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忙中閑話

四季の移ろい、花鳥風月を楽しみつつ
趣味はミニチュア木工、電子工作、旅行など

万里の長城  日本人旅行者の遭難に託けて

2012-11-07 | 随想
約20年ほど前会社の出張で北京に行ったおり、同行した商社の人が紫禁城
と万里の長城を案内してくれたことがあった。

尖閣問題で日中関係が悪化している昨今、この出張時の思い出を足がかりに
中国について少し書きたいと思いつつ考えあぐねていた矢先に今回の事故の
ニュースが流れたので少々驚いている。


紫禁城は市内にあるのでこれは兎も角、万里の長城の方は北の夷敵の侵入
を防止するために建設されたということから北京の遥か北方にあるという
イメージでちょっと足を伸ばして行けるような距離にあるとは予想も
していなかった。

地図を見ると確かに近い。北京から北西に6,70kmのところ、信号が殆ど
なかったはずだから車で約1時間強で八達嶺という城門に着く。
(この名前は今回のニュースで初めて知った)


 搭乗したJALで貰った北京、西安の観光案内パンフ(部分)
 表紙          北京周辺地図
      


 八達嶺(長城入り口)
 銘板の部分を拡大すると「万里長城 八達嶺」の字が見える。
  (長、達、嶺が略字)
 すぐそばに入場口があり、入場券を買って入ると城壁上部の
 回廊に出る。

 


 長城の回廊
 上方に見える城郭まで登る
 


 城郭から入場口方向 
  遥か下方に入場口のある八達嶺付近がみえる。標高差100m程だろうか。相当登  っている。
 

 かなり傾斜がきつい
 

 城壁が遥か遠くまで延々と続く
 



遭難のニュースを聞いた時まず最初に思ったのは、多くのコメンテーター
が言っているように「万里の長城で遭難?」「吹雪で?」というものだった。

回廊の両サイドには、背丈はそれほど高くないが壁が設けられていて一本道。
迷うことはまずない。そしてもともと沙漠に近いので降雨量が少ないはず。
写真を見ても回辺に大木が見られない。

写真の日付を見ると奇しくも行ったのは11/18。コートは着ていったが
それほど寒くはなかった。


今回の遭難の原因は60年振りの大雪と年配者にとってはかなりハードな旅程
だとか。誠に気の毒としか言いようがないが、めったに観光客が行かない珍し
い場所でもあって道も余り整備されていない所のようだ。行き尽くして最後に
残った秘境といったところだろうか。


 紫禁城、天安門
 


 その他故宮博物館も案内して貰ったが、主だったものは国民党が敗走した
ときに運び出して今は台湾にあるとのことで、台湾の故宮博物館にも行った
ことがあるがこちらの展示物は確かにすばらしかった。



次に当時の中国の話だが、当時中国はまだ相当に貧しく、比較的恵まれた地位に
あるはずの政府の役人です月給が7,8千円という状態だった。
ホテル1泊分で軽く吹っ飛んでしまう。
従って時折工場に技術研修でやってくる中国の技術者は外で食事ができずに殆ど
毎日ホテルでカップラーメンばかりを啜っているという話であった。

また技術的にも相当遅れており、日本の技術取得に熱心な余り立ち入り禁止の
場所にも無断で立ち入ったり、「企業秘密」の部分を「友好的でない」と非難
して無理に聞き出そうとしたりするなどかなり強引な面もあった様だ。

それが今や有人の宇宙飛行船を飛ばす。中古で時代遅れの型式ではあるが航空
母艦までも持つまでになった。米国まで狙える大型のミサイルも開発済みだとか。
自信過剰になるのも当然だろう。

この中国に日本企業は先を争うように、膨大な市場や安価な労働力を求めて進出
している。

清朝末期の頃の揚子江沿岸地方では、欧米の企業、民間人が進出して行って開発が
ピークに達した頃から程よく中国人が次々と戻って来はじめ、次第に欧米人が居
づらくなって最後には全て中国人の手の物になってしまったという経緯がある。

今回の日本をターゲットにした暴動はこれに似ている。軌道に乗るまでは虎視眈々
と傍観する。そうして成功すればいろいろな手段でもって掠め取る。これは中国人
の常套手段なのだろう。

真偽の程は判らないが、中国のことわざに「木の上に逃げた獲物を追い立てる犬は
隣の別の木を吠え立てる」というのがあるそうだ。中国が難癖をつける時その狙う
先は別にあるようだ。「靖国」「歴史認識」はこれに当たる。

アフリカあたりでは、資源開発に投資はするが現地で中国人の労働者を使い、投資
した金は中国製品を売りつけて回収するので、現地は資源は取られて残るは中国製品
のゴミばかりという有様ですでに中国離れが始まっている。尖閣、南沙諸島のような
やりかたをすれば早晩世界の嫌われ者になるだろう。

日本もこんな国に進出するしか生き残る方法がないようでは哀しい。





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