電気通信大学社会実装センターの研究として伊豆大島に行ってきました。伊豆大島には国内唯一の砂漠があります。内モンゴルやウズベキスタンでの知見を伊豆大島に生かすことができないかということで、町の生産組合をはじめ、生産農家の方々、町長とも面会をしてきました。とても勉強になることばかりで、逆に大島の方が知らない知見も発見できました。この島は火山灰土壌で、椿がとても有名ですが、そのほかにはアシタバが有名で、このアシタバを常食していれば健康長寿が期待できます。このアシタバと共生しているのが、ハンノキでした。ハンノキは火山灰土壌に適しており、ハンノキの生育により日陰を作ると同時に窒素分を供給するフランキア(窒素固定菌)により、アシタバが良く生長できます。ハンノキは、ハン(干)といわれるように、水を吸い上げる力があります。この木が生える周辺は乾燥しますが、実は日本に生えるニクジュヨウは、このハンノキに共生するのです。やはり砂漠の知見が、ここで役に立ちました。いろいろな可能性を秘めた面白い島で、東京からジェットフォイルで2時間で行くことができる点も魅力でした。
レインボースミレが咲きました。日中は温室も30℃を越える程に上がるのですが、夜は-5℃くらいまで落ちてしまう。何とかして燃料を使わずにできないかと考えていたのですが、ネコが温室の屋根から降りて遊ぶ為に、爪でビニールを破いてしまう。温室の温度が直しても直しても、すきまからの空気で下がってしまうので心配でした。そこで電熱線を張ったのですが、電圧が不安定なのか、何度もショートして壊れてしまう。そんな中でスミレがうまく咲いてくれました。
ショクヨウガヤツリの収穫が終わった。大阪トヨタバイオディーゼルプロジェクト2年目で、新たな課題が見えた。このショクヨウガヤツリは乾燥地にも強く、地面にしっかりと根を張り固砂をするこの性質がいい面にも悪い面にもなる栽培種植物である。注意が必要だ。そこで、圃場内にて試験的に栽培している。この葉にはタンパク質が多く、家畜の餌になり、根塊はジュースや油になる。ジュースの味は豆乳を甘くしたような味でおいしいです。課題の一つとして、他にも共通するのだが、鼠の被害だ。昨年はポット苗を植えつけたために被害が見れなかったのだが、今年は直接、播種したために、春先に鼠が播いた所を掘り起こして食べてしまい、約1/4に被害が出てしまった。そこで、ポットにしたほうがいいか?しかし、効率を考えると播種がよい。その場合のコーティング方法の検討、また、今年はこれからディーゼルオイルを作る予定にしているのだが、どのように搾ったらいいか。先日、農業科学院より10tも種子を欲しいという連絡があった。もちろん、そんなにはないのでお断りしたのだが、市場価格も80元強/kgの価格になっており、異常な値上がりだ。それだけ種子の需要も多くなっているのかもしれない。今は、このショクヨウガヤツリからどうやって油を搾るか、来週北京を持って行って試験してみる予定です。うまくできれば、車を走らせたいと思っています。
センターのコックの小韓さんがこのトマトでミートソースを作ってくれた。イタリアントマトは生食用ではなく、炒め用なので、生で食べても、糖度が6くらいであまりぱっとせず、モサモサして美味しく感じられないが、これが炒めると激変する。そして調理によって生食用トマトよりも美味しい味のソースができる。これで作ったパスタはとても美味しい。日本では炒めるトマトも生食用も同じ種類しかないが、このような所で味の違いがあることにはじめて気がついた。別にドライ種のトマトを作っているが、これは干すとうまみが出てくるという。トマトひとつひとつも、人と同じでいろいろな顔をもつ。それぞれに長所と短所があるのだ。
トマトの実が赤く熟してきた。ぽつんと実るトマトの赤い色ははっとする程に深くてきれいだ。ここでのトマトの種子や野菜の種子はほとんど日本やアメリカなど多くの方から寄付してもらったものだ。それも毎年実がなる固定種の種子を分けてもらった。アメリカのアヴィオ夫妻からは上海事務所の小澤さんを通じて頂いたものだが、ここでの活動の状況を知ると、「お金は受け取れません」と言われた。福岡の高木さんや空閑さんからも植えられないほどの種子を試してみてはと送ってくれた。オイスカ専門学校の匂坂先生や富山の大川さん、実は実がなるまでに一つ一つの野菜に多くの物語がある。それだけに、こうして応えてくれる収穫というものはとてもうれしいものだ。
砂漠にて有機トマトを作っている。ただ、連作障害が砂地の場合は土よりも出やすくなるために、変えられるように袋栽培をしている。この方法は昨年、日本でうまファームにて研修して学んだ方法だ。ただ、現地でも手に入る素材に変えて砂漠の砂と羊の糞等を発酵させて作るので、とても甘くておいしくなるのだ。
西洋ミツバチが元気に飛び回る季節になった。蜂が世界中で消えているという。でもここでは一日中、ブンブンと騒いでいる。日陰に入ろうものなら、先にミツバチが来ていて、陣地の奪い合いになる。時々、さまよって部屋に入ってくるが、普通では刺さない。驚いたり、急に刺激する行動を取ろうものなら、一気にやってくる。ここまで何とか飼育が続いているのでまあ吉としよう。でも、蜂蜜を採るのは勇気がいるので、なかなか採りに行けないのが難点だ。
3月に入り、土壌も少しずつ緩んで来ている。忙しい3月がスタートした。ブログもしばらく更新していなかったな。昨年オクラがうまく育ったので、今年もオクラを栽培してみようかと思っている。オクラはアオイ科トロロアオイ属で、アフリカ北東部の乾燥地原産だけあって、乾燥にも強く花もきれいだ。そこで、このレッドオクラ。中国語で紅秋葵という。この種子を入手したが、まさにレッドの色だ。どうしてこのような色になるのだろう?味はそこそこ美味しいということなので、タネを撒いてみる事にした。さて、どうなるか?