五、「教会とわたしたち」(416)
5.近代から現代へ(宗教改革とその後) はじめに、近代への萌芽としてアウグスチヌス著「神の国」(1968.教団出版)(その56)
第二篇から第二十一篇までを割愛して、最終篇に入ります。
第二十二篇 神の国の永遠の浄福に
1. 天使と人間の創造について
前篇で約束したように、本書の最後となる。この篇において、わたしは神の国の永遠の浄福について論ずるこ
ととする。「永遠の」という形容句は、何世紀もの間続き、そしていつの日にか終わりが来る、という意味ではな
く、「その支配はかぎりなく続く」(ルカ一・三三)と福音書に記され(前回はここまで)ているようなものである。そ
れはまた、常緑樹の場合のように、その緑は永続的であるように見えながらも、実は枯れた葉が落ち、新しい
葉がその代わりに現われることによって、いつも緑繁く見えるというのではない。一つの世代が消滅し、別の世
代がとって代わることによって、永続性の見せかけを持つのが「永続の」という意味ではない。この国において
は、すべての市民は死ぬことがない。人間でさえも、聖なる天使らが決して失わなかったその不死性に到達し
ている。この国の創設者である全能の神御自身がこれをなしとげられるであろう。神はこれを約束されたし、神
は偽ることはないのである。そのことの保障として、神はすでに約束された以上のことを果たされている。
初めにこの世界を創造し、精神と肉体をあらゆる良き物をもって満たされたのは神である。神が創造されたも
ののうちで、霊よりすぐれたものはない。~(つづく)(「神の国」出村彰訳)