、あと一歩が本当に遠いなと感じる。
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アラシャン通信移行しました

2018-04-01 11:54:52 | 阿拉善センター関係
これまで長きにわたりブログを読んでいただきありがとうございます。
こちらに移行しました→ http://blog.goo.ne.jp/stopthedesert
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食糧飢餓撲滅に向けての研究

2018-03-08 12:46:00 | 阿拉善センター関係
世界では現在、約8億人あまりの人々が飢餓で苦しんでいる。それらの地域は大抵、半乾燥地や乾燥地の植物が育たないようなところに住んでいる。ウズベキスタンでも井戸を掘り植林を村の子供たちと行った際に、子供たちはバケツの水を美味しそうに飲んでいた。その時はあまり分からなかったが、1日バケツ1杯の水で暮らしている人々には植林の水さえも貴重だ。さて内モンゴル阿拉善のセンターでは毎年土壌改良の実験を行なっている。砂漠で一番重要なのは水であるが、そのためには保水できるような土壌に改良する必要がある。もし砂漠でも土壌改良ができ、少ない水で食糧としてのトウモロコシや大豆、ジャガイモなどができる将来を考えるとワクワクする。しかし植物がなく有機肥料を投入しても分解するバクテリアもいないためほとんど分解できない砂漠では水もそうだが肥料がなければ作物は育たない。有機物を投入したからといって植物は育たないのだ。木や作物の根は有機物にバクテリアが介在して無機質に変えてくれることで吸収することができる。そのような中でも窒素固定するシアノバクテリアは有望な肥料になるために注目されている。ただ本当は砂漠でも有機肥料を入れたいのだが、バクテリアがほとんどない場合は薄めた化学肥料入りの土壌改良剤を投入するのが今のところ一番効果的だ。試行錯誤して10年あまり、今年も試作した新型土壌改良剤を投入する時期が来た。もしうまくいけば、きっと将来、世界の食糧問題が解決できるだろうと言いつつ何年経っただろう。。。
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センター灌漑工事

2017-05-17 15:45:25 | 阿拉善センター関係
センターの灌漑工事に着手している。理由は「人手不足」ほっておいた方がいいか悩んだのだが、先日、ある人の一言で火がついた「何?このセンター?」10年前は立派だったのだが、恥ずかしいくらい古くなってしまっている。冬は-20℃、夏は40℃の砂漠の風や照りつくような太陽の元では信じられないくらい劣化が進む。しかし直すにしても費用がない。先日、ものはない方がいいと思ったゆえんだ。ただ、将来、センターがボロでもこの場所が緑で美しくなれば、町の人も喜ぶだろう。そこで、悩んだ末に、水やりを自動化しようということで地下の灌漑パイプ466m埋設工事を行い、そこから約1kmの長さの地面のパイプに繋げ、そこから点滴灌漑パイプ、約8000mを繋ぐ大工事をすることにした。そして砂で詰まらないように遠心型の濾過器を設置する計画を作った。専門のところで見積もりを作ると「6万元」と算出された。「仕方ない、自分たちでやるか...」ようやく地下のパイプ設置が終わりました。まだまだ先は遠いです。砂地をショベルカーで掘ると、どこまでも「砂、砂、砂...」時々崩落する。それをスコップで掘り。。の繰り返し。改めて思ったのですが、このような砂地ではいくら水をやっても点滴などで少しずつやらなければ、「砂漠に水をやる」ようなものだ(実際に砂漠に水をやっているのがおかしい)。せめて粘土質の部分が少しでもあればと恨めしく思ったり。体力が続かず、思っていることがなかなかできなくなってきています。
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ブラザー中国植林

2017-05-12 20:45:14 | 阿拉善センター関係
9日から12日までブラザー中国の加藤董事長をはじめとして職員の方、陜西師範大学や上海交通大学の学生も含めての31名がアラシャンに来て下さり、梭梭5000本の植林を行いました。また翌日にはセンターの灌漑工事のための管運びを手伝ってもらいました。ありがとうございました。今年は学校の課外活動が認可制になり、決まったのが最近だったので協働植林ができないのが残念でしたが、地元においての砂漠化防止教育の大切さは理解してもらえると思っています。上海交通大学の学生の方からも、私たち大学生も研究活動に参加したいという嬉しい言葉を頂きました。こうした砂漠化防止の活動は一人ではできません。たくさんの方の参加によって実現に近づきます。この活動はウェイチャットによって配信され、また北京からも緑化の雑誌記者も来られ発信してもらう予定です。
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砂嵐が来た、友人が来た

2017-05-05 10:40:31 | 阿拉善センター関係
「今、ちょうど銀川まで来ている」携帯に連絡が入った。20年来の朋友の上海の写真家のテイさん、ちょうど砂嵐も来襲した。銀川まで2時間を砂嵐の中、車を飛ばして会いに行く。このようなところまで何で?と聞くと、ちょうど上海の日本人学校の中学校の修学旅行が今年から銀川になったということだった。せっかく銀川まで来たのであれば、阿拉善で砂漠を見て植林をしたらいいのでは?と思ったのだが、銀川の沙湖に行ったそう。とても楽しい時間だった。楽しい時間はあっという間だ。帰りは砂嵐に見送られるように戻った。今日は快晴だ。
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