アラシャン通信(オイスカ阿拉善砂漠生態研究研修センター便り)

阿拉善からウズベキスタンのシルクロードの砂漠化防止活動配信。肉体疲労、更年期、男女不妊には日本最濃の薬味酒、遼伝来福酒!

一年を振り返って

2008-12-31 01:25:11 | 阿拉善センター関係
毎年大晦日になると、「もう1年経ってしまったのか」と繰り返し振り返る。そして、来年こそは!と気持ちを新たにする。反省の時間にあてるようにしているが、いつもこうすれば良かった!ああすれば良かった!という事ばかりだ。そして時間は止まる事なく、だんだんと加速している。きっと年が明けてからも、あっ!という間に1月も半ばという状態なのだろうなあ。年末はあまり明るいニュースもないのだが、そういう時は足元の輝いている小石を見つける時なのかもしれない。一見すると価値もなく、何でもいいものなのだけれども、そういった事に目を向ける良い機会だと思う。ニュースを見ると中国でも工場のリストラや大学生の仕事探しなどが出ているが、片や阿拉善の現地では人手不足の仕事も多い。過度に沿海部地域の偏った発展の部分が揺れ戻しで農村にも人が戻り、少しは活性化するのかもしれない。ともかく、今年も無事に過ごす事が出来てありがたい。
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ラクダの縫製教えて

2008-12-22 00:29:30 | 阿拉善センター関係
昨日、元スタッフのバイアルが遊びにきた。「最近はどうだい?」彼は優秀なスタッフが為に政府にヘッドハンティングされ、出世し、今では政府のトヨタランドクルーザー4500に乗っている。そして村で書記の下で働いている。その書記も29歳で村長までのし上がった優秀な書記なのだが、清潔の為に出世できずに17年間、村長のポジションのまま幽閉されている。スタッフが出世して偉くなるのを見るのはうれしい。しかし、彼の村は僻地の貧困村で若い人はほとんどいない。産業も行き詰まっている。ラクダの毛が売れないか?という相談だった。村には何千頭ものラクダがいるのだが、ラクダの高級な毛もほとんどが肉代にしかならず、安く買いたたかれているという。又、村にラマ教のお寺があるのだが、その周囲は荒涼としていて植林をしたいということだった。ラクダの毛は中空でとても暖かく、ズボンや布団には持ってこいです。何とか縫製技術を教えてくれませんか?ラクダの毛をうまく縫製する方法はあるだろうか?
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くさった問題

2008-12-21 22:24:43 | つぶやき
ひらがなで題名を書かなければならないか?という深い問題は知る人のみぞ知る(フィルターの為)さておき、くさった問題について。先日のラクダ事件もそうなのだが、結局に轢いた犯人は捕まった。その後が深い~問題なのだ。これがこの国の発展を阻害する一番の大きな問題だと常々考えている。発展途上国と呼ばれる国では恒常的な問題なのだ。まず警察が費用を請求してくる。手間賃という名目だ。今回も2000~3000元を請求してきた。その後も食事会をして警察を労わなければならないという。こういった問題のため、スタッフの表情も暗い。もちろん轢いた側も、本来はひき逃げということで牢屋に入ることになるのだが、この国ではお金さえ渡せば即日釈放される。もちろん、轢いた人はお金持ちのトラック会社だったので、数万元を支払って即日釈放されたらしい。ラクダ代が5000元/匹としても割が合わない。誰が一番得をしたのか?本来は仕事であるはずの警察だ。双方からお金をむしり取る。もちろん彼らのポケットに入る。こうした事についてどう思う?と聞くと「仕方のないことだよ」こうした事が警察に限らないのだ。先日の町にできたライトの工事といい、すべてにこうした事が絡んでくる。諺で「きれいな池に魚は住まない」という言葉がある。多くの人がこうした習慣を嘆いている。こうした不公平な部分がまだまだ残っている。それを「仕方がない」と問題意識として捉えない。アンテナの感度が低いというのか、事なかれ主義なのか。本当にむなしい。そして、今日もテレビではこうした事を取り上げることもなくありきたりの表面的な”いい”ニュースを流している。(写真はシバイ犬:犬の方がエライよ)
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天然ガス自動車へ改造

2008-12-21 21:58:22 | 阿拉善センター関係
今日は車を天然ガス自動車へ改造した。もちろん公道は走れるし安全性もお墨付きだ。来月からはガソリン代に養路費という要するに税金が1元/L余計に掛かる。最近のガソリン代値下がりによって昨日から6元/Lだったのが1Lあたり1元程安くはなっているのだが、それにしてもここ阿拉善では1日200km走るということは普通の事なので、とにかく交通費が掛かる。頭が痛い。ポンコツ車を指して「一番給与が高い人はこの車だよ」と冗談にもならないくらい大きな問題であった。そこで考えたのが、環境にもやさしく、燃料代も安い方法だ。バイオディーゼルの導入も考えたのだが、現実的に考えるとまだまだ時間がかかる。そこで検討したのが天然ガス。日本ではタクシーに使われているものだ。まだ天然ガススタンドもバインホトの町に1軒しかないのだが、コストが1/3になる魅力には代えられない。これまで銀川という町を往復(200km)するのに約200元(3000円)掛かっていたのが、改造することで60元程(1000円)になる。もし天然ガススタンドがない場合はガソリンでも両用で使えるようにした。1日かけて改造。走りは坂道で少しパワーが落ちるものの、普通の走行では全く問題は感じられなかった。ぜひ天然ガス車の導入をお勧めする。日本でも一般車に普及しないかな?
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シャケの生き方(不景気を挽回しよう)

2008-12-20 19:29:50 | つぶやき
今は現地でタンパク食料確保の為、養殖魚の導入を考えている。そんな中、ちょうどシャケを調べていたらシャケというのはすごい魚だ。それも本能だからすごい。なんて、最近は頭がなかなか働かない。何を書いているんだか?川の流れと同様、頭の良さも年齢に比例するなあと思ったりする。若いうちは川の上流にいる状態なので、急流の川の流れに沿って降りてこればよい。しかし、青年から中年に入ってくる、川でいう中流域にさしかかった頃に、鮭のように頭を上流に向けて逆行することは相当のエネルギーを要する。ましてや上流部分はとても勾配がきついため、普通の努力では、川の重力エネルギーに流されてたどり着くことができない。人はこういったリスクを抱えて、いろいろとチャレンジしていく。でも段々と体力や能力というのは坂道を下るように衰えてくる。そこで普通はバトンタッチすればよい。会社では管理していく仕事に移り、体力や能力のある若者に仕事を任せていく。こうして、中流から下流へとだんだんと緩やかな勾配で能力を落として行くことができる。しかしここからが勝負だ。自分は鮭だ!こう言い聞かせて、飛行機で言う滑走路に入る時になって逆噴射をかける逆行の道をスタートする。人間、能力というものは限られていることが分かるようになってくる。そうなると、早めに自分を守ろうと俄然、保守的になってしまう。安定した職業に着くと、その傾向は強くなるのかもしれない。安定したが故に社会を考える事ができ、社会の為の仕事ができるのだ。その点、自分が飛び込んだNGOの仕事というのは相反している。逆なのだ。自分が不安定だからこそ、オオカミのように心をかき立て、問題とは何かを考えることができる。そして社会の為の仕事を行うことができる。ただ、実行するには、精神的なエネルギーが不可欠なのだ。NGOには精神的な部分や意義的な部分が大きくなるのもこうした状況と無関係ではないかもしれない。(本当は食べて行けるようにしないとだめだだよな)ただ、社会が豊かになってくると、こうした不安定な仕事というのは問題というエネルギーが少なくなって行くことで、段々と供給できなくなる。そして自然淘汰されていく傾向にある。NGOの仕事が海外に向かって行くのも、日本国内ではもはやこういったエネルギーを供給する場が少なくなったからなのかもしれない。こうして世界的にNGOの触媒作用によって社会の格差や不正が是正されていくのだと思う。NGOの仕事を客観的に見て行くと、問題があるからこそ活動できるのだ。よく、自分が不安定であるのにどうして社会の為の仕事ができようか?と言われるが、このように問う人は、大抵自身が安定している為に理解することができにくいだろう。ただ、陽と陰があるように、必ず反したものがあってこそバランスを取る事が出来る。全員が安定してしまっては、社会の健全な安定はできないのだ。よく活力ある社会と言われるのだが、この言葉は安定した社会には矛盾している。活力と言うものは不安定だからこそ出てくるものなのだ。今居る中国を見ても、活力ある社会のエネルギーで満ちている。なぜなら不安定だからこそ、隙間のチャンスを狙う輩が多く動き回り活力のエネルギーを生み出す。こうした不安定さがなければ活力も出てこないのだ。そう考えると今の不景気も悪くないと考えられる。逆の発想で考えれば活力を作るチャンスだと考えられる。こうした不景気に乗じてたくさんのチャンスが生まれる。波があるからこそ社会があるのだという考えになれば、今は底なんだ!という我慢も生まれ、将来に対する希望も生まれる。安定した社会になれば活力が失われて行くのも当然だからだ。例えば、研究にしても、詰った時にすばらしい研究成果が出る事がある。安定した所では、意外な結果というものは出にくいのだ。その為に、自分をあえて不安定にしなければ、面白い研究はやりにくい。そして、すぐれた結果も出す事ができないのだ。人生というのはチャレンジだ。失敗する前提であってもチャレンジする中で、鮭の数匹が見事上流にたどり着き卵を落とす事が出来るのだ。確率で言えば1%もないだろうが、不景気の今こそ、シャケのように生きよう。

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ラクダの死

2008-12-19 00:41:45 | 阿拉善センター関係
夜になってスタッフのナレンの近所の人から携帯に連絡が入った。「ラクダがひかれたあ!」家で飼っているうちの2頭のラクダが車に轢かれたという。急に落ち着きなくワタワタとしている。「あーああ」深くため息をついている。何せ、今日はお母さんが牛の搾乳中に首を挟まれて捻挫してしまい、町の病院で手術をしたばかりなのだ。悪い事は重なるものだ。ラクダは驚くと車に向かってくる習性がある。だから運転している時、ラクダが道の脇で水を飲んでいたりするときは必ず徐行しなければならない。これは人にも鹿にも言えるが要注意だ。人のふらふらと自殺行為?で横断してくるのには慣れたが、ラクダの行動は予測がつかない。いきなりちらっと目が合ったと思うと走って飛び込んでくる。一瞬、ラクダも自殺するのかと思ってしまう。こちらには動物注意はあっても”ラクダに注意”という看板がないので(ぜひ作ってほしいのだが)特に外地から来た人はそのままハネてしまう。人間でいうと驚いてドジを踏むタイプかもしれない?「轢いた車はそのまま逃走したらしい!」すぐに警察へ連絡する。こういう時は頼りになる警察。年末は特にボーナスのお金を集める為に、切符切りチームが至る所で、てぐすねひいて待っている。又、こちらの道では隠しカメラが料金所等に付いているので、凹んだ車等をチェックしてもらえば犯人が捕まる可能性が高い。しばらく経って「2台続けて轢いたって!一台はピックアップトラックだ!」どうやら、犯人が分かったらしい。少しだけ顔が明るくなる。なにせラクダを弁償して貰えるかどうかが掛かっているのだ。「これで轢かれたのは5頭目だよ」今は1頭が約4000~5000元するので、2頭だと1万元がすっ飛んでしまったのだ。年収近くに相当する金額があっという間にパアになってしまった。相当ショックだろう。ここから家まで車で3時間かかる。「まずはラクダを回収しないと」動揺しての夜道が心配だ。
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欧州アカマツ

2008-12-18 01:34:25 | 現地情報
先程の建材市場内でロシア産の立派な欧州アカマツを発見。ここまで外材が入ってきている。中国国内では伐採を禁止している為、このような立派な丸太はほとんどが外材だ。内モンゴル西部では二連浩特のモンゴル国境から入ってくるようだ。直径30cmを越える立木丸太がたくさん入ってきている。タイガでの違法伐採の可能性も指摘されている。外材と言えば、東南アジアに目が向きがちであるが、ロシアも今後要注意の地域だ。1m3あたり1700元(2万5千円程)日本のヒノキ以上か、杉の4倍程の値段では、近年海外から日本へ外材が入ってこないといわれるのもわかるような気がする。でも、こちらの一般庶民から見れば、高くて買う事ができない。おかしい?作っている所に行って観察すると、このカラクリが分かった。これには訳がある。この外材を3センチくらいの細い軸にして、その部分を外側にして、それに薄い合板を貼付けて売っている。外側から見ればなかなか立派な板に見える。しかし、中は空洞になっているので、少しでも力を入れてパンチしようものなら穴が開いてしまうくらいのヤワな板なのだった。こうしなければ、値段も合わないよなあ。納得。
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ヘイベール

2008-12-18 01:30:21 | 現地情報
今日は町郊外の建材市場に行く。ここには丸太や建材等がたくさん売っているので、時々アサリに行く。ちょうどエミュー小屋の敷ワラがなかったので見に行く。「あった、あった!」奥に稲ワラの1個15kg~20kg程の重さのヘイベールがたくさん積み上げられている。このヘイベールの作業を昔やったことがある。思い出したくない重労働だ。一週間で筋肉痛が続いた覚えがある。慣れている人は、これをホークで簡単そうにサイロに投げて積み重ね行くのだが、この作業は慣れていない人にとっては地獄そのものだ。今はほとんどがロールベールになっているので、こういった作業もあまりないだろう。ここでの値引き交渉は本当に疲れる。最近は異常な物価の値上がりで日本のものの方が安い事が多い。この国の掛け値、騙し合いの市場を憂いながら「これいくら?」と聞いた。案の定「30元!」うそでしょう??日本より高いでしょう??ここから交渉が始まるのだが、ここは田舎町なので、他にないと思うと、なかなか値段を下げない。「銀川でも10元いかないよ」というと、「じゃあ買わなければ」ときた。結局、一元たりとも値引きに応じず。これを飼料にしている酪農家にしてみれば、エサ代がこれほどまでに値上がったら、自分で作っていない所はいくらやりたくてもやっていけないだろうなあと感じる。
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ささやかな楽しみ

2008-12-17 19:25:40 | 現地情報
今日はいいことがあったよ。宝くじを見つめ、にやにやと微笑むおじさん。冬になると宝くじ売り場が賑わう。1枚2元(約30円)の福利彩票と呼ばれる福祉宝くじを買う。今は5元や10元の宝くじもあるようだ。そして、場所によってはパチンコ台の電子遊戯のようなものまである。ロト6+1も人気だ。まずは当たらない確率なのだが、「先週8000元当たった人がいるらしい」「いや、10万元当たった人もいるみたいだぜ」このようなやりとりをしている。本当だろうか?でも、億万長者を夢見るささやかな楽しみのひとコマだ。
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飲水安全問題

2008-12-16 17:48:52 | 現地情報
阿拉善の農村に行くと、よく背中が曲がった人や足を引きずって歩いている人、骨粗鬆症や歯が茶色になっていたり、欠けている人がいる。村の人はそれが水の原因とは知らない。ナレンが、僕の歯が欠けているのはヒマワリの種子を齧ったからだよ!と言う。確かに大体の人の前歯が欠けているのはヒマワリやスイカの種をよくカリカリと前歯で齧っているからなのだが、井戸水による原因という感も否めない。センターでもこういった農牧民が多いので水調査を行う為に硬度計等を揃えた。最高で3.7g/Lの硬化度があるというのだが、さらにひどい所もたくさんある。井戸水を飲む時に注意すれば大体は分かるようになってくる。味は苦くて塩っぱい味がする。こういった所の水は大抵飲めない水だ。さらにフッ素過多だったり、場所によってはヒ素が含まれている所もある。約12%、19000人あまりがこの水の害を被っているという。ちなみにセンターのあるバインホトの水は賀蘭山の天然水で珍しく軟水なのだがこういった場所は珍しい。総額、阿拉善政府も1億4000万元をかけて100%安全な飲み水を提供するそうだ。これが完了すると、これまでの5万3千人あまりに加えて、合計7万人あまりの水の安全問題が解決する。やる事が大きい。不景気でもやはりバブルだ。
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