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恐竜の正確な色 分かる? 化石の羽毛の色素から推定 (日経新聞)

2010-10-03 05:32:16 | ちょっと 『気になる』 はなし
 図鑑や絵本に登場する恐竜の色は様々だ。だが化石には元の色は残らず、生態に基づいて研究者や作画家が推測している。恐竜の本当の色はわかるのだろうか。



化石の色素から推定した小型恐竜アンキオルニス(エール大学、マイケル・ディジョルジオ氏提供)
 黒っぽい体に白いしま模様、頭には赤色のかんむりばね――。ジュラ紀後期(1億6000万年前)にいた羽毛を持つ小型恐竜アンキオルニスの姿はまさに鳥だった。今年2月、米エール大学や中国・北京自然博物館などが米科学誌サイエンスに発表した成果は世界の恐竜学者を驚かせた。

 化石は土に埋まった死骸に地下水が染み込み、長い時間をかけて炭素部分が鉱物に置き換わることでできる。歯や骨など硬くて腐りにくい部分は化石になるが、皮膚は残りにくい。残っていても模様やウロコの様子は見えるが、元の色は消えるため正確な色は分からないと考えられていた。

 エール大のヤコブ・バンター研究員らはアンキオルニスの化石の29カ所から採った羽毛を電子顕微鏡で分析。細菌が化石になったと思われていた部分が色素を含む細胞だったことをつきとめた。色ごとに細胞の形が違うことに注目し、黒っぽい色、赤褐色、白などの淡色だったかを判別した。

 英ブリストル大学などのチームもこの手法を使い、中国・遼寧省で出土した中華竜鳥(シノサウロプテリクス)という恐竜の尾の色が茶色から赤褐色だったと突き止めた。バンター研究員は「羽毛がなくても全身の色を推定できる」と話す。

 それには、色素の痕跡が残った肌の化石が必要だ。カナダ王立ティレル古生物学博物館の小西卓哉研究員は白亜紀後期(9000万~6500万年前)にいた大型の海生は虫類モササウルスの化石をくまなく調べたが、色素の痕跡が見つかったのは目だけだった。「うろこに色素の痕跡が残る可能性はあるが、微生物がほとんどいない非常にさらさらの砂に埋まるなど条件が重なったときだろう」と指摘する。

 恐竜が進化した今の鳥類は鮮やかな色をしている。エサに含まれる色素が羽毛に現れたという。例えば、フラミンゴは薄い赤色だが、エサとなるエビやカニの色素を取り込んだからだ。小西研究員は「化石から見つかった胃の内容物を調べると、アンキオルニスの正確な色は少し違った可能性がある」と話す。

 羽毛を持つ恐竜は多かったという。肉食恐竜ティラノサウルスの子供は体温保持のために羽毛があったらしい。保存状態が非常によい化石が見つかれば、ティラノサウルスの色がわかる日が来るかもしれない。

(編集委員 青木慎一)

ずっと昔の生物がどのような姿だったのか?
夢は膨らむ。


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