五、「教会とわたしたち」(316)
4.近代の教会の夜明け
―宗教改革―スコットランド
このモルトン伯は、J・ノックスの死後、教会の危機的戦いに敢然と立ち向かった。四ヵ月後、残留していたメアリー女王党がエディンバラ城に立て篭もり反乱を起こした。1572年2月であった。改革派教会の存立を脅かす内戦となった。ジェームス6世(5歳)を要する国王党の重鎮モルトン伯は伝統的に親英派であり、英国の支持を取り付け、支配権を急速に拡大して女王党を孤立させた。すなわち(ここまで前回)
女王党の支持者であったハントリおよびハミルトン家とも協定を結んで、彼らを女王党から離脱させた。更に4月には同じようにシートン卿とアソル伯がこれに倣った。かくしてエディンバラ城の籠城派は完全に孤立した。同月、英国女王エリザベツはモルトン伯との約束を守って、イングランド軍をスコットランドに派遣した。十一日間の砲撃戦で、イングランド軍の大砲がエディンバラ城の城壁を破壊し、5月28日に籠城軍は降伏した。かつて1560年リースにイングランド艦隊を派遣してフランス軍を追い払ってプロテスタントの会衆軍を助けたことがあったが、ここでもエリザベツがスコットランドのプロテスタントを救った。神の歴史の不思議な巡り会わせというより他に言いようがない。
その後1603年、英国の女王エリザベツの死去、スコットランドのジェームス(つづく)