エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

待ち望みと不思議

2015-03-09 14:55:45 | 間奏曲

 

 満月の夜も、不思議を感じ、不思議に想いを馳せる時。

 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』から p93の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 楽な姿勢で腰かけて、望遠鏡のピントを月に合わせてください。ジッとして待ち望ことを学ばなくちゃね。というのも、渡りの道に何十分と待ってなきゃ、渡りは見られないんですから。待ってる間は、月の地形でも学んでね。さほど良いものではない望遠鏡でも、上っ面しか見ない子どもを引き付ける細部が見えますから。

 

 

 

 

 

 ここを読むと、自然の不思議の体験は、神の不思議の体験と同じだと分かります。いずれも、ヒュポメノー υπομενω 「ジッと待ち望むこと」が必要だからです。

 人はジッと待ち望み続けることができる時、自然の不思議にも、神の不思議にも出合い、その意味を、υπο(=下に)μενω(=留まる)<under(=下に)stand(=留まる)理解することができるんですね。

 そして、この不思議を体験することこそ、ヌミノース 圧倒的な、静かな感動 です。

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神は存在するのか?

2015-03-09 12:22:23 | アイデンティティの根源

 

 儀式に寄生して自分を確かにしようとする道は、その儀式の形が整い過ぎちゃうと、ダメになりやすい。

 

 

 Young Man Luther 『青年ルター』のp186の第4パラグラフ、ブランクのすぐ下から。

 

 

 

 

 

 毎日が、知的であって、しかも、宗教的な生活は、ルターが大学や(男子)修道院で散々味わったものですが、3つのことが励みでした。すなわち、実在論と唯名論という、哲学的には大きなアンチテーゼと、宗教的神秘主義です。

 

 

 

 

 

 詳しくは、この後エリクソンが展開するはずです。実在論と唯名論の対立は「普遍論争」と言われる有名な中世の神学・哲学論争です。大学などで習った人も少なくないと思います。個々の者に対して、「類の概念」などの「普遍」や「神」が実際に存在するのか?(実在論)、それとも、「普遍」や「神」は名ばかりの存在なのか?(唯名論)を巡る論争です。神秘主義は、神との直接体験を重視した立場です。深い瞑想や非日常的な体験を重視する立場です。

 

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今も状況は変わらずですね、残念…。

2015-03-09 06:19:19 | エリクソンの発達臨床心理
 
柏・連続殺傷事件 その心理を考える。
  千葉県柏市で、24才の有為の青年が、絶望的な殺傷事件を起こしました。「臨床犯罪学」など罪を犯す人の心理に「詳しい」とされる人のコメントも新聞に紹介され...
 

 名古屋大の学生や佐世保の女子高校生の事件、などが続いていますもんね。さらには、川崎では、18才と17才の少年たちが中学生を殺す事件もありました。特に佐世保の事件、10年程まえに、小学校6年生が同級生を学校の中で殺した事件がありましたよね。佐世保という地域社会の中にも何かある感じがします。

 こういう社会状況から、人間らしい暮らしの出来る社会を取り戻すために、再掲します。

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