アラシャン通信(オイスカ阿拉善砂漠生態研究研修センター便り)

阿拉善からウズベキスタンのシルクロードの砂漠化防止活動配信。肉体疲労、更年期、男女不妊には日本最濃の薬味酒、遼伝来福酒!

あすての森植林

2014-04-29 07:44:30 | 現地情報
25日より3日間、シリンホト・渾善達克沙地にあるあすての森にて、あすて・アイシン精機の職員の方との植林事業に参加しました。ここでは、王蒙志氏を中心として流砂を抑えるために黄柳を4m×4mのマス目にして植林し、その中にマメ科の楊柴を植えました。以前行った場所はすでに砂が固定されていて、土壌に変わってきていました。一人一人の力は小さいですが、こうした活動が中国の市民を動かし、環境回復に繋がってきていることは、新たなモデルにもなっていくと思い、また環境修復への希望でもありました。ありがとうございました。
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中国環境保護部との共同プロジェクトスタート

2014-04-23 18:27:27 | 現地情報
中国では環境悪化の問題が山積みである。その中で、中国民生部が資金を出して環境保護部の環境文化促進会とNGOのオイスカが協力し阿拉善の砂漠化防止(生態修復貧困削減)を行うことに決まり調印式を行いました。オイスカが農牧民に参加を呼びかけ技術協力を行い、生態環境を修復していくという長期のプロジェクトになります。参加者も延べ人数4000名になる予定で、かなり大きなプロジェクトになる予定。ただ、日本の2/3の面積に分散して住んでいる農牧民たちに技術を教えうまくコーディネートしていかなければならない。言うは易し行うは難しです。このプロジェクトは事業費の全てに中国側が資金を出すという形になります。日中関係の悪化の中で、締結に不安がありましたが環境に国境は全く関係ありませんでした。これから、たくさんの方の参加や協力、動員がぜひとも必要になりますが、将来の環境保護部のモデルプロジェクトになるように共に全力で取り組もうということで握手を交わしました。
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砂漠葱

2014-04-17 06:24:55 | 阿拉善センター関係
「今年も厳しい」が続いて藻掻き続けている。プロジェクトを続けていくには、プロジェクトの結果を出すために活動費から研究費をどこかで調達していく力が問われる。この調達がなかなか難しい。現地政府に行くと「ひとついいプロジェクトがある」という。「何...何?」「砂漠ネギを作らないか?」その視点はなかった。砂漠葱(蒙古ニラ:野葱 A.mongolicum Bgl)は、菌根菌が共生し、リン酸を植物に供給する。播種でいろいろと試したが、栽培が難しかったので除外していた。ただ、一度根付くと一気に種子を出して天然更新する。発想はいろいろなところで繋がっていくので(ブログもその一つで書いているが)ぜひやりたいですね。というと、とんでもない答えが返ってきた。「100万トン欲しい」1トンでさえもどうかというのに、いきなり100万トンである。政府が買い取り保証もしてくれるという。「何に使うのですか?」製薬メーカーが、1トンから数グラムしかとれない成分を薬にするという。それはきっと高価な薬になるに違いない。ただ、さすがにそこまでの量を作るのは難しいし、大型プロジェクトというのは概して、プランテーション的になりやすく、参加した牧民も結局は足元をみられて格安で買いたたかれておしまい。というパターンをこれまでも多く見てきた。ただ、経済的に間作として植えるには、土壌改良や表土保持の効果を考えてもいいかもしれない。そのような薬に使うのはもったいない。これは薬味としての利用の方がおすすめだ。この味付けをしたネギの試食をした。これを入れて作った餃子はどんな味の餃子、日本の餃子などよりもとても美味しい。面白かったのが日本人と現地の人では味覚が違うことだった。特にすっぱいのは苦手らしい。砂漠葱に味付けとしてダシと麹を入れたものがとてもおいしかった。
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ソウソウの植林

2014-04-16 18:07:01 | 阿拉善センター関係
今年は10万本(60ha)のソウソウの植林を行っている。それでも点にしかならない。このあたりは、かつてはソウソウの生える疎林草原であったが、今では乾いた大地が広がる。そして、牧民にとっても気の遠い一歩ずつの作業だ。かつての住みやすい環境を取り戻すには、破壊した何十倍もの労力がいる。そして、この厳しい状況に対し、かつての環境を取り戻したいという熱意のみが彼らを動かしている。ただ熱意だけではうまく行かないのが自然の厳しいところだ。基本の指導を忘れると、当然のように苗木を日光にさらしたり、水をやらなかったりする。また植えれば根付くと考える人もまだまだ多い。ようやく苗木が根付いたとしてもすぐには経済的な収入にならない。最低でも6年はかかる。この間、環境を守り育てる情熱を維持していくだけでも大変だが、最近では、林業局も500ムー以上で7割根付いている所に対して、1ムーあたり90元の公益林補助を出して支援を始めてくれている。この流れが大きくなっていけばいいのだが、こうした地味な試行錯誤はまだまだ何十年も続く。これから100年後には、この場所はどうなっているだろう。つくづく人間の小ささ、私たちの生きることができる時間の短さを感じる。
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黄柳草方格

2014-04-15 10:02:21 | 現地情報
シリンホトの王氏のプロジェクト地にて。ここでは内蒙古東部に生える黄柳という多年生灌木を利用して防風処置をして間にグミ科の沙棘やマメ科の寧条、楊柴などの窒素固定する樹種を植えて土壌の回復を図るとともに砂の流動を防いでいました。数年たつと砂が土壌に変わっていく様子も見ることができました。ただ、高さが20mほどの場所は難しいようで、あくまで低砂丘周辺の拡大防止策として有効であるようです。このような流砂を防ぐことがまずは大切だと王氏は話していました。
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センターピポットから

2014-04-10 21:09:52 | つぶやき
飛行機からみたセンターピポット。400mから800mの大きさのセンターピポットが並ぶ。このセンターピポットでは、土壌中の塩害がひどくなり数年で放棄されたりというところが多い。アメリカでは20年以上前からこうした問題がすでに起こっているが、こうした歴史を学ぼうとはせず、目先の経済を優先している。砂漠化の問題というのは過放牧ともに、こうした農地利用の失敗による荒漠化という影響もかなり大きい。今年の春はまだ雨が降らず、横にある河川から水を引いている。そして、こうした河川の水の奪い合いも起こっている。現在の中国は土壌から河川から大気からすべてが環境保全を無視した利益優先の経済のために、すでに時遅しというほどにメチャクチャに破壊されてしまっている。この破壊されてしまった国をどう修復したらいいのか?尖閣諸島や南沙諸島の問題をいう前に、自分の領土の環境保全の方が最優先であると思うが、残念ながら、こうした拡大主義に反して、中身は修正不可能というほどに厳しい状態であり、それでもないものねだりと経済優先の趨勢はまだまだ続きそうだ。
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王蒙志氏

2014-04-05 21:34:02 | つぶやき
清明節から植林が本格的に始まる。シリンホトの王蒙志氏という同士が同じ内モンゴルにいた。旅行社の社長を辞めて砂漠化防止活動を「アミダの森」というNPOの森の番人として日本人の来ないこの時期も踏ん張って現地で格闘して頑張っている。現在、日中関係が悪くなっているが影響を受けつつも、目先のことではなく、友好のため、将来の地球のために頑張っている人がまだまだいるということをぜひたくさんの人に分かってほしいと思う。清明節という日の不思議な巡り合わせに感謝でした。
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OKエアー

2014-04-04 23:04:55 | 現地情報
アラシャンから呼和浩特まで飛んでいる飛行機に乗った。奥凱航空「OKAIR」オッケー航空である。この飛行機もやはり幸福航空と同じ神舟60型だった。前日は天候が悪く飛ばなかったりと、小型の飛行機だけあって全然OKではない。OKと言われると「ほんとうに大丈夫か」と思ってしまう不安があるが、片道150元+燃料代50元+保険20元、220元はバスと同じような値段で、かつ早く着きこれまで以上に快適だ。
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増税対抗に「モモ」を読もう

2014-04-01 06:30:47 | 阿拉善センター関係
今日から4月に入った。1月からのスタートと違って、心機一転、区切りの時期がきた。それに合わせて日本からは消費税が5%から8%に上がったというニュースが入った。昨夜、センターの図書室でモモという名作を読み返した。ここには時間泥棒の話が出てくる。灰色の服を来て灰色のカバンを持った時間泥棒は気がつかないうちに人の心に入り込んで来て、「無駄な時間を減らすために効率を上げよう、時間を効率的に使おう」とささやく。そして、人々をお金と同様に時間までも効率化し奴隷化する。子供は気がつくが、大人は気がつかない。そのうちに時間がない、時間がないとなり、人々の笑顔がなくなり、怒りっぽくなり、サービスも効率で減らし、町も効率を考えて画一的になり、ゆったりとした時間を持っていた人々が、機械のようになってしまう。そして時間泥棒に時間を取られた人々はますます幸福から遠ざかって行くというお話だ。これも以前のお金によって縛られてしまうのと同じく、今回の消費税増税分、ますます生活が苦しくなり、人々をますます不幸に陥れるシステムだ。ただ、その分、”物質的な無駄”を見直し(精神的な無駄は増やそう)使わないように調整をすればいい機会でもある。そしてゆったりと使わない生活というのもいいのではないかと思う。ぜひたくさんの大人に「モモ」を読んで欲しい。消費税増税に対抗するのにもっともお値打ちの本である。
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