今は北京に来ている。この北京に来ると、とても同じ国に思えない。人の考え方や消費行動一つにしても天と地の差がある。でも、この渋滞は勘弁だ。移動は地下鉄に限る。北京でスーパーを回り、値段をチェックする。アラシャンでトマトを売っても、有機栽培というのは外見では分からないため、他のトマトと同じ60円~80円/kgでしか売れない。北京での高級スーパーでは有機野菜一箱だけで約800円/3kgで販売していた。今日は現地で作っている雑草ドリンクを買ってもらうために台湾のWさんと会った。彼は台湾人なので、いつも中国人よりも一歩先を見ている。北京郊外で有機野菜の栽培基地を始め、まだ売れないなあと言いながら、同時にスイス銀行から、このチャンスにすぐにお金を借りてシンガポールの不動産を中国人へ販売する仕事を始めた。日本の銀行ならそういったチャンスでも貸してはくれないだろう。その値段を聞くと、思わずたまげた。1平米あたり11万元、ということは、平均的な100平米では、なんと1100万元(約1億4000万円)もする。買う人がいるの?と聞けば、北京のお金持ちは海外資産を買っている時代だという。83室販売するというが、これでも売り出したら即完売らしい。中国の不動産バブルが弾ける前に、言葉も同じで海外であるシンガポールへ資産逃避させる人たちが早くも出て来ているそうだ。日本でいい所はないかい?と聞いて来た。日本でも画策しているのか?そして、テレビでは、北京大学の教授が、あと5年は安心出来るが、10年後の未来は悲観的だ!と話していた。2000年から2010年までの発展はもう望めないと言う。確かに2030年の未来は、この国はアメリカを抜いてGDP、世界第一位になると言っていたが、その前、2020年には弾けるかもしれない?この教授もバブルを恐れていた。将来は誰にもわからない。
う~ん、とてもいい景色がとれました。砂漠の海はとても広く、そして神秘的だ。ある時は親しい表情を見せ、ある時は恐い表情を見せつける。毎回訪ねるたびに、その時々により、砂の表情も変わる。だからこそ、見飽きないのかもしれない。砂漠を見て何を思うのだろう。砂漠との無言の対話は飽きない。
心配していたことが起こった。集中豪雨による地滑りだ。8月8日の発財の日に合わせるようにして起こった深夜の地滑りは、日が経つに連れて、被害が数段に大きくなってきている。すでに死者、行方不明合わせて2000人、今後、さらに増えてくるようだ。先月、甘粛省から青海省に入った際にも、洪水で道路が遮断されているために、バスが不通となっている区間があり、ドライバーも危険だと行きたがらなかった。数ヶ月じわじわと降り続いて地盤がかなり緩んでいた所に、40分で94mmという超豪雨が降ったのだからたまったものでない。このところ、甘粛、青海、四川、チベットのこのあたりの魔の三角地帯では、地震や自然災害が頻発している。その原因として、急峻な斜面、活発な地震活動に加え、気候の急激な変化、それ以前のインフラの未整備等、いろいろとあるが、今回の原因の根本的な所は、脆弱な土壌にある植生を破壊した人災だとも言われている。法面緑化等は日本の得意分野なので、このあたりの協力について、四川地震の際に話があったが、何せ、広く未整備の土地である。大規模工事を何十年やっても追いつかないだろう。その道もすぐに崩れ、さらに修理を来り返す。毎回、災害になる度に、緊急支援の様子が映し出されるが、根本的な部分を変えて行かない限り、今後も同じような災害が続くだろう。それにしても山津波で数階建ての建物がドミノ倒しのように崩れている状況は昔のインドネシア・アチェでの津波を見るようだ。あの所もマングローブがあって助かった所もあり、やはり植生基盤を作る事が今回のような災害を防ぐ手段だと思われる。
「ダシデレー」青海省の杰桑協会のduanzhiさんと話す機会があった。6月でNPOにて行っている子牛を配って貧困改善を行うプロジェクトが終わり一段落したという。今は地方のチベット族は小学校で自分の民族の言葉を勉強できないので、チベットの村を回って、チベット語の本を作って教えて配っている。「チベット民族なのにチベット語がわからないなんておかしいでしょう?」今のチベット民族は自分の言葉を話せても書けない人が多い。この活動も予算が5万元しかないので、協力して欲しいと切に希望している。もし手伝ってくれるところがあれば連絡ください。こうして自分の言葉という民族のアイデンティティーの文化がここでも急速に失われようとしている。非常に残念だ。でも、こうした中でも孤軍奮闘している人がいるのがせめての救いなのだが。今年は国際生物多様性の年だが、人類の民族多様性も失われようとしている方も実は問題なのかなあと思うのは私だけだろうか。
北京から急遽戻り何とか間に合い昨日25日無事に誕生しました。第二子は元気な3580gの女の子でした。名前は「沙和」沙漠を平和にという意味を込めて名付けました。叶多も普段私が不在なので一緒に遊べる妹ができて大喜び。これから元気にすくすくと育ってほしいです。
砂嵐の頭です。昨日も砂嵐が襲い、道の案内板が飛ばされてしまった。センターに来る人は看板がないとわからない。困った。そして、また車がエンスト故障する。今週で3度目の修理だ。。。今度から阿拉善砂漠研”修理”センターに名前を変えた方がいいかもしれない。修理屋の看板を見るたびに思う。本当はしっかりしたものが作れるのに”わざと”壊れるように作ってあるのだなあと。その修理屋もこれまでかかった8割はまともに治らない、というよりかさらに悪くなったりする。こうして修理のドロ沼にはまり、結局新品を買った方が安いということになる。中国経済の発展はこうした循環と灰色収入と言われる部分が実はとても大きい。利上げ観測のニュースが入ったので、円安になる可能性より銀行へ行き、円を交換した。レートは1万円で700元。先週よりもだいぶ円安になっている。本当に切り上げになれば、中国の物価は今でさえ上昇中で安くないのに、さらに現地でのやりくりがますます大変になる。また悩みが増えそうだ。中国が輸出への影響を考えると、果たして本当に切り上げるのだろうか?もし切り上げれば、元高になり、日本からの輸出が加速し、日本にとってはいいのかもしれない。こちらの庶民の人にとっては、輸出がダウンすれば、失業者が増える等の悪い面が多いと思う。ただ上層のお金持ちの人にとっては、海外にも安く行けるし、海外の製品を安く購入できるし、いいことづくめだろう。ひょっとしたら、本当に切り上げてくるかもしれない。でも行き過ぎると、人為財死、鳥為食亡(人は金銭のために身を滅ぼし、鳥は餌のために身を滅ぼす)という中国のことわざの通り、この先にはバブル崩壊が待っているかもしれない。相当トップも悩んでいるだろう。
今日は陶力村に入った。ここの村は以前、センターで作った乾燥に強いトマト新品種の種子を配った。ここの人たちは野菜をあまり食べず、羊肉ばかりなので、植林支援以外に家庭で食べる野菜としてトマトを選んだ。道の途中訪ねてみると、各家に小さな温室を設けて、ちょうど苗を作っていたところだった。思った以上に種子を大切に扱ってくれていた。こうした人たちがいるからこそ、頑張ることができ、また足で回る大切さを感じる。
コンピューターが重くなったので、ハードディスクを入れ替えた所、オフィス2004のソフトが認識しなくなってしまった。毎回、体験版になってしまうので、オフィスを入れ直したのだが、エラーが出てしまい、認識できない状態が続いている。仕方なくネットから最新版を購入しようと思い、3万円弱の価格を見て、ポチッと押す前に無意識から意識が目覚め、何とかふと踏みとどまった。これは、オフィスの罠なのかもしれない。このようにして、容量が入らないからといって、ハードディスクを大きくしていき、ソフトも最新版を交換して入れ続けていく。昔のソフトは使えなくなり、また購入する。仕事上で、オフィスがないと支障が出るので、仕方なく社会がそのソフトのみを購入していく。こうして、購入の奴隷から逃れられなくなってしまう。しかし、このしくみに入らなければ、便利さというものを捨てる事になってしまう。これまで、こうした仕組みに入る事に対し、疑問を持っていなかった。しかし、今回、ハードディスクを交換して、認識できないという状況に直面し、疑問を持ちはじめた。こちらでは、正規版があまりないので、店でコンピュータを購入すると海賊版をインストールするのが当たり前になっている状況だ。だから、普通の人たちはこうした疑問は涌かないのかもしれない。ただ、よく考えると一社の企業が、世界的なコンピュータのOSやソフト市場を独占している状況は独占禁止法に抵触するのではないか?皆は英雄のように扱っているが、これは、社会にとって不幸なことではないだろうか?仮に100万人が購入したとしたら、300億かあ~。日本では、以前、オープンソースの国産OSであるB-トロンを開発したが、結局、アメリカのスーパー301条に抵触するという全くデタラメで勝手な陰謀によって潰されてしまった経緯がある。今、思うと、本当に悔やまれる。今から、巻き返す方法としてはソースコードを公開しているオープンソース方式を皆が使う事により、さんざん元を取ったOSを無料にする運動をすることだ。そこで、早速無料で出ているopenofficeを導入することにした。一応互換性はあるので、なんとか使う事ができるようになった。ただ、もう少し使いやすいものが出てこればいいのだが。
寒くなると、つい、やってしまいがちな事がある。「今日も寒いな~シーシー」この「シーシー」という音だ。爪楊枝を歯に挟んでのシーシー音だ。実は、この音、爪楊枝がなくとも、よくやる日本人のクセなのだそうだ。そして、おじぎペコペコなどよりも、最もイヤな動作なのだそう。いかにもイライラしているように聞こえるのだそうだ。だいたい意識していない時にやるから当人も気がつかないことが多い。私もついやってしまいがちなことだ。読んだ事はないのだが、それらについての研究論文まであるそうだ。逆に、こちらで多いペチャペチャ、クチャクチャと食べる音やチッ!チッ!と舌を鳴らす音はこちらでは失礼でもなんでもない。欧米では、ラーメンのズーズー音がダメなように、どこの国でも不快な音というものはあるのだが、それぞれに違うのが面白い。シーシー音、こちらに来られる人はクセになっていないかどうか気をつけよう。失礼だなあと思われるので知っておくといいです。(写真は発情期のエミューのアップ)
日本に戻ると息子が一段と成長している。こちらでの木の生長はなかなか遅いのだが、子供の成長というのはとても早い。帰るたびに大きくなっている。このかわいい時期の変化が見られないのがつらい。でも帰ると一緒に遊べるのがとても楽しみで仕事に励んでいる。いつも一緒にいられなくてゴメンナ!野球が大好きで「ポーン!」がいまの流行らしい。(個人的な話になってしまいました)自然や葉っぱが大好きです。