今、植林していて、一番の悩みがうさぎの食害です。うさぎが食べる訳ではないのですが、なぜか水分を求めてかじって行きます。ひどい場所では80%やられました。逆に全くないところもあります。この違いが何なのか、単なる運なのかわかりません。林業局の方は、こんなことは初めてだといいます。他の動物への影響を考え農薬でない忌避剤を作って、苗に浸して補植をしました。果たして結果は吉とでるか凶と出るか?植林をすると動物が集まってきます。動物にとっては、人間が播いてくれた好物なのでしょう。自然というルールかれすれば、多少の被害は致し方ないとしても、やはり食べられたくはないのが人間の性です。これからも動物との競争?が続きます。
今日は変な天気だった。砂嵐が吹いたと思えば、午後から雪が降った。一気に冬のマイナス気温に戻る。これだから春の天気はわからない。ただ、こういう天気は木にはとてもいい。今日は防風林作りの作業、スナナツメとニレの木を植えた。
昨夜はセンターから約300km北部の阿拉騰赦包鎮に入る。ここでは電話も通じない。そして午前中から砂嵐だった。ここの砂嵐は小石が飛んでくる。車などに乗っていると、窓ガラスに小石が当たり、すぐにガラスが磨りガラスのようになってしまい、修理屋行きとなる。そのため、砂嵐時には毛布等をフロントガラスに被せて、すき間を見ながらで運転していたりする人もいる。朝7時から植林を開始して10時頃になると風が強く、午後からは断念した。今は、阿拉善27万km2という日本の2/3もの区域の村の各リーダーの家を回って、木を植えるのに興味がある人を対象にしての植林も行っている。ここでは、植林という習慣がなく、木を植えても管理の手間などがあるため、まずは水があるかどうかを調べ、また木を植えたい、自分の家を草原や緑にしたいという考えがある人から行うことにしている。周囲の人たちが、それを見て「いいな~」と思えばしめたものだ。このやり方であれば、こちらからの受動的なやりかたでなく、能動的なやり方になるため、将来的に緑化の点が増えることになる。一軒一軒の所有面積が4km2から12km2と離れている所が多いため、まずは家の周り等の条件のよい場所に苗木を配り、植えていく。今日はとりあえず200本植えた。「この木が育って、周囲の人が、うちも植えたいとなればいいねえ」というと、早速、隣の家も植えたいという。今は、一番必要な機動力の4駆車も調子が悪く、トラックもなく、植える人も限られるため要望に応えられていないが、点が線になり、面になっていけばいいなあと思う。
アラシャンも春の黄砂とともに植林がスタートした。予定では250ha、朝7時から夜6時まで頑張っても1地区100ムー(約6.5ha)、3地区でも20ha届かないくらいのスピードだが、農牧民達は休む暇もなく頑張っている。「3年後には、ここで漢方薬を植え付けられる」足が砂に取られ、砂が全身を容赦なく叩き付ける中、言うのは易し、行うは難しで大変だけれども希望を持って行っている。中でも大変なのが水やりだ。なかなか進まない。夕方になると皆疲れてフラフラになる。ようやく今日の仕事も終わった。今日は美味しい羊肉をごちそうになった。
今は春節のため、町の仕事機能が全てダウンしている。全く仕事にならない。酒飲み誘いの電話攻撃が続いている。春節15日(2月28日)を過ぎれば、町のエンジンも掛かりだすと思われる。ここセンターは春節も変わりない。今は、今年7月の飛行機播種に向けて、昨年よりもいい結果を出すための飛行機播種の予備実験をしている。3月に昨年撒いた調査をする予定だが、秋に見た所、かなりの部分がネズミにやられてしまっている。ネズミ対策が急がれる。今年はコーティング種子を用意して同じ水分条件にして播いている。先日、コーティング種子からうまく発芽してくれた。あと、4ヶ月しかない。一回の試験で1週間はかかるので、実際に10回くらいしかできないのだが、うまく間に合えば、今年もぜひ飛行機播種をやりたい。
センターの脇に生えていた地梢瓜(Cynanchum thesoides)を見つけて、「テメーココ!」と叫んでいる。ウハスさんも「テメーココ!」と叫んだ。そんなに感動するものなのか?最近はあまり見ないという。モンゴル語でラクダの乳というそうだ。そして、若い実を取ってガリガリと食べ始めた。「食べられるの?」同じガガイモ科の似たような植物で老瓜頭という有毒植物もあるので注意だが、味はまあまあだ。食べられなくもない。栄養価が高いというが、さてどうなのだろう?この植物には1.5%程のゴムの成分があり、工業用の原料としても使われるそうだ。
2007年よりスタートした(写真上)20haの大阪トヨタの植林も3年目を迎え、3年目になると沙棗の木がぐんと生長して人の背丈を越える程になっている(写真下)ここは黄河の近くにある場所だが、実は降雨量が100mm以下で今年はほとんど雨が降っていない。流砂を止める草方格の方は試行錯誤が続いているが、まず草ワラで1m×1mの升目を作る。そこにソウソウ等の植物を植える。しかし、これが根着かなければ、再び砂に覆われてしまう。これまで草方格の中に植物を植えていたが、植えても枯れてしまう所が多くあまりいい結果ではない。逆に種子をばらまいた所はうまく着いている所もある。ひどい所は年に40m程移動している。この流砂を止めなければ、木を植えても埋まってしまう。今年は新しい実験を行なう予定だ。実はこれからが勝負だと思っている。
植林地近くのヒマワリ畑にて。今年は農業放棄のために前年に比べても農家が少なくなって来ているが、それでも広いヒマワリ畑が続いています。あと、10日くらいで見頃です。ちょうど、GGR(NPOグリーングラスロッツ)の皆さんが植林に来られる頃には満開になっていると思います。お楽しみに!
7月30日より日本より野田さん、甲斐さん親子、堀江さん、山下さん5名のボランティアの方が来てくださり、植林の実験から井戸の部屋の建設まで手伝って貰いました。暑い天気の中、皆さん真っ黒に日焼けして黙々と重い石を運んで基礎を作りました。人手が少ないので、こうした際でなければ作れずとても助かりました。ご協力ありがとうございました。