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コンラッド東京 水月スパ。


「素晴らしい泳ぎでしたね。驚きました。」



思わず声をかけずにはいられなかった。
とある夏の日。



汐留にあるホテル、コンラッド東京のプールでのプチバカンス。

ここのスパには2度目。2010年以来、久しぶりの来訪になる。
最近では珍しい超ど快晴の日。

日差しがキラキラと水面に輝いたプール。
高層階なので東京の景色が一望できる。



さっきまでジムで走っていた初老の男性が、ふらりとプールに降りてきた。

ミネラルウォーターをプールサイドに置き、あきらかに慣れたルーティンで、
隣のコースに入り軽く泳ぎ始めた。

軽く泳いでいるだけなのに、そのスピードは速く無駄な動きがない。

私がそこそこ本気で泳いでも追いつかない。
プロの水泳選手?と思うような、本当に見事な泳ぎっぷり。

25メートルプールを私の倍の速さで軽く10往復。



ボウリングに例えて言うと、一人で練習しているボックスの隣に、
さえない殿方がひとり練習に来て、軽く300出しちゃったような感じ。

と言えばわかりやすいかしら。

あまりにも見事な投げっぷりに、思わず声をかけずにはいられなかったような。

「いやいや、若いころはもっと泳げましたが、もう年ですから。
 軽く流しているだけです。」

失礼ながら年齢を聞くと70歳とのこと。

「特にやることもないんで、毎日ここに来ていますから。」



え?毎日ホテルのプールで泳ぎに来ている??



コンラッドのフィットネス会員は入会金だけで140万円。
年会費も約50万円近くはする。



これがフツーに払えて、しかも毎日のように来られるなんて!
どれだけお金と時間があるのだろう。

きっと現役の頃は軽く億を稼ぐ、ミリオンプレイヤーだったに違いない。



私の方は、たまーの休みにちょっと頑張って贅沢して来ているのに。
まるで住む世界が違う。。

どういうお仕事してて、どういうところにお住まいなのか、
いろいろ聞いてみたかったが、それはさすがにできない。

「突然お声がけして申し訳ございません。では失礼いたします。」

精一杯、セレブ風な奥様を気取って笑顔でその場をあとにした。



私だってホテルのプールに毎日泳ぎに来たい。
いったいどーやったらそうなれるのか。。



ゆっくりお風呂に浸かり、身体をほぐしてもらい、
暮れゆく景色を眺めながら食事をして、その日一日を満喫しながらも。



そんな夢みたいな未来を真剣に妄想してしまった、ある夏の一日でした。



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