廟のお祭りで緑化をしている団体がある。日中間で合作して行なわれている黄土高原緑色文化ネットワーク、陜西省楡林へ行き見学して来た。阿拉善からは500kmある。ここでは道教のお寺(廟)を中心としてお寺間でネットワークを作り、緑化を行なう活動に日本のNGOが入っている。ここでの唯一の娯楽と言えばお祭りだ。そのお祭りで緑化しようという新しい試みをしている。中国は共産党なので国として宗教を否定しているが、民間では意外に信仰が厚い。明治神宮だって正月ともなれば何十万人の人が初詣に行く。それと似たような心理かもしれない。その際、賽銭や寄付を集め緑化するのだ。お寺に行くと入り口でメロンやおもちゃ、線香を売っていたり、ちゃっかりと賽銭箱の前で占い師がおみくじをやっているところなどは中国らしい。ちょうど文工団がお寺を回って京劇をしていた。「最近はお年寄りしかみないよ」と言っていたが結構流行って楽しんで見ていた。
日本航空支援による飛行機播種が強風で1日延びてしまい、空軍からの飛行機を借りて今朝15日の実施となりました。前日に現地のポイントに旗を立てて飛行機から見えるようにして、朝、5時半に出て、現場に6時半から現場で待機する。今回は550kgの種子を73haに渡って播きました。白沙蒿(Artemisia sphaerocephala)、花棒 (Hedysarum scoparium Fisch..et Mey.)、沙拐棗(Callionum mongolicum)の3種と新しい形での播種実験を行ないました。やはり速度が違います。でも規模が大きすぎて、NGOがやるレベルというよりは事業レベルになるなあとも感じました。何せ、あっという間の30分で73haです。人が植えたらどのくらいかかるでしょう。でも、砂漠化の速度を考えるとひとつの新しい方法かもしれません。これにどうやって住民参加型のプロジェクトを組み合わせて行くかが鍵になると思いました。日本航空の皆様、ご支援ありがとうございました。
今日は天気も快晴でも風がひんやりとして心地いい1日だった。朝から小学校6年生の児童100名と親100名の200名がバスに乗ってニコニコとやってきた。今日は民族小学校のはじめての環境教育プラス砂漠歩きという変わった卒業記念行事なのだ。環境局や教育局、阿拉善テレビなども来ている。特に学生は元気一杯ではしゃぎ回っている。そしてセンターに来ると早速エミュー小屋へと群がる。先生も一緒に眺めている。日本だったらすぐに植林地に整列して始まるだろう。ゆっくりしていたら「早く!急げ!」でも、ここはモンゴルの習慣、皆、ぶらぶーら、のんびーりしている。そして先生方もぶらぶらと植林場所まで行くと、ようやく偉い人たちの訓話が始まった。それは逆に長い、長い。30分くらいは話しただろうか?私もこういう場は苦手なのだ。しかし、話さなくてはならず、緑がいっぱいになる事を願うことと行動することの大切さを短く話した。わかってくれただろうか?さて、終わりの方になると学生も足がフラフラしている。「このままではまずいな」そう思った時にようやく植林活動が始まった。ゆっくりと200本のニレの木を植えた。その後、またぶらぶら水やり等をしていて、「もうそろそろ砂丘に出発した方がいいのでは」と言っても、「んー、まだいいよ」とのんびりしている。そして午前中も終わろうかという時になってようやく砂漠へ向けて出発した。そして1時過ぎに着いてから砂漠で羊を5頭茹で始めた。今から茹でると夕方になるなあ。その間、ゆっくりと酒を飲んだり、子供達は砂漠でわいわいと遊んでいる。そしてメインの羊が出てくるときには既に6時を回っていた。そしてさらに砂漠で酒を飲み、飲まされ、ゆっくりとした1日が終わった。先生が、「今日の行事は大成功だったなあ」としきりに話す。「うん、うん」と頷くと、「いやあね、実は風水師を呼んだんだ」という。なぜ、石を置いたかということにも触れ、「風水師があそこに、この場所の石を運んで来てあの大きさの置きなさいと言ったんだ」小さいのではダメだと言うんだ。「そして、その場所に行ったらね、風水師のいう同じ大きさの石があったんだよ」「夢に石を置けと出て来たんじゃなかったんだ」「実はそういうことなんだ」「だから雨が前日に降ったんだね」と言うと、恥ずかしそうに頭を掻いた。だから一昨日の大雨と大風があったにも関わらず、最高の天気になった訳だったのだ。
その風水師は当たるの?というと「ダライラマ6世の孫弟子なんだ」という事だった。信じるかはともかくとして、不思議なこともあるのだ。
その風水師は当たるの?というと「ダライラマ6世の孫弟子なんだ」という事だった。信じるかはともかくとして、不思議なこともあるのだ。
白刺の砂丘を通ると、ハマウツボ科の寄生植物で白刺の灌木に寄生する鎖陽(サヨウ)があたり一面にニョキニョキと出ていた。普通はウサギ等が食べてしまうか、人が採ってしまうので、たくさん出てくるのを見るのは珍しい。貴重な漢方薬だ。消化を助ける働きがあるので、食べるとお腹がすく。ニョキニョキとたくさん出ているのは何とも不思議な光景だ。何かに似ていると思ったら、ムーミンに出てくる手のないニョロニョロだ。こちらは触っても感電はしない。
今日、エミューがソウソウ林の間に留まって何かを突ついていたので、何を食べているのだろう?と見てみると、そこにはホコリタケ属のものが2、3本出てきていた。測ってみると8センチあった。なぜ、このような所に出てくるのかわからない。さわると、案の定、「ぶわっ」と褐色のホコリを出した。思わず咳き込む。ホコリタケにやられても憎めないのがホコリタケ。ホコリタケは乾燥地によく生えている。ソウソウに寄生するのだろうか?もしくは共生しているのだろうか?
中国語では馬勃という。小さい時には食べられるらしい。また、胞子は薬用になるらしいが、試したいとは思えない。
中国語では馬勃という。小さい時には食べられるらしい。また、胞子は薬用になるらしいが、試したいとは思えない。
現在、阿拉善センターでアカザ科の梭梭(ソウソウ)の種子(Haloxylon ammodendron )が多少余っています。このソウソウは雨が降るとすぐに発芽し、3.5%の水分があれば生きる事ができ、砂地での造林に適しています。5cm~10cm(降雨時の乾砂層)に根が入れば活着し、乾燥地でももっとも強い樹種の一種です。もし研究や実験等で欲しい方がいましたら、メールください。(送料はご負担ください)発芽検定で80%程の発芽率です。また、乾燥地の種子でいいものがあれば、ぜひ下さればと思います。togaronta@yahoo.co.jpまで
今日は一日風が強く、砂が舞う天気だった。作業にならないので、飛行機播種区を見に行く。まだ試験的に播種している段階なのではっきりしたことは言えないのだが、ソウソウは発芽してひょろひょろと伸びるのだが、なかなか活着するまでにはいかない。なぜだろう。砂丘にパイオニア植物の沙米は生えるが、その他の植物はなかなか生えてくれない。そんな中で強いのが豆科の寧条だ。種子も固くて乾燥に耐え、雨が降る際に一気に伸びる。ソウソウは数時間で発芽するが、生育まではいかない反面、寧条は1日湿っていればかなりの確立で発芽してくれ、また、その後の生育率もかなりいい。花棒や沙拐棗は虫害に弱いが、寧条は強い。今年、現地の林業局も飛行機播種に向けて種子を集め始めた。マメ科の花棒で1級が22.4元/kg、2級が20.4元、3級が18.5元、アカザ科の沙拐棗の1級が21.7元/kg、2級が18.7元、3級が16.8元、等級数の違いは雑物が入っていない純浄度が91%以上が1級、87%から91%が2級、78%から89%が3級、優良度が95%以上が1級、89%から95%が2級、82%から87%が3級(花棒について)等と樹種によって決まっている。種子検疫証を持っている経営者だけが参加できる。まずは2kgのサンプルを持って行く。10t以内だと5000元の保証金を支払い、10t以上は1万元の保証金を支払う条件だ。先に40%を貰い、年末に60%分を支払うという事なので、一般の人がタネを売るのはなかなか難しいそうだ。
5月に入ると、バレン草(馬蓮草)日本名:ネジアヤメ/アヤメ科の多年草、学名:Iris lactea Pall. subsp. chinensis (Fisch.) Kitag.が本格的に咲き始めました。砂漠の肌色の土地にポツポツと、この葉がねじれたアヤメの薄紫の花が咲くと、阿拉善も初夏の天気になります。なぜ、ねじれるのでしょう?たぶん、乾燥地の日差しが強いので、葉をねじって暑さに耐えているのかもしれない。もしくは風が強いので、ねじれてしまったのでしょうか?よく見ると茎までもねじれています。今日は5月頭でも朝は10℃前後、日中は25℃まであがりました。日差しも強くすでに夏の天気です。バレンといえば、版画の際に使うバレンという名前も、このバレン草から来ているそうです。そう思ってみて見ると、枯れた固い葉はバレンに使えそうな気がします。今度本物のバレンを作ってみたいな。
春の植林作業が始まると共に現地の子供達を集めて環境講座を開きました。第一回は地元の233名の子供達が参加してくれました。教室に入りきれなくて2回に分けて行いました。そして皆で飛行機播種の団子のコーティングを行いました。ソウソウの種子を粘土と薬草を混ぜたもので包んだものです。そして、砂漠にばらまく。一人一人が作った量は少しでも、沢山の子供達が参加すれば沢山の量になります。あとは技術的にいかにして発芽率と活着率を上げて行くかなのだけれど、まだまだ課題が多いです。
3月21日ー29日まで静岡支部一行23名(グリーンアクション)がアラシャン・五台山に来て春の植林をしてくれました。今回はバインムレン村にて沙棗800本とソウソウ400本、センターにて第8中学校の子供達と共に沙棗400本の植林を行ないました。又、五台山でトウヒの植林を行いました。22日にはスタッフのナレンと田中すなをさんの結婚式を行いました。(詳細についてはまた後ほど)皆様が参加してくれたお陰でモンゴルと日本の人達の輪で盛り上がりました。ありがとうございました。2人も異なった文化と不自由な環境の中でさらに頑張ってくれています。今年は雨が降らずちょうど砂嵐の時期でしたが、植林して汽車に乗った際に少し雨が降ってくれました。今回、人の小ささと大地の大きさを肌で感じてくれたと思います。皆様が戻ってからも、現地では温室と苗畑にて種まき作業が始まり、毎日水道管を治していてブログもそのままになってしまいました。