(原 光訳 2000年、沖積舎) ダンテの「神曲 地獄」編 第13歌(カッコ内は筆子、その13)
◯残忍な霊が肉体から自身を引抜いて離れると、ミノス(神話のクレタの王子)によつて第七圏(第七地獄)に送られ、この森に落ちるが、
選ばれた所ではなく、偶然によつて投げつけられた所で、霊はオート麦の粒のやうに発芽して、若枝と伸び野蛮な潅木となる、するとアルビア(神話の牛頭
身人怪物)たちがその葉を食つて苦痛を与へ、苦痛に吐け口を与へる。
(ここまで前回)
◯他の霊たちのやうに、わたしら自身の抜殻(ぬけがら)を取りに行くだらうが、しかしまた着るためではない、自ら取去つたものをもつのは正しくないのだか
ら。わたしらは脱穀をここへ引きずつてくるが、この暗鬱な森の中で肉体はそれぞれ、自身の残酷な霊の茨に吊されるだらう。」まだ外のことを言ふつもりなの
だと思ひこんで、わたしらが幹のそばで待受けてゐると、不意打の騒音に愕(おどろ)かされた。(つづく)
◯2016年5月29日は第二十二主日、三位一体後第一主日という。日聖協「聖書愛読こよみ」は「一致」という主題。聖書は詩編133編1~3節である。「都
に上る歌、ダビデの詩。見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び。かぐわしい油が頭に注がれ、ひげに滴り 衣の襟に垂れるアロンのひ
げに滴り ヘルモンにおく露のように シオンの山々に滴り落ちる。シオンで、主は布告された 祝福と、とこしえの命を。」と唱われている。150編の詩編中、
最も平和の喜びを伝える詩編である。
◯写真は、別府不老町教会の礼拝堂の天井が今回の震度6の地震によって、築90年老朽化と共に崩落の危険があり、礼拝堂それ自体が使用不能と判定。写真撮影27日、南茂。
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