エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

突き抜けた悦び

2014-12-30 08:00:22 | アイデンティティの根源

 

 転移と逆転移の問題は、臨床の基本です。

 p236の第3パラグラフ。

 

 

 非常に広大で、難解な分野に入っていくのに必要な動機すべては、バラバラになった機能が結び付きを取り戻すために、黄金律と一致してきます。それぞれの持ち味やそれぞれの分野の技術のおかげで、医療従事者は、「1人の開業医として、1人の人間として、発達でますが、それは、患者が、1人の患者として、1人の人間として癒されていくのとちょうど同じです」。なぜならば、本物の癒しとは、患者という一時的状態(直すということ)を超えているからですね。本物の癒しとは、癒された患者が発達し、家庭やご近所に、心身の健全さに対する態度を伝染することを経験することなんですね。この心身の健全さに対する態度こそが、倫理的な見通し・イメージの要なんですね。

 

 

 

 

 ここは非常に大事です。それは、フロイトは、work through 「徹底操作」と言いましたが、日本語の翻訳は堅すぎますね、小此木先生には申し訳ないけど、こんな訳をしてるようじゃダメで、今日のエリクソンが教えてくれているみたいに、それは「本物の癒し」の事なんですね。

 この「本物の癒し」は、自分が心身ともに健全でいることです。この健全healthが、永遠に変わらない価値があること、holy や、丸ごとwhole,all、あるいは、癒しhealと同根であるように、揺るぎのない自信と豊かさ明るさと結びついています。それは家族やご近所の人が、ハッとする感じなんですね。非常に魅力的。クエーカー教徒ではないですが、「内なる光」の体験ですね。ですから、work throughは、「突き抜けた悦び」にほかなりません。

 

 

 

 

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