日本キリスト教会 大分中央教会

1517年、宗教改革による改革派信仰の伝統を引き継ぐ教会です。

聖書研究

2016-09-21 15:40:15 | 大分中央ウィークリー

創世記24章2節である。「アブラハムは家の全財産を任せている年寄りの僕に言った。『手をわたしの腿(もも)の間に入れ~』という。ここに出てくる「年寄りの僕」とは、「全財産を任せている」といわれているから、最も信任の厚い「僕」であったらしい。通説では15章2節のイサクが生まれるまで、アブラハム自身が跡継ぎはこの人と決めていた奴隷の子「ダマスコのエルエゼル」であろうとされている。 

相続権を自分から奪ったイサクのために働くため、アブラハムは誓約させるのである。その誓約の儀式が古代の儀式で、このモーセ五書が編集された前5世紀にはこの方法が存在しなかった。説明不十分のまま「手をわたしの腿の間に入れ~」(47・29にも)と。「腿」は男子割礼性器の象徴的表現で、厳粛な儀式であったと思われる。 

3節である。「天の神、地の神である主にかけて誓いなさい。あなたはわたしの息子の嫁をわたしが今住んでいるカナンの娘から取るのではなく、」という。「今住んでいるカナン」というのであるが、アブラハムは23章で、ヘトの人々との交渉に見るように、カナンの人々に対していかにも丁重に対応しその言葉にも態度にも謙遜であった。土地を買ったことは、たとえサラの墓に必要な一部分の土地であったとしても、彼らと同じ土地に住むことを確認させる。 

「嫁を~カナンの娘から取るのではなく」と。アブラハムと彼の子孫は決して、彼らカナン人とは同じではなく、同じになってはならなかった。それを、この節は読者に伝えている。この地球上で一つ、神に選ばれた民のユダヤ人は旧約全巻に通じる異教徒結婚禁止である。異教の中でイエスとの結びつきを切らない信仰を暗示する。


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