(原 光訳 2000年、沖積舎) ダンテの「神曲 地獄」編 第17歌(カッコ内は筆子、その5)
◯先達は言つた、「あすこに横はつてゐるあの邪悪な獣まで、わたしらはいま少し曲つて行かねばならぬ。」
それでわたしらは右側に下りて、熱砂と火の子を十分に避けるために、緑の上を十歩ほど進んだ。
わたしらが獣のそばに着くと少し向うの熱砂の上、切り立つ崖の緑に近く坐つてゐるものたちが見えた。(前回ここまで)
◯そこで師は言つた、「この環(みち)について完全な経験を得るためには、行ってあのものたちの状態を見よ。
話は短く切上げよ、そなたが戻るまでに、強い肩を貸してくれるやう、わたしはこの獣と話し合はう。」
かうしてさらにわたしは第七圏(たに)のいちばん端の上を、たつた一人で悲惨なものたちが坐つてゐるところまで進んだ。(つづく)
◯本日、6月18日(日)の日本聖書協会の、「聖書愛読こよみ」の主題は「神の栄光の都」という。聖書は黙示録21章22~27節である。その22~23節に、「わたしは都の
中に神殿を見なかった。全能者である神、主と小羊とが都の神殿だからである。この都には、それを照らす神の栄光が都を照らしており、小羊が都の明かりだからである。」と。
また27節に、「しかし、汚れた者、忌まわしいことと偽りを行う者はだれ一人、決して都に入れない。小羊の命の書に名が書いてある者だけがれる」とは、一人ひとり、この御
言葉をどう思うか。信仰によって小羊の命の書に名を書いてもらおう。
◯写真は、長崎伝道所を伝道委員の稲葉一先生と南茂の二人が問安した。(6月14日前11時半ころ撮影)。