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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

遊びは芸術品

2014-06-26 10:58:27 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
目の前にいると同時に、心の中にもいる子ども
  遊びには、一級の芸術を創造する時と同様な、独創性と完成度がある、ということは驚きではないでしょうか。また、遊びには、「最も深い意味で治癒力がある」というこ...
 

 遊びは芸術品。遊びには、それだけの独創性と完成度がある。そんな素敵なことをどうして学校はやらないんでしょうか? 正確には少数ながら、遊びを重視して取り入れている教員もいるのですね。金森俊朗先生がその代表格でしょうか?

 私どもでも、どうすれば遊びを芸術品としてみなしていけるのでしょうか? それは、私どもが、子どもをどのようにみなしていくのか? ということと深く関係しています。

 眼の前にいる子どもをその創造性と完成度を生み出しうる、一個の独立した存在として認めていくことが、遊びを芸術品扱いするための一歩だ、と言うわけですね。しかし、それができたら話は早いんであって、なかなかそうはできない。

 じゃあ、どうすればいいのでしょう? それは、自分の中の子ども、つまり、本当の自分との対話ですね。そして、本当の自分と対話しながら、日常生活を、その対話を生かすために、意識して過ごす、ということですね。自分との対話、それは最深欲求に応えることなのですが、それを分かりやすく申し上げれば、アンパンマンですね。アンパンマンのメインテーマ「何のために生まれて、何をして生きるのか?」という問いに、自分の頭と生活を使って、応え続けることです。

 そして、アンパンマンの問いに応えていき、それを日常生活に生かしていると、思いがけずに、パッと道が開けたり、今まで見過ごしていたことに気づいたり、思いがけない思いが浮かんできても、それが口にしなくても実現して来たり…。不思議な想像力が、不思議な創造力と結びついているのを感じることができます。

 そんなことをしていると、遊びが芸術品、と、ふと気付く瞬間が訪れてくれます。不思議な独創性と、不思議な完成度を有しているのに気が付きます。

 

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父親の眼鏡に叶う倅

2014-06-26 05:34:18 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 お父さんの役割はヴィジョンを示すこと。でも、今の日本で誰がヴィジョンを示してくれているでしょうか? そんなことよりも、日々の金儲けに明け暮れているのが、今の日本の偽らざる姿でしょう。だから、子どもが育たない時代になってしまってるんですね。

 p39下から3行目から。

 

 

 

 

 このお父さんの役割に深く関わるのが、社会経済的な発達です。個人の持ち物が生じて、個人の持ち物が息子たちの一人に受け継がれるようになると、お父さんは自分の財産を引き継がせる息子は誰にしようかと探すようになります。当然、それは、お父さんが相続者として一番相応しいと思う倅でしたし、一番お父さん似の倅ですから、結果的には、お父さんの一番のお気に入りの倅、ということになります。父親が≪真の関係≫の中で子どもを大事にする気持ちは、条件付きなんです。父親が≪真の関係≫の中で子どもをーー大事にする気持ちの原理は、「私がお前を大事にするのは、私の眼鏡に叶うからだよ。お前は自分がしなくちゃいけないことをちゃんとするし、お前は私に似てるからね。」ということです。 父親が条件付きで子どもを大事にするとき、母親の掛け値なしで子どもを大事にする気持ちと同様に、そこには肯定的側面と否定的側面の両方があることが分かります。その否定的側面は、父親が子どもを大事にする気持ちは、それに相応しくなくちゃあなりませんから、期待に応えられなければ、大事にされなくなります。父親が子どもを大事に思う気持ちの本質からして、服従することが中心の価値になりますし、不服従が一番の罪になります。その罰は、父親から大事にされない、ということです。その肯定的な側面は、同様に重要です。父親が子どもを大事に思う気持ちが条件付きだからこそ、私は父親から大事にされたいがために、なにがしかのことをするのですし、また、父親から大事にされるために働くのです。父親が子どもを大事に思う気持ちも、母親が子どもを大事に思う気持ちと同様に、自分がコントロールできるものなんですね。

 

 

 

 

 

 お父さんが子どもを大事にするきもちは、それを得るために子どもががんばるようになるわけですね。期待に応えよう、めがねに叶うものになろう、という努力の源でもあるわけですね。

 

 

 

 

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