お祭り 歴史探索の旅   ~尾陽雑記抄~

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名古屋若宮八幡社祭礼「福禄寿車」2

2005年05月09日 00時16分11秒 | 山車祭り
昨日は星座「南極老人星」の話ばかりでしたが、この山車には、
色々いわくもあります。

 山車の前棚に御幣を振る「幣振り人形」があります。
この人形の顔が可笑しい、面白い。この人形の面には、
その昔、山伏が「火災除け」のまじないをかけた、とも云われております。
そのおかげか?戦災でも焼けませんでした。

 山車の最上段では、後ろに大将人形「福禄寿」がドーンを座り、
その前を二体の「唐子」がいます。

 一体の唐子は、太鼓を叩き、
もう一体の唐子は蓮台(文字通り、台です)の上で逆立ちをして
鉦を叩くというカラクリ、それを観て大将の福禄寿が喜び、
軍配を振るという、お話です。

 猩々緋の大幕はその昔尾張10代目斉朝より拝領し、
それ以後、名古屋の山車の大幕は猩々緋が流行したと云われております。
いわゆる「元祖 猩々緋」

 またこの山車は「能楽」の囃子を使い、名古屋でも格調高い囃子です。
「神楽」や「楽」といった曲は能をよく鑑賞される方はご存知かもしれません。
山車囃子で「神楽」や「楽」を使います。格調高い曲を「タダ」で聴けるので、
お徳かもしれません。山車の方向転換時に使われる「神楽」を速くした
「早神楽」(ハヤカン)は豪快さも持ち合わせています。

 現在、名古屋のほとんどの山車祭りは、日にちではなく、「6月の第一土日」とか「10月の第一日曜日」と変更されましたが、
「若宮八幡社祭」は、日にちで祭礼日を決めますので、ほとんどが「平日」となります。山車祭りファンは休日ではないので、地団駄を踏みますが、平日ですので、オフェス街の方は仕事中に観る事もできます。

 祭礼で道路を一時通行止めにされた「本町筋」を悠々と山車が通り過ぎていく。ビルの谷間を山車が行く。現代建築と江戸の祭礼車のアンバランスなアングルはよく新聞などで紹介されます。

 現在はオフェス街となった「本町筋」
 時代は移り変わっても、変わらぬものもある。

 スタジオ ジブリに「タヌキだってがんばってるんだよ」
というキャッチフレーズがありますが、時代が変わっても、山車も
たくましく生きています。

 「山車だって頑張っているんだよ」


名古屋若宮八幡社祭礼「福禄寿車」3写真編