枕元で読書灯として使っている小型のLED電球の調子が悪くなった。
点灯して5分ほど経つと突然消え、その後点いたり消えたりを繰り返すようになった。
白熱灯からLED電球に変えたのはほんの数年前だし、毎日寝付くまでの数分間しか
使わないので延べの使用時間は1000時間にも満たないはず。故障するには余りにも早すぎる。
応急的に元使っていた白熱電球にやり変えたが、白熱灯の光は赤外線を含んでいて熱いので新しいLED電球を購入しまた取り替えた。
そこで故障した原因を探るべく古い電球を分解してみた。
機番LDA4N-H-E17でOHMと表記されている。オーム電機製だろう。
MADE IN CHINA 100V 50/60Hz 3.5Wの表記も見える。
まず、プラスチック製の先端カバーの取り付け部分をカッターナイフの背で削ってゆく。心が折れそうになるが何度も何度も回しながら根気よく少しずつ。
(途中ノコギリを使って切り離そうかとも思ったがゆっくり手をかけてやったのが後述のとおり結果的にはよかった。)
カッターで削った溝がある程度深くなったところでマイナスドライバーを使ってこじ開けると、先端カバーが取れて中の基盤があらわれた。
プラスチックカバーは接着ではなく嵌め込み構造になってもいるのでノコを使わなかったのが正解だった。
基盤には2個の抵抗(R1,R2)とP1の表記がある素子が1個あるのみ。
基盤の裏、つまり電球の根元部分に電源ユニットが組み込まれているのではな
いかと思いさらに分解を続ける。
基盤にハンダ付けしてある2本のリード線を外し、さらに基盤のネジ2本を緩め
ると基盤が外れた。
基盤裏にはなにもなく、電球本体からはリード線が出ているだけ。
中にユニットがあるかも知れないと思い、テスターでリード線間の電圧を計っ
てみるとなんとDCではなくAC100V。
つまり電源ユニットがなく直にコンセントからの電圧がかかっている。
ということは単純にダイオードで整流しているだけのようだ。
(基盤の表側にあったP1表記の素子がP型ダイオードか?)
ダイオードを使って交流電流の下半分(逆電流)をカットするだけの半波整流で
平滑直流化も行っていないようだ。つまり半分は消えているということになる。
この電球を使っているとき揺れるイアーホンのリード線がストロボ写真のよう
に波状に残像が見えたのは多分このせいだったのだろう。
実に安あがりで簡素な構造。しかし逆に考えれば故障の原因も簡単なはず。
リード線のハンダ接合不良か放熱の接触不良くらいしかない。
リード線を外すとき片方のリード線がハンダゴテをあてるだけで基盤からポロ
リと取れて端子部分の表面がそのまま現れたのでこれが故障の原因として最も疑わしい。
ハンダ付けを十分に行い、さらにLED素子裏に手持ちの放熱ペーストを塗り加えて復旧。
すると一時間以上点灯し続けても無事点滅することはなくなった。まずは修理成功と言えるだろう。
あきらめてすぐに廃棄しなくてよかった。