緑のカーテンとゴルわんこ

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「二十五、二十一」という青春ドラマ

2022年05月09日 | 韓国ドラマ

何だか味もそっけもないタイトル「二十五、二十一」という韓国ドラマを見ています。タイトルは面白みがないのですが、ドラマは丁寧に作られたとても品のいい気持の良い内容です。韓国ドラマあるあるが、あまりないので終わりまで違和感なく視聴できました。

フェンシングが大好きな高校生の女の子ナ・ヒドが主人公で、彼女を取り巻く家族や友人たちや4歳上の青年ぺク・イジンとの恋模様が描かれています。

1997年のIMF通貨危機の翌年1998年からコロナ対策でマスクをしている現代までの20数年間のお話ですが、ナ・ヒドの中学2年生の娘が母親の高校時代の日記帳を見つけ読み始めるところから過去の母親の高校時代に遡り、その様子が描かれていきます。携帯電話がまだなくてポケベルでメッセージを公衆電話で聞くシーンが出てきたり、大好きなコミックを読みたくて貸本屋で続きの巻を予約したり、時代だなと思いながら見ていました。ナ・ヒドの大好きなコミックが「フルハウス」という漫画なのですが、韓国ドラマでピ(RAIN/チョン・ジフン)とソン・ヘギョが共演した大ヒットラブコメ「フルハウス」の原作コミックのようです。私はピが主演する「サンドゥ、学校に行こう」で彼のファンになったので、ドラマ「フルハウス」もとても楽しく見ていました。原作がコミックだったのは知りませんでした。高校生が夢中になっていて、貸本屋さんで先に読みたくて争奪戦を繰り広げていました。

1997年に起きたIMF通貨危機で韓国は大変な経済危機に陥り、ナ・ヒドが通っていた高校のフェンシング部が廃部になるというところから話が始まり、オリンピックの金メダリストの高校生コ・ユリムの通う太梁(テヤン)高校に転校したいとあれこれ画策するコミカルなシーンがあります。ペク・イジンもIMF通貨危機の影響でお金持ちのお坊ちゃん大学生だったのが、父親の会社が倒産し一家離散して大学は中退してアルバイトを掛け持ちしながら就職活動をしている青年です。下宿先にまで父親の借金取りが押し掛けてくるほどで、青春を謳歌することとは程遠い日々を過ごしています。韓国にとっては、この1997年IMF通貨危機や手抜き工事によるソウルの1995年三豊百貨店崩壊事故、1994年漢江(ハンガン)にかかる聖水大橋の崩落事故などは、多くの人々の心に苦しい悲しみの記憶として深く刻まれているようです。三豊百貨店崩壊は韓国ドラマ「ジャイアンツ」の中で大きなエピソードとして描かれていますし、聖水大橋の崩落は映画「はちどり」の中で大きな事件として出てきます。

フェンシングが大好きなナ・ヒド役はキム・テリという女優さんで、元気で頑張り屋さんで明るくて決して挫けない高校生を生き生きと演じています。キム・テリは1990年生まれなので32歳、ドラマの中では十代の高校生にしか見えずとても30代の大人の女性には思えません。制服のスカートの下にジャージーのズボンを履いているのですが、日本の女子高校生もよく同じような格好をしていましたね。

転校したテヤン高校のフェンシング部コーチを「梨泰院クラス」の長家(チャンガ)グループの専務役だったキム・へウンが楽しそうに演じています。長家グループのイヤリング専務が洒落っ気なしのスパルタ部活コーチに変わっていて、最初は誰だか分かりませんでした。

それにしても、韓国ドラマ界の俳優さんたち、本当に演技力があり上手ですね。「梨泰院クラス」の長家グループ会長チャン・デヒ役のユ・ジェミョンも憎たらしい悪役を堂々と演じていて、迫力満点でした。ドラマの面白さって、主役だけではなく、敵役や周りのわき役たちにどれくらいリアリティがあり、ストーリーの展開に違和感がないかによります。「二十五、二十一」もナ・ヒドを取り囲む高校生の役者たちがそれぞれ魅力的で個性的だったので、主人公二人の初恋話だけではない現実感あふれるドラマになっています。

私は2021年11月から近所のカルチャーセンターで韓国語を学び始めたので、半年が過ぎてハングルがだいぶ読めるようになりました。高校生の名札が読めたり、食堂のメニューが読めて、「あ、トポッキだ」とわかり嬉しくなっています。会話を聞き取るのはまだまだ無理ですが、ところどころ習った単語が耳に飛び込んできます。「ソンムル」、あ~プレゼントだねと字幕で確認できたりします。知らなかったことがわかるようになるって楽しいことですね。ドラマを楽しみながら、少しずつハングルが身につくといいなぁと思っています。

時代に翻弄されながらも、それぞれの夢の実現のために歩み続ける若者たちの姿に笑顔と涙と拍手を送りたくなるドラマでした。そしてこのコロナ禍で青春を迎えようとしているナ・ヒドの娘にも、大変なことばかりではないよ、きっとキラキラ、ドキドキする素敵な一瞬があなたを待っているよと応援したくなりました。

 

 


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