緑のカーテンとゴルわんこ

愛犬ラム(ゴールデンレトリバー)との日々のあれこれと自然や植物、
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初映画「ばかもの」

2011年01月07日 | 映画
学生時代や映画業界で働いていたときは年間に200本近くの映画を観ていて、一年365日のうち映画を観ていない日の方が少ないような生活を送っていました。
その頃は年末、その年の観納め映画をなににするか、年明けに初めて観る映画をなににするか、それなりに意識していました。
まあ、映画を観るのが仕事だったのですから当たり前かもしれませんが。

私が働いていたところは女性もわりに多い職場だったのですが、結婚しているのは社長の川喜多かしこ夫人と私だけという環境で、結婚しただけでなく子育てまでしていて、「彼女は趣味を仕事にしたのではなく、趣味で働いている」などといわれてしまうくらいに好きだった映画の仕事から離れたのは、24年前に下の子どもが産まれた時です。

一年くらい育休をとってもいいからまた戻ってくれというありがたい上司の声かけもあったのですが、なんとしても退職しようと思ったのは、障害のある子の子育てが一年や二年ですむものではないと感じていたからです。

すっきりと仕事というか映画と離れられたかというとそんなことはなく、お世話になった映画界の方々に送った離職の挨拶状には「子育てだけではなく、私自身のメンテナンスも必要なので、しばらくピットインします。いつかまたこの世界でフルスピードで走れるように十分整備してきます。」という内容を書いたと思います。

ピットインしたまま24年、もうリタイヤの年齢になってしまいました。自分の過ぎ来し方を考えることも増えた最近、やり残したことはないか?という内なる声が聞こえてきます。

子育てをしてきて、いたらない未熟な親だったと反省こそすれ、子育ての日々を後悔したことはありません。素晴らしい時間、かけがえのない人々に出会わせてくれたと子ども達に深く感謝しています。

でもたったひとつ、もう少し映画を観たかったなと思います。
これからの日々、許されるものなら映画を時々見に行きたいものです。

というわけで、今年の口明け映画はなにかというと、1月4日のホテルをチェックアウトした日に目と鼻の先にあるスバル座という映画館で観た「ばかもの」という日本映画です。



スバル座、なんと懐かしい映画館でしょう。以前、日比谷にはいくつもの映画館があり(もちろん今もあるのですが)、それぞれの映画館が独自の雰囲気を持っていました。あの映画ならみゆき座だ、やっぱりアクション映画は日比谷座だ、丸の内ピカデリーには少しおしゃれをして見に行こうなどと、映画館の名前と上映される映画とのつながりが深かったような気がします。

その中でスバル座というのは、立地条件(有楽町ビルというオフィスビルの2階にある)からもキャパシティからも、渋い一癖あるような映画の上映が多かったような気がします。
でも、ちゃんとした映画館でスクリーンが上がっていくし(左右に開いたかな?)、映写室も観客席から覗けるし、これから映画が始まるぞという期待感充分な映画館です。今もそのままでした。懐かしいよー。

金子修介監督、内田有紀、成宮寛貴主演の「ばかもの」という映画、よかったです。内田有紀がカッコイイ!女ながら惚れてしまいそう。いいな、成宮くんにとっては初めての女性、そして大学生の自分よりもはるかに年上の女、その魅力をあのように描けるとは! 日本映画も大人っぽくなってきたのかな?

そんなことはない。昔の日本映画は成瀬巳喜男にせよ、豊田四郎にせよ、小津安二郎にせよ、落ち着いた年かさの魅力的な女性をいろいろ描いてきました。
「熟女」なんて嫌な言葉ですが、フランス映画のジャンヌ・モローや「離愁」のロミー・シュナイダーのような大人の女性がでてくる映画を見たいです。
内田有紀姉さん、これからもますます頑張れ!かっこいい女になったね。

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