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合間の博物館旅日記

博物館を回りながら日本各地を旅をする過程の壮絶な日記。(2005.4-9月)
旅終了後は適当に随時更新の予定。

R-1感想

2010-02-24 20:18:42 | Weblog
R-1を録画で見た。
あべこうじは大して面白くないが、優勝するからにはその理由がある。小道具に頼らず、喋り一本だけで独自の世界を生んだのも好印象だ。
個人的には、バカリズムの正義感の強い男、なだぎの一本目、江原の一本目は面白かった。
しかしバカリズム、麒麟の川島、なだぎなどは音楽や効果音を用意し、舞台袖でタイミングに合わせて音を出したり止めたりする助手が必要であり、厳密にいうとピン芸と言えない恐れもある。なだぎはボイスチェンジャーという飛び道具も使った。
フリップに頼る芸人も目立った。カメラのズームが効くテレビ番組か、小さい小屋専用のネタで、そんなところも審査にマイナスに働いた可能性はある。体一つで勝負したのはあべこうじといとうあさこくらいだ。
審査員はプロのお笑い芸人である。だからあべこうじの話術や表現力といった腕の高さを見せられて高評価をしたのではないか?

桂三枝、高田純次、ラサール石井、伊東四郎と、年齢層も高く、「今の笑いが理解できないなら審査員を辞退するべき」なんて意見も見られたが、的外れである。伊東四郎がそういうのは謙遜して言ってるのであり、真意は「つまらない」という意味だ。
いとうあさこに対する評価が「明るくていい」。自虐ネタでも、場を明るくさせる芸風は評価できる。一方、我人は「ブラック」と、年配層は軒並み低評価。当たり前だ。ゴールデンの地上波でやるようなネタではない。僕は冒頭の「別腹」のオチを聞いただけで早送りした。あの演者は、観客席やテレビの向こうに、本当にそういう問題を抱えて悩んでいる人間がいるかもしれないと考えないのだろうか?
昔清水アキラが「お嬢さん石鹸の匂いしますよ」といつもの客弄りをしたら、本当に風俗嬢で泣き出してしまったという話を聞いたことがある。
僕はハゲのネタも嫌いだ。芸人は自分がハゲてるから自虐的でいいと思ってるかもしれないが、客の中にもハゲやカツラはいるのである。笑うつもりで来たら不愉快な思いをしたのでは、二度とそこへは足を運ばないだろう。ベテラン芸人はよく分かっている。
大村崑は「下ネタはするな。客をいじるな。人をバカにして笑いをとるな」と弟子たちに教えたそうだ。今、徒弟制度が崩れ、そんな笑いの基本を知らない輩が増えた。ビートたけしやダウンタウンは意図してそのフォームを崩し、熱狂的な指示を集めたが、彼らを教科書と信じた後続の連中は、それ以前の基本が身についてなかったのだ。我人が決勝に残ったところにその傾向が見える。

僕は、お笑いは大阪が中心と思い込んでる若者たちにも腹が立つ。彼らが知っているお笑いとは所詮吉本のそれで、長い笑いの歴史については多分に無知である。チャップリンも志ん生もエノケンもモンテイ・パイソンも何一つ知らないくせに、偉そうに笑いを語るんじゃないといいたい。
笑いの歴史を一番勉強している芸人は爆笑問題の太田じゃないかという気もするが、ダウンタウンの松本だって一通りのことは知っているはずだ。つまり、偉そうに「しんぼるはつまんない」とか言っている素人が、一番お笑いについて無知なのである。

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