忙中閑話

四季の移ろい、花鳥風月を楽しみつつ
趣味はミニチュア木工、電子工作、旅行など

韓国に思う その2

2012-10-11 | 随想
 先に南北朝鮮が世界で唯一の分断国家と書いたがもう一つ中国・台湾があった。
唯一のというのは勘違いであった。しかし台湾は大陸で共産党との争いに敗れた
国民党勢力が台湾に逃げ込んで建った国であり、沖縄に琉球王国があったように
もともとは中国ではなかったので中国・台湾がいわゆる冷戦下の分断国家かという
とやや趣きが違う。

 言いたかったのは、朝鮮がいまだに分断国家であり続ける原因が、有史以来長く
中国の影響力の下にあり時に内紛で外国軍隊を招き入れたことにあるということで
あって、そういった他力本願的な体質が有史以来の成り立ちから長く体に滲みつい
ているということである。

 中国から導入した律令体制が、日本では800年以上も前に破綻したのに対し
朝鮮では李朝が滅ぶ近年まで続いていたというから驚く。それに加えて最悪なのは
中国式の科挙制度。これも近年まで続いた。優秀な人材の登用といえば聞こえが
いいが、極端に詩歌、文章作成の能力査定に偏重し、しかもこれらに関する過去の
膨大な文献の知識を問うものであったため記憶力が勝負となる。これでは確かに
頭は良いかも知れないが思考力や判断力、独創性のある人材は育たない。また科学
技術や工芸は蔑ろにされた、というよりむしろ卑しいものとして卑下され続けた。
日本と同じように太平の世が長く続いたはずなのに日本の上方文化、江戸文化の
ような爛熟した文化・芸術が生まれなかった所以である。

 これは単に科挙制度が悪かったというのではなく、この弊害多い科挙制度を何ら
疑いもなく永々と500年もの間続けてきた民族性に問題があるということに早々に
気づくべきだ。
山中教授がノーベル賞を受賞し日本人の受賞者が19人となったのは探究心を育んで
きた先人たちの絶え間ない努力にある。

 朝鮮は儒教の国、礼節を重んじる民族だというが、日本大使館前の少女の像は
民族の品格そのものを疑う。長幼の序を尊重するといったことが、例えば年長者の
前では煙草を吸わないとか、酌を受ける時は酌を持つ手の袖口に反対側の手を添えて
両手で受けるといった行儀作法だけが先行し心が伴っていないのではないか。
そうでなければあのような下品極まりない行動は全く理解できない。

 自らの歴史を学び、それに立脚する民族性に気づくこと、そうしないと永遠に
一流国にはなれないだろう。