益子に行ってきました。
小学校三年生の遠足以来の二度目です。
その時見た益子の様子や工房見学などの記憶はほとんどありません。
覚えているのは、友達みんなと楽しく絵付けをしたことと、店内いっぱいの益子焼の器の中から、決められたお小遣いで、父に灰皿、母に一輪挿し、妹にスプーンを買ったことです。
でも、益子焼といえば、実家の食卓を彩る食器で毎日の生活にありました。
私にとっては、一番馴染みのある焼き物といえます。
母が、料理好き器好きでしたから、自然と私も器散策が趣味になっています。
こうして大人になって、焼き物の街の風情を楽しみながら、益子焼のお店が立ち並ぶ通りを気の趣くままにゆっくり見て回る楽しさは、なんとも良いものです。
さて、その益子焼ですが、数件探してみても、なかなか私の中の益子焼に出会えないでいました。
どうも、今風というか、色も、手触りもしっくりきません。どんどん足は、奥の方へ奥の方へと。
そして、ついに「大誠釜」というお店にたどり着きました。
「大誠釜」の登り釜です
そこは、創業150年七代目で、伝統の登り窯の製法を守り続けている窯元でした。
店主夫人の案内で、登り釜や、工房を見学させていただきました。
登り窯で焼いているからこそ、その益子焼本来の土味、柔らかい温もりが伝わるのだと熱く語ってくださいました。
なるほど確かにそうなのです。そこに並べられている器は、他のお店にはない独特な色、質感を醸し出していました。
どっしりとした手ごたえのある重み、独特な釉薬の茶、青緑、ゆらりとした模様。
ひとつひとつ手作りされているからか、しっとりと手に馴染みます。
見つけた!たからもの器。来た甲斐がありました。出会えましたー
益子の陶器市などは全国的に有名ですが、機会がありましたら、ぜひ、みなさんも訪れてみてください。
愛情を込めた手料理に、愛情込められた器がマッチすれば、それはもう最高の取り合わせ。
全部が美味しい組み合わせ。幸せの食卓になりますね